第9話 熱いほっぺ
「でも、そうだね…。今日、こんなにびしょ濡れになっちゃって、もしも…センセが車に乗せてくれなかったら…本当に風邪ひいてたかも…」
「え? 駄々こねたけど、初めから乗せるつもりだった?ほんとに?」
「…だって…全然、そんな感じしなかったのに……」
「…もしかして…センセも…あたしのこと…意識…してくれてたの?」
「………沈黙…か…。……良い風に…理解してぇ…暗黙の…了解?」
「そっ! いきなり…そんな真っ赤な顔で…潤んだ瞳で…切なそうに…見ないで…よ…」
「ちょっと…期待…しても良いの? 本当の本当に…期待しちゃって…良いの?」
(ピタ…)
(女子生徒の頬に先生が手で触る音)
「な…なに…よ…。熱い…よ。認める! 熱い! 熱いです!! だって、あたし、すんごい頑張って…本当に…無茶苦茶な…女子生徒…演じてたんだから…」
「え? 分かってた? な、なんで?」
「…え…あたし…いつもは、おとなしいから?…それは…いつもこんなに、無茶苦茶なテンションの女子高生演じてらんないよ…」
「だから…今日は…本当に…偶然…」
「って言うか……奇跡…だったから……センセに…意識…して欲しくて……只の…生徒じゃダメなの…」
「それじゃ…いつまで経っても…この恋は…実らないから……」
「……言っちゃった…………恋……って言葉……」
「ねぇ…センセ? 一つだけ…聴いてい良い?」
「この期に及んで、おとなしいあたしに戻るな?だって…疲れちゃった…もう…ほとんど使ってない言葉…ばっかり使ってたんだから…」
「え?どんなのって?『マジ?』とか『そだそうだぁ!』とか? そういう…明るい子では…確かに…無いよね…あたし…」
「……センセ、あたしのこと、よく見ててくれるんだね…。なんか…嬉しくなっちゃうな…」
「さっきのはどこ行った? さっきのって何? あぁ…、一つだけ聴いて良いか? ってやつ?」
「……こんなキャラバレた途端に言えるような事じゃ…無いんだけどな…」
「でも…言いたいな…言っても…良い…かな?センセ…」
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