水星の魔女・完結!~創作がらみで色々考えた~
kayako
目一杯の祝福(と多少の文句)を公式に!!
※※本エッセイは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のネタバレを非常に多く含みます。未視聴のかたはご注意ください。
また、辛口の意見をかなり書いていますので、苦手なかたも十分ご注意ください。
さらに、作者は結構な4号君推しです。その点を考慮してお読みいただければ幸いです。※※
衝撃展開の連続で、SNSなどで話題となったガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、ついに最終回を迎えました。
実は最終回直前まで、13000文字ぐらいお気持ちをダラダラ書いちゃっていたのですが、全部ボツにすること決定しましたw
これは思い切り手のひら返しせざるを得ません!!!ww
13000文字書いたお気持ち返して公式さんwww
何といっても我が推し・4号君のシーン。
これに尽きます!
6話のあのラスト以降ずっとモヤモヤモヤモヤしながら、2期後半になってもずっとスルーされてきた4号君。
それが! ようやく! 最後の最後で!!
スレッタの後押しをしてくれました!!
いつかスレッタを助ける為に、パーメットになってでも出てくるはず……
という予想は6話直後からずっとしてましたが、まさか最終話まで焦らされるとは思わなかった。
22話であのような形で4号君の行方が明かされて非常にガックリときてしまい、正直もう23話ではほぼ諦めの境地で物語を眺めていました。
そこへきての最終話! あのピアスが見えた瞬間声が出ましたw
出てくるだろうとは思っていたけど、出てくれるだろうと思ったタイミングをことごとくスルーされ裏切られ続け、ようやくのこの瞬間!
水星の公式は鬼です。悪魔です。たったこれだけの供給で今まで虐げられ続けた4号推しが満足するとでもありがとう!!
冷静になってから考えると、もうちょっと霊界通信シーンあっても良かったじゃん? 最後エリクトと一緒にクールさんに入ってるとか明言されても良かったじゃん?とは思いましたが、あのシーンだけで大分浄化されました。
それでもやっぱり23話までの扱いはどうにかならなかったのかと思いますが、公式的には最後の最後のカタルシスを一発決める!の覚悟だったのでしょう。
いやはや、ボツにしたお気持ち内じゃ本当に滅茶苦茶な文句書いちゃってましたよ。最終回まで待って良かったエライ大恥かくとこだったw
しかし正直、23話までに尋常でない不満がたまってたのは事実。
だからこそ最終話でのカタルシスがこれだけ映えるのだろうけども。
4号君が、スレッタの中で綺麗な永遠の初恋になって終われたのは本当に良かった。
劇場版00の刹那とティエリアの如く、最終決戦で4号君がスレッタの妖精となって彼女を導いてくれる妄想したいけどこの公式は無駄に設定に忠実だし4号君は徹底して不憫扱いだしやらないだろうなぁ~……からのアレですよ!!
欲を言うなら22話ぐらい、いや18話ぐらいの段階で出てきてくれてもうちょっとスレッタと長く会話してくれても良かったんじゃない!?と思うけども!!
最終回がなければサイ君の不憫さ大きく上回ってたところです4号君は!!
正直、推し不憫度ランキング大幅更新確定の瞬間見る為だけに最終回見てましたw
なのでだいぶハードルは下がってた……そこへあの4号君だからそりゃあテンションもおかしくなるわww
さらに最後の最後の最後で種劇場版公開日発表。感情がだいぶ滅茶苦茶に。
途中はあまりの4号君の不憫さと話のおかしさと尺の足らなさに脱落も考えましたが、最後まで見て良かった。
6話直後の願いだった4BBAに鉄槌を!もまぁまぁ果たされた感あったからまぁ……
あの風向きBBAどもにとっては会社や財産奪われる方が死ぬよりダメージだろうし、相当の鉄槌には違いない。お茶しばいてるのは正直どうなのかと思ったし、そもそもあのBBAどもは何者だったの?という疑問もあるが。
******
とまぁ、以上が最終回見終えて1時間後の感想です。今はだいぶテンション落ち着いてますw
最終回を終え、水星の魔女という作品に対する個人的評価がどう収束したかというと
『最終話に至るまでの過程で滅茶苦茶鬱憤はたまったけど
最終話でそれなりに解消された』
というところが妥当かと。
勿論、他の方々の評価は人によって様々でしょうし、私と正反対の評価も勿論あると思います。
特にこの作品の場合、どのキャラが好きだったかによっても評価は大きく割れると思う。もっと言うと、同じキャラを好きであってもそのキャラをどう推していたかによってもかなり割れるかと。
ちょうど種もそうだったな……水星最終話での種劇場版公開日時発表も運命だったか。
ここからは水星の魔女、全体的な感想です。
※少々辛目の記述が入りますのでご注意ください※
23話までの展開は、本当に不満ばかりが蓄積していました。
特にエラン4号君の件。
箇条書きにしてみるとこんな感じです↓
・最初からスレッタといい感じだし、これは中盤あたりでガンダム強化人間あるあるの悲劇のお別れ&主人公成長イベント!?
