第17話
「じゃあ、今度はもう少し強い魔法にしてやるよ。なぁ、ギガントナイト共。覚悟しろ!『
と、俺が言うと相手も防御を固めて。もちろん、これ一撃で倒せるとは思っていないが、少しはダメージ入ってるだろう、さっきよりも強くしたし。
と思っていたのに…。
「おいおい小童。その程度なのか?こんなもの、反撃するまでもないわ。のう、ギガントナイトよ。」
「ぞゔだな。」
チッ…!なんで効かないんだよ!俺、SSSランクだぞ?しかも、一般的にイレギュラーってSSSダンジョンのボスよりも弱いはずじゃねぇか…?
一対二とはいえ、ここまで苦戦するものなのか?なぁ、俺は、こんなところで負けるのか?
いや、そんな事を考えていても仕方がない。今は攻撃、それだけだ。
幸いなことに、相手は反撃してこようとは思っていない。今のうちに集中砲火すればなんとか…。
「ああ。それが本気だと思われちゃあ困るぜ?『
きた!今回の魔法は、しっかりと敵に命中して、敵を巻き込めた。よし!ダメージ入っただ…ろ…?
「はっ!言ったではないか。防御に徹すれば屁でもないと。」
「そうだなぁ。『ギガントナイト』であるわしからすれば少々物足りないまであるのぅ…。」
……これでも、効かないのか。まずいまずい。これ以上強い魔法を、こんなところで解放したくないんだよ。
もっと強い、すべてのダンジョンの支配者のところに行くまで温存しておきたかった。
けど、悠長にしてたらこのまま俺が負ける。だめだ。背に腹は代えられない。
「そうかそうか。先程、俺は本気を出すと言ったな。それは嘘だったよ。今からの、これが本気だ。」
「はっ。強がりか。」
「その言葉、俺が砕いてやるよ。さぁ覚悟しろ?『
さぁ。この魔法は文字通り上から隕石がどんどんふってくるのだ。お前らにはよけることどころか、防御姿勢を維持することすらできないんじゃないか?
なんせこれは一分以上持続するからな?その分俺の体力消費も大きい訳だが。
これで仕留める、もしくは瀕死まで持っていくって決めたんだよ。
よし!!いけ!!!
「ふぅぅ……」
約一分。『隕石』を使い終わる頃だ。そろそろあいつらも地獄へ落ちてくれてる頃だろ?なあなあ。今どんな気持ちだ?
「なぁなぁ、今どんな気持ちか?小童よ。」
………は。おかしいおかしい。俺の『隕石』が破られるだって?
「まあ、これは効いたわな。だが、儂らを倒すにはもう一発、必要だったようじゃ。体力と防御に絶対の自信を持つ儂らには、いささか威力が足りなかったようじゃな。」
……なんだよ、それ。なんで効かないんだよ。クソっ!クソっ!なにがSSSランクだ。こんなところで負けるなんて、並以下じゃねぇか。
ちょっとバズったからって持ち上げられて、それだけで天狗になって。
こんな任務すらもできないようなカスに成り下がっていたのか?俺は。
「のう、息が上がっておるの、小童。なぁに。すぐに儂らが仕留めてくれよう。なぁ?ギガントナイトよ。」
「そうじゃな。今から体力が劇的に回復するようなことはないだろう。あの技には大量の体力を消費すると見た。少しは回復するにしても、技を撃てるほどにはならないだろう?それに、回復魔法を使えなそうだ。さぁ、諦めろ。」
……あきらめなければいけないのか?俺は。こんな、道半ばで。
恋華だって、アワ様だって。リスナーの皆だって、会長だって。
皆、俺に期待をかけてくれていたんだ。なぁ、勝てなくてどうするんだよ?探せよ、今から大逆転できる方法。
見つけろよ、頭を回転させろ。諦めるな。
さあさあさあさあ!!
………ふっ。あぁ。なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだ?冷静になれば、こんなことにも気づける。まあ、灯台下暗しってとこか。
これなら、勝てる。ふっ。ここに来て、あの浮気女たちに感謝することになるとはな。
あいつらがいなかったらこれはできなかっただろう?
「ハッハッハッハッ!!!あー愉快だ。こんなことで、お前らはもう勝ったと思い込んでいるのか?」
「何を言っている!」
「なぁ、お前らの勝利条件ってさ、俺がもう一回『隕石』を撃てないってことだよな?」
「まぁそうだが。今から体力が回復することなどあるはずが……」
「あるんだよ!!さぁ教えてやろう、そして震えろ!死が近くに迫ってきてることにな!」
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