第5話 体

「だから、からかうな? まーた言ってる…だって…本当の事…でしょ?」


「もう、車乗って10分経つよ? それで、雨って言ってる方が、逆にエッチだよ…。誤魔化そうとしてるみたいでさ…」


「あーあー、そんなにスピード上げないでよ…。早く降ろしたいからって…」


(………………………………)


「何か喋れ? …何よ、さっきまで怒ってたくせに…。こっちは気を利かせて黙ってたのに…」


「やっぱり…センセ、見たいんでしょ?」


「何をって? …んー…センセが認めそうになったら…言う…」


「それじゃ、永遠に分からない?」


「なーにいってるの!? センセが認めれば良いの!!!」


「あたしが何を言いたいのか、知りたい、って!!」


「……知りたい? 知りたいでしょ?」


(………コクン)


(時間をかけて首を縦に振る先生)


「よろしい。じゃあ、言ってもいいけど、絶―――――――対怒らないでよ!?」


「え?怒るかも!? それじゃあ、知りたいって首を縦に振らないでよ…」


「良い!! もう言わない!! センセ、そんなじゃ、一生彼女出来ないからね!!」


「…わかったから、言え? …じゃ…言うよ? あたしの…パンツギリギリの太ももと、透けたブラ………見たいでしょ…」


(うえっほ!! うえっほ!!)


(先生が激しくむせる)


「それって…正常な反応だね…。そう思ってなきゃ、そんな風にならない…と…思うんだけど…」


(ブンブンブン!!!)


(先生が顔を激しく横に振る音)


「嘘だね。それは、絶体嘘ってわかる」


「なんでそんなに言い切れるのかって?」


「だって、一番最初、車に乗り込むとき…見ちゃったもん」


「え? 何を?」


「それを、生徒に言わせるんだ…」


「何をもってして、そんな言い回しをするのかって? なんか、国語の教師そのまんまな言い方だね…」


「『何をもってして』って…。それじゃあ、先生に近づく生徒はいても、『女』はいないな…」


「え? 失礼? だって…実際、そうなんじゃないの? 彼女、いないんでしょ?」


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