第2話 顔のアザ
私はビクトリア様たちと別れて、1人でお手洗いに入った。出入り口の扉付近に設置されている洗面台に備え付けられた大きな鏡で自分の顔を見ていた。
(相変わらず醜い顔・・・)
私は自分の顔を見るたびに嫌な気持ちになる。左目付近に大きな
(あの化粧品があれば、この
この化粧品を使用したことで、体に害があると突然言われても、それまで使用していたが、特に体に変調は起こらなかった。そのため突然の販売停止に、当時の私は崖から突き落とされたような気持ちになった。学園の入学を控え、それまでは、その化粧品で隠していたものが隠せなくなり、その醜い
「はぁ。幾ら考えたところで、この
私はこの
「あっ、そうだった。あの男の忌ま忌ましい血を洗い流さなくては」
ライアンから出た鼻血が私の手にべっとりと付着している。水分は失われて赤黒くなり、あの男の鼻から出た血だと思うととても嫌な気持ちになった。
「わざわざ井戸に行かなくても、蛇口をひねると水が出るのはとても助かる」
この学園のお手洗いには、この学園の水回りには珍しいものが備え付けられている。通常なら水を用意するためには井戸に行き、水を
「・・・」
私は先ほどまで嫌悪感しかなかったライアンの血を見ていると、次第に別の感情と言うか興味が湧いてきた。
「他人の血ってどんな味がするのだろう?」
1度興味を持ってしまうと、それをどうしても確かめてみたいという衝動に駆られた。
キョロキョロ
私は、元々人の気配がなく、お手洗いには自分以外の人物はいないと確信していたが、念のためもう1度まわりを確認した。
「誰もいないよね?」
ペロッ
本当に興味本位でやってしまったことだが、この血を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます