あふたー 5年後の彼ら
「ふぅ…!今日もSSSランクのキャラを倒したぞ…!!」
『いつも通り』
『もはやなにも驚くべき場所がない』
『毒が効かないのって控えめに言ってやばいと思う』
『毒耐性、未だに星斗以外は取得できてないんだよなぁ……』
さて、協会長の裏切りという衝撃的な事件が起きてから5年。
あのあと、協会は根本的に改革をして、今までよりもさらに探索者に寄り添うようになった。
さらに、ダンジョンで落ちるアイテムの市場価値が1.5倍になったりと、どんどんとダンジョン探索者への優遇措置が構築されてきたものだ。
俺が配信しているサイトでも、その流れがきていて――
『ぽい【応援金 ¥30000】』
『日課【応援金 ¥100000】』
と、このように、一度に送れるスパチャの上限があがったり、自分のもとに入ってくる割合が上がったりしていた。
そして、俺はこの5年の間に日本で一番チャンネル登録者が多いダンジョン配信者になり、今では俺を入れて3人のことを養っている。
ん?二人じゃないのかって?いやいや、だってもう5年だぞ?
つまりはそういうことだよな――
「ほい、ということで今日もダンジョンクリアできたことですし配信終わりにしまーす!俺は星華に会わないといけないんだ…!!」
『親バカきた』
『いつもの!』
『いつか見せてな?』
『かわいいんだろうなぁ……』
「いや、可愛いんだろうなぁ…!じゃなくてかわいいですから!!ここにいても可愛さがわかるくらい!!」
『それはちょっと理解不能かも』
『ここにいても……?』
『親バカってすごいのな』
『いいじゃん、さぞかわいいんだろうなぁ……グヘヘ』
「おいこらグヘヘはキモいぞー。それはそうと、また明後日かな、配信するのでよろしくお願いしますね~!!」
明日は配信できないんですよね。なんせ星華の相手をしないといけないから!!
フォー!! 神か!? 未だに信じられてないんだよ、星華はこの世の生物の中で一番可愛い。
『じゃあまた』
『星華ちゃんの写真のうpまだですか?』
『おいこらロリ』
『ロリの年齢にすら達してない説』
「そういうこと言う人には星華の写真はあげれません!! では!!」
と言って配信を切ることにする。さぁ……。かわいいかわいい星華ちゃんとのご対面だ…!!
_______
「ただいまー!!」
5年前に同居を始めてから今まで、喧嘩とかもしたことがあったけど恋華とはずーっと一緒に住んでいる。
「おかえりー!!! さ、星華も待ってるから!」
家に入って手を洗い、リビングで待っている我が天使星華とのご対面。
「星華!! ただいまパパですよー??」
「おぎゃぁ!!」
はぁかわいい!! なんという天使レベル。もはや俺まで天使になりそうだ(?)
「星華、大好きだぞー!!」
「はうぅ!!」
なんていう親バカ全開のやり取りを毎日繰り返している。
飽きることはないね、だってかわいいから。
けど、このやり取りをしていると恋華がいつも近づいてきて…!!
「ねぇ、星斗くん? 私にも構ってよ??」
怖い笑みを浮かべて俺に構えと言ってくるのだ。
いいけど、可愛いんだけど――
「今日はいつもと別のやり方でお願いできますか?? いや、お願いします」
「ダーメ♡」
毎日疲れてしまうのだ…。
こんな生活を毎日送っている5年間。この先もずっと、この幸せがなくなることはないだろう。
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