社会問題について

第28話 辛い八月を終えて

八月は私達にとって気分があがらない月なのである。

それは戦争を連想させるからである。

その時ばかりは報道も特集を組む。

それを見なければと思うが辛いのである。

学生の頃、うたごえ活動をしていたので

八月は慰霊祭に呼ばれ、あちこちで

歌う、そして辛い体験を聞く。

毎月、6日と9日は学校が終わる、実習がおわると走って塚本の駅前で原水爆禁止の署名活動をする。

変な右翼に絡まれるとかありあり。

八月の大会には代表を派遣する。

私達はその当時、夏だけ考えるのではなかった。

その体験が重荷になったんだろう。

八月はしんどいのだ。

私は、ヒロシマ、ナガサキと堂々と言えない気持ちをもつ。

何故なら、日本が中国、朝鮮などのアジアの国で何をしてきたか？

土地を奪い、人をさらい、簡単に命を奪い

名前や言語も取り上げた。

細菌兵器の開発の為に731部隊は人体実験を

していた。

戦後、日本はこの国の人達に賠償も謝罪も

事実も認めなかった。

ドイツは莫大な賠償金を背負った。

そして、今でも、アウシュビッツで亡くなった

人が住んでいた場所にプレートが名前と共に埋められている。

当時、東西の対立構造の中、日本はあやむや

で助けられたんだと思っている。

中国は戦後、共産主義とそうでない人と権力争いもあり、国内の統一の為に、戦後の賠償なんて適当に署名したとしか思えない。

ソ連もレーニン亡き後のスターリンによる

粛清の嵐と反体制派をおさつける組織作りに

必死だったろうし。

なにより、日本兵の捕虜にシベリア鉄道を作らせてたい。

シベリアの土地を開拓する必要があったから

大量の日本人捕虜を確保できてそれでよかったんだろう。

アメリカは日本を共産主義陣営の防波堤にする為に傘下に置いて起きたかったのだろう。

あと、731部隊の実験資料は魅力的だったのだろうし。

中国人はとか、北朝鮮はとか。

確かに、おかしいのだ。

だけれど、私の中で、あんなに非道な事をしておいて、歴史的にも無かった事にしてる

日本はどうなのだ。

と思うと後ろめたくて、なんともかんとも。

八月は心がすっきりしない月である。