第6話 説教のあと、笑う兄。クラスメイト。

俺が教頭先生からの公開処刑をくらった後に紹介されたが、俺の今年の担任は兄が務めるようだ。


(こういうのって、兄弟をあんまり一緒にしないんじゃないの?)

ただ、これも兄に対する他の先生の人望で成せるものなのかもしれない。‥‥まぁ、公開処刑のせいで俺への人望は無くなったかもだけど。



「というわけで今日から1年間、君達の担任になった竹中光だ!よろしくな!」

「「「「パチパチ!!」」」」

兄の言葉とともに大きな拍手が聞こえる。


『今回の担任の先生は当たりだね!』

『ほんと、それ!』

『よかったぁ‥‥。』

そんな安堵の言葉が聞こえてくる。

(兄さんパワーすごっ‥‥。)


こういう時に兄の凄さを感じる。誰からも受けいられる不思議な魅力みたいなものが。



「じゃあ、早速だけど自己紹介してもらう!出席番号1番のやつからやってくか!

内容は‥‥うーん?名前と所属部活と今、頑張ってることにするか!」

特に不平不満が出ることなく自己紹介が始まる。



「じゃあ、次3番の石作!」

「うっす!名前は石作大悟!部活はバスケ部で、もちろん頑張ってることは部活動だ!よろしく!」

「シンプルで良いな!頑張れ!」

大悟の自己紹介の後、女子達の中で『大悟くんってカッコいいよね』とか『そうそう、なんかクールな感じ?』そんな言葉が聞こえる。


‥‥クールはなんか違くない?



「次は12番の神崎!」

「はい!神崎神楽です。部活動はテニス部で、今、頑張っていることはお料理です。」

「おー、美味しいそうだな!」

よく食べているが、それを馬鹿正直に答えない。普通に混乱を招くから。


『神楽ちゃんって可愛いよね!』

『そうだよね!‥‥なんか竹中先生とお似合いだよね!』

‥‥うん、そうだよね。



「その次、21番、直人!」

「竹中直人です。部活はバスケ部で、今頑張っていることは‥‥勉強です。」


「いや、直人が読者感想文やってないの知ってるぞ?」

「「「あははは!」」」

ちょっと恥ずかしい‥‥。

さっきの説教‥‥長い長い”大切なお話”もあって余計に視線を集めた。


『あの子が竹中先生の弟?』

『そうそう。私、去年同じクラスだったから聞いたことあるよ。』

『へー、なんか竹中先生と比べるとなんかフツーな感じだね。』

「‥‥!」

‥‥そうだよ、俺はフツーなんだ。‥‥分かってるから何も言わないでくれ、頼むから。



迎山の自己紹介はなんか聞こえなかった。

‥‥もしかしたら自己紹介してないのかもな。















こういう自己紹介ってなんか緊張しません?

この作品もとうとう折り返しを超えました。番外編の構想も出来てきたので頑張ります!

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