第27話
「どうも〜
ふぁっ?
まーまー。
いい爺さんになっている俺は目を擦った。
俺氏、確か病室で静かに息を引き取ったよね?
死んだら極楽浄土へ行くんじゃないの?
あっ、まず三途の川だっけか?
しかし、目の前にはどーん!!
ブロンドの巻き髪に、浅黒い肌。
ド派手なメイクに、ド派手なおっ
なんか制服を着崩したギャルにしか見えない、自称――天使ちゃん。
なに、こんなキュルンキュルンしたギャルみたいなヤツが俺の水先案内人なん?
ねーねー。
俺氏の魂、どこに逝くん?
つか、連れてかれるん?
まーまー。
会社で人生経験を積んだ俺でも、すげーパニくっていると――。
「あーね。戸惑うのは無理ないかもです、はい。あなたは特例中の特例なんですよ〜」
はい?
そこ、詳しく。
あと、ネイルを見ながら話すのやめよーね。
「あーしの
色々、沢山ツっこみたいけど……。
まずね、そのてへぺろピースやめよーね。
「ちょーラッキーですよ、柏田さん!肉体も若返るみたいですし、便利なチート能力も付与されるらしいですよ。もう、アレですよ。アレ、俺Tueeeとかやっちゃってくださいよぉー」
ねーねー。
天使ちゃん、他人事すぎん?
あと、逆てへぺろピースもやめよーね。
「この角度よくないですか?」とかどーでもいいから。
「あー、でも」
どしたん?
急に真剣な眼差しになる天使ちゃん。
そんな顔も出来るのな。
「今度は後悔しないようにしてくださいね?それは、どこの世界に行っても――柏田さんの心次第ですから。応援してますよ、柏田さん。あーしも、まーまーあなた達を見てたんで」
ニシシと笑う顔は、俺の知っている天使の姿からはほど遠いモノだったが――。
「ありがとう」と頭を下げる。
「あーしは何もしてないですよぉー。感謝するなら、あなたをずっとガチで想ってくれた人へお願いします。それじゃあ、立ち話もなんなんで、異世界へのゲートを開けます。行ってらっしゃい、柏田さん。良い
黒ギャルの天使ちゃんがブンブンと手を振る中、俺は異世界へと足を踏み入れたのだった。
そして――。
柏田の居なくなった空間で、天使は呟く。
「あー、ガチで想ってくれた人達へだったかなー」と。
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