→序盤の6話ラストでいきなり行方不明に(焼却処分としか思えない描写)
・7話以降で顔が同じなだけのエランご本人様や5号出てきたけど、スレッタが違和感に気づいて強化人士の闇や自分の秘密を知るんだろうな
→一向に気づかない上、5号が色々やらかした結果、スレッタはミオリネに依存
・それでも5号もしくはエラン様本人に誕生日の件を踏み込めば、そこから疑問が生じて4号のことも知っていくんじゃ
→何故か誕生日の件はノータッチ。それより株ガンのプロモーションで忙しくてそんなヒマないです
・株ガンとペイル社が協力体制になったし、本物エラン様も今後何かと関わって、スレッタやミオリネが学園の闇を知っていくんだろうな
→エラン様、ろくに出番さえありません(特に2期)
・4号がやっぱり死んでいたとしても、ファラクトにパーメットか何かで残ってて5号を乗っ取るんじゃないか
→5号君も死にたくないのでパーメットを上げてくれません
・プロスペラがエリクトをエアリアルに溶かしたように、ベルメリアが何とかしてファラクトに溶かしているのでは?
→エリクトの件を知ってベルメリアドン引きな上、ペイル社にその技術はない。ありえません
・ワンチャン、ベルメリアが4号逃がしてくれてない?
→実は強化人士を生み出したのは彼女。しかも滅茶苦茶保身第一の人だった、ありえませーん
・6話のエアリアルとの戦闘で、4号の意識の一部がエアリアルに溶けてるってことはない? ビットの一部になってスレッタを守ってるとか
→5号がエリクトに追い出された時も全く気配なし、残念でした
・エアリアル(エリクト)が「あなたはダメ」と5号追い出した!? でも4号は5話でエアリアル操作できたよね!? ってことは「4号ならいい=何らかの形でエアリアルの中にいる」ってことでは?
→多分制作者的には単に「スレッタ以外ダメ」みたいな意味合い?
・18話タイトルが「空っぽな私たち」! ようやく4号復活来る!? 幻覚でも幽霊でもデータストームでもスワンプマンでも何でもいいから来る!?
空っぽ同士といえば4号しかいない!! 1期6話で4号退場だったし、2期の6話にあたる18話で4号復活だろ! ミオリネとグエルに見捨てられたスレッタが4号との想い出を糧に立ち直る展開来る!!
→地球寮に励まされただけで元気出ました。友情ッテ最高ダネ
・それでもスレッタがエアリアルと接触すれば、何らかの形で4号にも言及があるかも?
→エリクトさんが自分に関する謎を一気に全部喋って無理やりスレッタに情報を流し込んでくれたけど、4号については当然の如く言及なし。5号がエリクトに接触した意味は……
・メイン脚本家が「エラスレがトレンド嬉しい」のツイート! これは絶対4号とスレッタの何らかのエピソード来るはず!!
→最終話見ると何となく納得したけど、これツイートされたの18話直前あたりだったんスよ( ノД`) 上記の通り4号の存在が完全スルーされた18話の……
・スレッタがプロスペラとエアリアルにも見捨てられて宇宙に放り出された。これならいい加減4号の想い出で何とかならない? スレッタが母親関係なく自主的に動いたのってほぼ4号関連だろ! 宇宙に放り出されている間に4号君、幻覚でも何でもいいから来てくれ!
→いつの間にか無事学園に戻ってました。地球寮に励まされてミルクで立ち直りました。友情ッテ(ry
・21話にきてようやく、ようやくスレッタが「私の知ってるエランさんのことを教えてください」発言!! これで報われる、少しでも報われるはず!!
