第19話
「えー、どうも。睦月星斗っす。いろいろあってバズったんすけど。まあ、よろしくお願いします。」
……うん。こういうときは無難な自己紹介に限るよな。人は第一印象が大切って聞いたりするし。
「よっ!時の人!」
「やっぱり近くで見たらマージでイケメンだねぇ…。」
……政村さん、田村さん、恥ずいんでやめてくだせぇ…。
「うむ。全員の顔合わせは終わったようだな。では、今回の任務の結果について教えてもらってもいいかね?」
全員の自己紹介が終わったところで、ついに今回の目的である任務の結果報告が始まった。
「はい!わかりました!!えーっと、今回はぁ!SSSランクキャラは一体!テキトーにボコしてきました!!」
と。最初に報告したのは政村さん。まあSSSランクキャラ一体ならボコボコにできるだろ。うん。
「そうやなぁ…。俺は2つダンジョン行ったから2体倒してきたんやけど、なんかその敵から見たことないやつドロップしてんよな。これ何なんすかね?」
そう言ってアイテムを取り出したのは中原さん。え!?このアイテム俺も落ちたやつじゃん!!
これは俺も流れに乗って報告するか!
「それ俺も落ちました!!俺、SSSランクキャラ3体倒したんですけど、3体ともおんなじやつ落ちたんですよ!!」
謎のアイテムを机において、みんなに見えるようにすると、協会長は驚いたような顔をして、
「このアイテム、私が預かってもいいかね?」
と言ってきた。うん。全然いいですね。というか俺だってそうしようって思ってたくらいだし。
わざわざ言う手間がなくなるのは助かるなぁ…。
「えぇ。」
「いいっすよ。」
俺達二人は、協会長の言葉に素直に従って、珍しいアイテムを渡した。
まぁ、少しだけ自分のもとで保持しておきたいっていう気持ちもあったのだが、そんな勝手なことをしてもっとよくないことになると困るしな。
「……というかさ、睦月さん、SSSランクモンスター3体倒したっていいましたよね?え?どうなってるんですか?強すぎません!?」
……え?強いの?SSSランク探索者ならそれくらい普通なんじゃないの? っと言うか俺、負けそうになってた自分を恥じてるとこなんだけど?
「はい、まぁ倒しましたけど…。鈴木さんもそうなんじゃないんですか?SSSランクモンスター3体倒すくらい普通なんじゃ…?同時に相手してたわけじゃあないですし…。」
「あの…?何言ってるんですかね?普通は苦戦してやっと一体倒せるか、くらいなんですよ。私は今回実際にそうでしたし。」
「えっじゃあ俺ってもしかしてSSSランク探索者の中でも強い…?」
「「「「「………」」」」」
なあなんで無言になるんだよ!!俺が強さを自覚してなかっただけじゃねぇか!!
あ、なんか自慢したい痛いやつみたいってことか!?すみませんでしたっ!!!
……と、まぁちょっと情緒がおかしくなってしまったが、実際にみんながこんな反応になるってことは、俺は相当強いんだな?
なるほどなるほど…。これからはもっと慎重に立ち回るべきか…。
「ゴホン!まぁ次の方、報告をお願いできるかね?」
微妙になった空気を協会長が戻してくれて、田村さん、そして最後に協会長が報告をして、今日のところはお開きとなった…。
と思ったのだが。帰る間際に中原さんが1つ協会長に質問をして。
「あ!そう言えばですが、イレギュラーを鎮圧したことってSNSとかにあげてもいいんですか?」
「まぁいいですよ?あ、私のことは特定されないようにお願いしますが。みなさんも、いいですかね?」
「「「「はーい」」」」
………さてと。嫌な予感がするのは気のせいだろうか?そうだよな?そうだと言ってくれ?
_______
俺の嫌な予感は見事に的中し、中原さんが俺がSSSランクモンスターを3体倒したと投稿して、『星斗強すぎな!?』とツエッターでバズったのはまた別のお話…。
……別にいやってわけでもないのだが。
よし、今日は暇だし久しぶりに配信でもするか…?
――いやいや!!!今日配信するって言ってたじゃねぇか!!まずいまずい……
まぁいいや。とりあえず寝るか。
_______
この先の展開が全く思い浮かばない件について。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます