第10話 あたしとセンセの考えが同じ?

「あたしのね…初恋の…話…」


「え? 興味深い? …それって…あたしの弱みでも握るつもり?」


「ふふふっ。そうはいかないよ」


「…だって……あたしの初恋の人……センセだもん………」


「…うわー…人の耳が赤くなるの……初めて見た…」


「へ? まさかこんな話になるとは思わなかった?」


「あたしは……初恋に……後悔したくないんだよ……」


「それはね…叶わないな…って、それが運命かって…、思ったよ? でもね…、何にもせずに…、自分から何にも動かずに…終わるのだけは…終わってしまうのは…終わらせてしまうのは…」


「……嫌……だった……」


「だからね…、だから…待って…たんだよ?今日」


「追試なんて嘘。古文の成績が良いのも…センセ、知ってるでしょ? でも…誤解しないでよ? 成績が良いのは、古文だけだから……」


「センセが…担当だから…頑張れるんだよ?って言うか、頑張ってるの……」


「あんなに成績が良いのは俺のせいだったのか?って?」


「当たり前じゃない……」


「へ? あたし、言葉遣い変わりすぎ? ……しょうがないじゃん……主演女優賞…もらいたいくらいだよ……」


「センセも…素直になったね。あたしの目と、センセの目、合うようになったもんね…」


「なんか……恋人同士になったみたい…擬似…だけど……」


「擬似…なんだよね?」


「え?そうでもない?………どう…いう意味?」


「そんな…そんなに…顔真っ赤にして言わないでよ! 期待…しちゃったり…しちゃうじゃん……」


「………何よ…なんで、何も言わないのよ……」


「本当に……期待しちゃっても……良いの?」


「……また…ズルい…黙り込んじゃってさ……」


「ねぇ…センセ…、一つ、お願いがあるんだけど……」


「え? また? またって何?」


「あぁ…車、乗っけてって言った事か…」


「う~ん……つまり…、あたしが今度言うのは、もっとセンセ、悩ましいかも…」


「そんな目で…見ないでよ…もしかして…センセも、あたしとおんなじこと…考えてるのかな……?」

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