→知っただけでしたね……泣いてはくれたね……
4号ファンは半年以上待ったのに十数秒ぐらいで終わったね……
・エアリアルが敵に回り、ガンダムじゃなければ太刀打ちできない状況。だったらスレッタがファラクトに乗ることで、中にいる4号君の魂と一緒に最終決戦に挑むのでは?
→キャリバーンなる新ガンダムがいきなり出てきた。ファラクトドコー?
・もうあと2話しかないけど、ガンダムあるあるの霊体かなんかでスレッタの力になって……くれるといいな( ノД`)
→これだけガンダムの呪い描いてた割に何故か気合で押し切られそうな雰囲気あるしこの作品もうダメだぁ終わりだぁ! 5号カッコイイなぁ!!(現実逃避)
・残り最終話しかないけど、マジで4号君どうにもならなさそうだしハードルは思い切り下げておこう……
謎にスレッタへの負担が軽減された描写がちょっとあったけど
スレッタが乗ってるのキャリバーンだし
どうせナディム父ちゃんとかカルド婆ちゃんとか
スレッタ助けたいというよりエリクト&エルノラ助けたいヴァナディースの面々がデータストームに密かに潜んでたとかだろ
もう期待なんかしないするもんか
プロローグ見てない勢は置いてけぼりだけどこの公式そういうことする
→最終話:この公式 そ う い う こ と す る ぅ !!???
――とまぁ、最終話のあの瞬間まで、よくぞここまで踏んだり蹴ったりが続いたもんだと感心するレベルに4号君周りは酷いものでした。
というか冷静に考えると、あの最終話でも正直まだ不満が鬱屈している。あまりにも引っ張りすぎだろうと。
そしてここまで引っ張ったのなら、最終話もうちょっとスレッタとベタベタしてくれても良かったしお別れの言葉だって(ry
4号君に関しては最終話でようやく出てきてくれるのならホント、18話あたりで出てきてくれても良かったのでは?感はあります。
18話のスレッタどん底の時に妖精さん的な存在で出てきて、最終話で力を振り絞ってお別れ……といったオチの方がまだ良かったのでは?という気はした。
18話からの流れは、全てを失ったかに見えるスレッタが自分の力でどう這い上がっていくかが肝だったし、そこに霊的存在である4号が絡んではいけないという制作者側の狙いもあったのだろうけど……
スレッタが母親がらみでなく初めて自分の意思で掴もうとした恋が4号君だったのなら、18話のタイミングで彼が出てきてくれても良かっただろうと今は思います。最終話でああやって出てくるなら余計に! それまで引っ張られた期間に比べてあまりにも短すぎる!!
母親とミオリネから見捨てられ、エアリアルという家族も奪われ、自分が空っぽの存在であることを知った……という状況からスレッタが立ち直るには、地球寮のサポートだけではさすがに無理がある気がする。
この時のスレッタのモノローグや心情が殆ど説明されず、ただ食べただけで立ち直ったイメージさえあるのも問題。種でのキラのフリーダム乗り換え時の心情変化の方がまだ分かりやすい。あれもだいぶ唐突にキラが変わった印象あるけどスレッタはそれ以上に……
12話のあのサイコパス描写は今にして思うと何だったのかと。
ガンダムシリーズ、特にSEED以降の作品はだいたいそうですが、この『水星の魔女』に関しても、「良くも悪くも」考えさせられる作品となりました。
曲がりなりにも一応創作にちょっとだけ携わっている人間としても、「良くも悪くも」考えさせられることが多かったと思います。そして「悪くも」の比率が少々高め。
(23話の時点では「悪くも」が「良くも」を大幅に上回っていたけど最終話でだいぶ下がった。それでもまだ若干「悪くも」が高い)
創作関連で言うと主に次のような問題点が水星ではよく挙げられ、そして当方もじっくり考えるきっかけになったと思います。
1.行方不明キャラの生死を明確にせず、不必要なほど長く引っ張り続けることで生じた問題
2.2クールという尺に対してキャラ数の異常な多さ、それに伴い生じた問題の数々
3.SNSでのバズり優先での衝撃的展開、からの雑な処理
3については以前こちらの↓エッセイで触れたので割愛。
「予想を覆す展開!」って、そんなに良いことですか?
