第7話
人魚の誘いに乗るからには、もしかすると、俺は今日、ここで死ぬのかもしれない。
たぶん、いや、きっとそうだ。
ロモルが色気づくのを待つつもりだったから、もう少し先だと思っていたし、覚悟も
でも、この世界に未練なんて――苦しい思い、
確かなのは、メテルリさんのキス待ち顔が、俺の心をかつてなく揺さぶっているということ。
ここでキスをすれば、俺は本気で気持ち良いことを
「キェェェ!!」
悲鳴や奇声と言うのも生ぬるい不快な音が、俺の耳を
と思うと、ロモルが両手でメテルリさんを海に突き落とした。
なんてことしてくれたんだ!
と心の底から
――許してください、思春期なんです。
海に落ちたメテルリさんは、ロモルに悪態を
俺はほっとした。
メテルリさんが怒らなかったこともそうだが、自分がまだ生きていることに、ほっとしていた。
俺たちが笑っていると、ロモルが両手で俺の顔を
何だかただならぬ雰囲気――。
その
冷たいが、やわらかく、
突然のことで驚いたが、正直、思っていたほど悪い気はしなかった。
「ロモルには心の余裕が足りないみたいね」
メテルリさんがからかった。
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