第4話 可愛いセンセ

「え? これは、雨?」


「嘘ばっか……。雨なら、とっくに乾いてるよ……」


「え? じゃあ、あたしの太ももはどうなのかって?」


「なに? やっぱり見てたんじゃん! エッチ!!」


「見てない? あたしが言ったから? ……そうだとしても…わかるの…」


「って言うか…、そうだから、わかるの! あたしの太もも…雨…じゃないもん」


「…雨で…濡れてるんじゃないもん…」


「じゃあ、何って? ……センセと一緒だよ? 多分…」


「一緒って何って? …わかってないの? …って嘘つき…」


「…って言うか、嘘つくの…センセ、下手過ぎ…」


「あたしが…ブラとか…、太ももとか…、スカート短いから、座ると… って言ったからでしょ?」


「センセ、あたしに…ちょっと、興奮してるんでしょ…」


「自意識過剰? …う~ん…そうかなぁ…」


(ニヤツク女子生徒)


「センセ…ちょっと…体…正直だよね…雨なんか…とーっくに乾いてるくせに…雨だ…なんて下手な嘘ついちゃって…」


「だって、次々…センセ…首…汗で濡れてるよ?」


「二人きりで緊張しだしたんでしょ…?」


「そんな事ない? …うーそつき!!」


「……あたしだって…緊張…してるんだから…」


「シンパシー…ってやつ? 分かるでしょ? センセ、体…正直なんだよ…絶対…」


「…あ…」


(キュキュッ)


(女子生徒の声で思わず先生がハンドル操作を誤る)


「わお! ちょっと! 可愛い生徒乗せてるんだから、気を付けて運転してよ!」


「…って、…やっぱり、センセ、体正直…。あたしの『あ』で、それだけ動揺しちゃうんだから…」


「え? 何が『あ』かって? ……センセ、腕、震えてるよ? 緊張…頂点なんじゃない?」


「ふふふ…。また、大人をからかうな? …だって、センセ、やっぱり全然大人じゃない…」


「って言うか…あたしより…可愛いんじゃない…?」

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