https://kakuyomu.jp/works/16817330651148235360
この時点で心配していたことが色々的中してしまったかも知れない。
1に関しては勿論、4号君周りの描写に関してです。
強化人間としてただ死亡するだけではなく、
・最初から家族もなく記憶もろくになく名前も容姿も奪われ
・命を削るガンダムに乗せられ
・同じガンダムパイロットであるスレッタと出会い、葛藤や激突がありながらも最終的には心を通わせられた
・その矢先に秘密裡に焼却処分
・代わりの5号が出てきて、スレッタはもとより、他のキャラも入れ替わりに気づかず
・スレッタの中の4号の記憶や美しい思い出さえ踏みにじられ
・スレッタは徐々にミオリネへと依存
・物語から退場しただけでなく、その存在さえ物語中で虚無となってしまう
さらに言うと
その生死がスレッタには勿論、視 聴 者 に す ら 長いことぼかされていた
という。
こんな不憫な扱いされた強化人間はガンダム史上でもそうそういないということで、嫌な意味で話題になってしまった4号君。
考えたら種運命のアウルとスティングも相当酷かったけども
(彼らも定期的に記憶抹消され、アウルは早々に死亡、スティングはアウルやステラの記憶さえ消され、最期は本当に戦う以外に何もない状況だった……ステラはともかくこの二人は、ムウの記憶からさえ忘れ去られたように見えかねないのが酷い。
その存在や死が他のキャラ・物語に殆ど影響を与えていないという点で、アウル&スティングもかなり不憫。
それでもその二人は殺人だのなんだの相当やってたからその代償とも考えられますが、4号君のやらかしって、怒りのあまりスレッタに冷たく当たった&グエルをボコボコにしたぐらいでは……)
自分は、推しキャラの死亡は物語上必要ならば仕方がないと考えるタイプです。
しかしその死によって、他のキャラや物語にものすごく多大な影響を及ぼしてくれなければ気が済まない!というタイプでもある。
周りのキャラにはその死を10年ぐらいは引きずっていてほしいし、何ならそのキャラの死亡が引き金となって仲間が全滅!バッドエンド直行!まであってほしいぐらい。
今までは推しキャラが死亡しても、そのキャラが何やかんやで周囲のキャラや物語に影響を及ぼすことも多かったので、キャラの死亡は悲しいけれど最終的には納得することが多かった(鉄血のビスケット周りの描写が典型例。鉄血そのものの評価は別として)
ただ4号君の場合、退場はしても生死は公式ですらぼかされた(他の死亡キャラは雑誌などの媒体でもはっきり「死亡」と書かれたが、4号に関しては徹底して明言はされず)
しかもすぐに同じ顔の別人が出てきて、スレッタも他のキャラも彼の退場に気づかない。だから4号の途中退場が物語に、特にスレッタに影響を与えたかというと殆どそんな風には見えなかった。
これは今までの自分の推し歴でもほぼ前例がなく、本当にキツかったです。
その死が誰かに悲しまれ悼まれるどころか、唯一心を通わせた主人公にすら気づかれないとは……
しかも本当に死亡したかどうかも分からないので、ファンが悼むことさえ出来ないとは……
このような状況は7話以降、5号からスレッタに真相が明かされる22話まで続きました。リアル時間だと半年以上です。
その間に耐えきれず脱落してしまった4号ファンは多く、何とか残っていてもその扱いに不満を持つかたが殆どでした。
自分も6話直後は「絶対ファラクトか何かに潜んでいるヤツだろそのうちまた出てくるだろ」と思ってましたが、まさかそのまま終盤まで行方不明とは予想だにしなかった。
しかも前述のとおり、4号復活チャンスか!?と思ったタイミングを何度もスルーされまくって……
もしやコレ、最後までろくに触れられずに終わるのか? ありえないんですが!?
