第4話 友達、かけがえのない友達。

俺と神楽は靴箱でクラスを確認して、教室に向かった。


「まさか同じクラスになるとはな。」

「そうね。でも、これで記録更新ね。」

「そうだな、中1の時には別のクラスだったから4年連続だな。」


別々のクラスになったのは中1だけというのは、とてもラッキーだと思う。

ただただ、その一年間の辛さがより際立ったけど。


クラスに着いた俺と神楽はそれぞれの友達の元に向かった。



「よっ!大悟。」

「おはよう、直人。」

「また、同じクラスだな。」

「また、直人と同じクラスかぁ‥‥。」

「なんだよ、嫌なのかよ。」

「冗談だって、本当に‥‥。」

「なんで、そんなに本当っぽく言うんだよ!」

「あはは!冗談だって、冗談!そんな怖い顔すんなよー。」

「大悟がさせたんだろ。」


この冗談ばかり言う男は、俺の友達の

石作 大悟(いしつくり だいご)だ。

高校からの友達で、神楽の好みとかを聞かれたことから仲良くなった。


最初はそれがウザかったが、大悟が単純に良いやつだったから、そのうちそんな気持ちも無くなっていた。

‥‥まぁ、何かを悟ったのか神楽について聞かれ無くなったのも1つの要因だと思う。


(まぁ、神楽片思いの先輩としての同情だと思ってもらって良い。)



それからも大悟と話していると、すぐに始業式の時間となり、教室を出ることになった。

ふと、神楽を見ると。


「神楽ちゃん、一緒に行こー。」

「うん、そうだね。」

「また、同じクラスで良かったよー。」

「私も結月が一緒で良かったよ。」


迎山 結月(むかえやま ゆづき)は神楽の友達で、俺と神楽の高校からの友達だ。


「あっ」ヒラヒラ

見ていたのに気づいたのか、迎山はこちらに手を振っていた。

「?、‥‥‥‥あ、」

どうやら、神楽も気づいたらしい。


「(気まずい。)よっ」


よく分からなかったが、とりあえず手を上げてみた。すると、「なにそれ」と、神楽は小さく笑っていた。


(正直、可愛いと思う。)

兄さんがいるという絶望的状況じゃなかったら、すぐに告白していたと感じるくらいに。


はぁ、なんで恋愛的に見られてない相手にこんなに心を揺さぶられないといけないんだよ。


どうしようもない気持ちのまま、体育館に向かった。













片思いで心揺さぶられたことありますか?

僕はないです!‥‥‥学校に女子がいないので。

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