と本当に不安いっぱいでした。
同じように不安に苛まれた4号推しのかたは非常に多かった。SNSでのお気持ち表明をどんだけ見たことか。
当方も何度も某ツバサくんに逃げたり某無一郎君に逃げたり(ry
そりゃあミオリネアンチスレッドがあれだけ伸びるのも仕方ない。スレッタをミオリネとゴールさせる為に、無理矢理4号君殺して死亡の事実さえ知らせず5号にその想い出さえ踏みにじらせて4号君の存在をスレッタの中から消してる!と受け取られても仕方のない描写ですから。
ありゃ止まらないよ止まるはずないよ……
(※当方、ミオリネさんはそこまで嫌いではありません)
キャラを死亡させるだけでなく、その生死を公式でもはっきりさせずやたら引き伸ばす。
そういう扱いがどれだけ罪深いか、4号君でまざまざと思い知らされました。
この扱いの酷さは、やっと最終話でスレッタの大きな助けになった……とはいえ、自分の中でもやはりシコリとなって残っております。
あそこまで酷い扱いするならもっと何かくれ!せめてクールさんの中にいてくれ!!……という想いが今は大きい。
そしてベルメリアが祈っていたあの墓が4号じゃなく多分フェンのだと気づいた時の絶望感。見た瞬間はようやく4号にお墓が(´;ω;`)と思ったものだけど。
そして水星の魔女、2つ目の問題点が
『2クールという尺に対してのキャラ数の異常な多さ』
24話(プロローグ含めても25話)しかないのに、キャラがとにかく多すぎる。
多分4号君問題の諸々もここから生じている。
ミオリネやグエル関連の描写が多すぎると言われることが多いけど、自分が気になったのは地球寮の描写。
地球寮の人数が多すぎるのと、彼らとスレッタとの日常シーンが何故かやたら強調されるせいで、それぞれ一言ずつ状況説明の台詞言うだけでかなりの尺を取ってしまう。しかも一人一人の掘り下げがそこまでされていないせいか、描写が長い割に個々の印象は薄い。
結果、モブキャラ集団が相当の尺を消費している印象が強くなってしまった。
彼らをあそこまでモブ並みの扱いするなら、いっそ地球寮は女子だけで良かったんじゃないかとまで思う。マルタンの役割そのままアリヤにさせて何か問題あるだろうか。賭けごとを誰がするかって? チュチュがやるか、アリヤが占いで稼ぐじゃダメなのか。
マルタンの苦悩描写が無駄に長くて尺を取ってた感あるし、そのせいでニカチュチュの仲直りまでおざなりにされた印象がある。地味にロウセセ派も被害を(ry
気弱でも成長していくキャラって本来なら好みなんですが、マルタンの場合は残念ながら刺さらなかった。他に描くべきこと山ほどあるだろ?となってしまって……スレッタとミオリネと4号とペイル周りとシャディク周りとデリング周りとあぁキリがない!
あとシャディクガールズも本当に存在意義が分からない。
地球寮もだけど、9話で団体戦やる為だけに人数無駄にいたんじゃないか疑惑さえある。
彼女たちに関しては殆ど描写がなかったに等しいから、尺が取られている感はそこまでなかったですが。
水星の魔女は
1.スレッタとエリクト、強化人士に関わるガンダムの呪い問題
2.戦争シェアリングから生まれた、アーシアンとスペーシアンの格差問題
3.プロスペラとデリングの目的であるクワイエットゼロ
この3つの問題がどうなるかで物語が展開されてきましたが、2クールで全部やるにはやはり尺が足りな過ぎたかなと。
特にクワイエットゼロと、シャディクの目的である格差問題解決は殆ど関係がなかっただけに、シャディク関連ほぼ抜いても良かったのではとすら思える。
しかも最後シャディクはクワイエットゼロ関連の罪まで自分から負って、恐らく極刑となるというオチ。
なのにシャディクガールズは全員無罪放免とかどういうこっちゃ(ニカのように罪を償ったと思われる描写さえなし)
プロローグにおけるデリングの罪も、プロスペラとデリングがクワイエットゼロで共謀していた目的も、デリングとノートレットに過去何があったのかもほぼ明かされず、デリングとミオリネの親子会話さえ2期ではほぼなく……
というか、デリングの罪まで全部シャディクに被せて終わりですか?
冷静に考えるとこのへんはちょっとありえない。ケナンジが責任は大人に云々言ってたのは何だったのか。
最終回の勢い&4号登場&祝福流れる結構なハッピーエンドでなんか感動してしまったけど、「冷静に考えるとこれどうなの」案件が多い水星。
その謎の勢いすらなかったAGEと、主人公側壊滅エンドで終わった鉄血に比べればだいぶ良い終わり方だと思うけども。
4号君関連以外で、あまりに描写がサラっとし過ぎて(もしくは描写がなさすぎて)引っかかった点を挙げると
・グエルの地球行き及び帰還の過程
・みんなで団結しなきゃ全員死ぬ最終決戦なのに、急にミオリネ殺すと言い出しグエルと戦い始めたラウダ。ガンダムらしいといえばらしいが、結構引っ張っておいてシュバルゼッテもったいない……
・プロローグにおけるデリングの罪の清算
・プロローグで、ヴァナディースをあそこまでデリングが目の敵にした意味は? 株ガンを許したのはまさか娘には甘かったってだけ?
・ケナンジ、ヴァナディースの件でお咎めなし&「責任は大人に」発言しながらほぼ責任取らず
・シャディクの感情や行動を理解するのがZガンダムのキャラ理解するより難しかった
・シャディクとミオリネの過去
・そもそもシャディクの過去
・ニカとチュチュの和解(そもそもニカの件でクローズアップされるのはマルタンばかりで、ニカに対するチュチュの心情がほぼ分からないのも問題。亀裂がろくに入ってたかすら……)
・ノートレットってトマトの遺伝子だけで終わり? 死因とか、彼女がデリングに与えた影響とかは?
・超有能だけど女性苦手なロウジといい、地味ながらここぞという時に的確なサポートを果たしたティルといい、サイコパスなメイジーといい、ピックアップすれば面白そうなキャラは多いのに全部物語にほぼ関係せず放置な印象
・作中貴重な癒しだったロウセセは無駄に爆破されたのかどうなのか
中でも気になったといえば、主人公たるスレッタとヒロインたるミオリネ周り。
4号君の描写を省いて主役二人を重点的に描写するならともかく、この二人さえ結構おざなりな描き方だから困る。
終盤に来てもスレッタの心の動きがよく分からなかったし、そもそも主人公のモノローグや回想を殆ど出さない意味が分からない……
地球での事件を見た時のスレッタの詳しい心情とか、ミオリネの真意を見抜いたタイミングなどなど、スレッタ再起時の感情の流れがほぼ全部行間読むしかないのもかなり問題。
いや、行間読めとかいう問題じゃなく妄想で補完するしかないレベルだコレは!
種も似たような部分あったけど大量の回想で補っていたから、一応行間を読むのは可能だった。
そもそも富野ガンダムも言葉足らずな部分多いけど、あの特徴的な台詞に多くの情報が含まれているから、それでキャラの感情や背景、物語の流れが納得できることも多い。
しかし水星の場合、回想もモノローグもろくになければ富野台詞もないのでマジで妄想するしかない!!
だから考察も増えるし深読みも増える。富野台詞の如く、台詞一つに色々な意味が含まれているんじゃないかと考察する人も多かった。
それ自体は非常に良いことだけど、結果から見ると、脚本の人そこまで考えてないと思(ryの現象そのものだった。
ミオリネがスレッタの秘密(リプリチャイルドがどうの)を知った時の反応とか、スレッタが(エアリアルを取り上げた時の)ミオリネの真意をちゃんと知るとかミオリネがそれについてスレッタに改めて謝るとかでの和解とかも見たかったのに、そういう大事な反応が省かれた感が強いのもなぁ。スレミオの物語ではないのか?
11話の追いかけっことか、22話のミオリネ立ち直りシーンとか、いわゆる「謎にエモい」シーンは結構あるけど、よく考えたらこの二人大事な会話してない(あったとしても描かれてない)と感じることが多かった。
1期では敢えての演出かと思っていたけど、結局最後までその印象が拭えなかった。
一番ヤバイと思ったのが23話のミオリネの台詞「(スレッタが)死んじゃうかもって震えてた」。
いやいやそれこそ台詞で説明じゃなくてそのシーンを直接描いてくださいよ大事なことだろ!!! あの時点でスレッタ、死ぬ覚悟ガン決まりしてたようにしか見えないんですけど!?
そもそもスレミオについては被害者(エルノラ)の娘と加害者(デリング)の娘という因縁もあるのに、そこもほぼノータッチだった。ミオリネが「私たち(子供世代)には関係ない」的なことをプロスペラに言ったことがあるけど、それで終わりなのか……
あと、エリクトがエアリアルになった状況についてもさらっと流された感ある。
エリクト本人の怒涛のような説明&スレッタへのデータストームによって。
あれは初見じゃワケ分かりません。視聴者が全員考察動画チェックしてるわけじゃないですよ公式さん!?
瀕死の幼児というキッツイシーンゆえそこまで詳しく描けないという事情もあるかも知れないが、エルノラがプロスペラとなる最大のきっかけなのだし、そこはじっくり描かなきゃアカンやろと。
スレミオといい4号といいエリクトといい、あの展開からこれを求めていた!というシーンやじっくり描いてほしいシーンを、ことごとくさらっと流された印象が非常に強い。
1期で楽しみにしていたことを延ばし延ばしにされた挙句、2期で軽く流されるか台詞だけで短く説明してろくに描かれないか、一つ一つのシーンをじっくり深読みしないと分からないというパターンが多すぎてキリがない。
究極が22話、4号の真相を明かされた時のスレッタ……
最終話でのカタルシスの為かも知れませんが、あの描き方はさらっとしすぎですって!!
ひっくるめて言うと、
「このキャラこうなると嬉しいな」「このキャラはこの現実にどう反応するんだろう?」を、全部投げ飛ばして雑に処理されている感がすごかった。
これらの現象についてもやはり、
『キャラがべらぼうに多い割に尺が足りない』問題に終始するのかなと思います。
ガンダムの場合キャラ以外にMSも描かないといけないから、そちらにもリソースを奪われる。結果、キャラもMSも必要最低限以上まで削り切った描写しか出来ないという事態に。
それを思うと、グエル周りは比較的普通にちゃんと描かれた方なのかな……
弟との確執もそれなりに決着ついたし、普通に過去回想もあったし、地球でのエピソードで1話まるまる立ち直りに費やされてるし。
グエルやジェターク関連で尺取りすぎという意見も多く見ましたが、こういう描かれ方が本来は普通なんですよね……
スレッタまで含めて他キャラが描かれなさすぎて、普通に描かれたキャラが尺取り虫と言われる事態が悲しい。
やはり2クールではなく3クールは欲しかった作品だし、どうしても2クールにしなければならない事情があるならキャラ数を削るべきだった。
物語で必要な描写まで削りに削っておいて、キャラ数削れない理由とは何ぞや?と思います。
SNSで「スポンサーやら声優事務所やらもろもろ抗えない関係各所から、これだけのキャラをこれだけの尺は絶対出してくれという要請があったんじゃないか」という憶測があったけど、信じてしまうレベル。
ガンダムだから途中で半数ぐらい×す予定なのかと思ったらそうでもないし。
若干話は脱線しますが……
「いい子たちだから×さないで! 幸せにして!!」みたいな意見がSNSだと非常に多いし、水星だとガンダムなのにこのテの意見が何故かやたら多かったが
その理屈が通用するなら
Vガンでオデロは死んでないし
イデオンで幼女の首がぶっ飛ばされることもなかったし
エヴァでアスカは喰われてないしトウジは足失ってないし
種でトールもニコルも死んでないし
種運命でステラたちエクステンデッドも死んでないし
00でルイスは腕失ってないし
AGEでユリンは死んでないし
鉄血で鉄華団は壊滅してないし
何より
4号君は死んでないんですよ!!!(# ゚Д゚)
命のやりとりしてる戦場に、「俺たちズッ友だよな!」的な理由でわざわざ出てきた分際で「いい子たちだから×さないで」は甘すぎるんだよ!!
SEEDの学生組で学べ!! プリキュアでさえかつては妖精が焼き殺されたことだってあるんだ甘えんじゃねぇええぇ!!(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)
……同じことを願いながら私の推しが何人×されたと思ってんだチクショウ( ノД`)
今まで見たガンダムで、水星と一番近いと感じた作品は劇場版のZ。
あれもフォウやロザミアの扱いがかなりなことになってたなぁ。その割に、本筋関係あるか?っていうサラ周りやハーフムーンラブを集中的に描いてたっていう。
シロッコのキャラクターを、サラを通じて色濃く描くという意味では正解だったのかも知れないし、そのおかげでカツに興味を持てたから悪いわけではないんだけど。
しかし経過はともかく、良い終わり方で「水星の魔女」は最終回を迎えました。
言いたいことは本当に数えきれないですが、スタッフ及び関係者の皆さま、お疲れさまでした。
願わくば今後、4号君のように、キャラのみならずファンまで蹂躙され怨霊と化し呪詛をまき散らすレベルの不憫キャラを生み出さないでいただきたいものです……
水星の魔女・完結!~創作がらみで色々考えた~ kayako @kayako001
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