信義融合

前田慶次郎は束縛から解放され、野崎知通ら数名の忠義ある家来を引き連れて旅を続けていました。


前田慶次郎:「何者だ?」


微細な気配に感じ取った慶次郎は、一瞬で立ち止まり、背後の密林に向けて槍を一閃させました。


前田慶次郎:「我が槍を躱すとは、ただ者ではないな」

猿飛佐助:「失礼いたしました。私は真田幸村公の下に仕える者、猿飛佐助と申します」

前田慶次郎:「ほう、真田が何故、我を訪ねてくる?」

猿飛佐助:「我が主、真田幸村公にお会いいただきたく」


真田幸村は前田慶次郎が自由の身となったことを耳にし、その野武士の力を自軍に取り込みたいと考えていました。それゆえに、忠義に厚い猿飛佐助を慶次郎の元へと遣わしたのであります。


前田慶次郎:「真田幸村とは何者か?」

猿飛佐助:「幸村公は、揺るぎない信念と勇気に満ち溢れた方であります。彼の戦略眼と指揮力は刮目に値し、常に同志と共に戦うという信義に生きております。その信義は幸村公の部下たち全員が共有し、真田軍は団結力と戦闘力の双方において優れています」

前田慶次郎:「なるほど、真田幸村との邂逅を期待するとしよう。だが、決定するのは我だ。彼の勇気と信念が我を動かすか否か、見定めてやろう」

猿飛佐助:「慶次郎殿の言葉、深く感謝申し上げます。幸村公にもきっと喜ばれることでしょう」


かくて前田慶次郎は猿飛佐助と共に真田幸村の元を訪ねることとなりました。この出会いが、新たな戦局の転換点となる可能性を秘めていることを、彼ら自身はまだ知らないのでした。


真田幸村の陣地に、前田慶次郎と猿飛佐助が到着しました。真田家の練兵所には真田軍の兵士たちが集結し、そこには緊張感が漂っていました。

幸村は慶次郎を心から歓迎するために場の中心に立ち、堂々とした態度で待っていました。彼の周りには真田軍の将士たちが整列し、厳粛な雰囲気を醸し出していました。

やがて場の入口から慶次郎と佐助が姿を現し、落ち着いた足取りで歩みを進めてきました。その威風堂々とした佇まいと鋭い視線は、まさに戦国の英雄そのものでした。

幸村と慶次郎の視線が交差した瞬間、場には静寂が広がりました。まるで時が止まったかのような瞬間でした。

幸村は深く頭を下げ、敬意を示しながら言葉を交わしました。


慶次郎は幸村に問いかけました。

慶次郎:「幸村殿、何ゆえに戦うのか?」

幸村:「私たちが戦うのは単なる野望や私利私欲ではありません。戦国の世には数多くの矛盾や不正が存在し、人々は苦しみや悲しみに満ちています。私はその状況を変え、人々に希望と勇気を与える存在となりたいと願っています。戦いは正義と平和を守るための使命であり、私はその使命を果たすために戦います」

慶次郎:「なるほど、理念を持って戦うのか。我もまた、戦場に立つ理由がある。よし、この前田慶次郎、真田幸村に従うことに決定した!」


このようにして前田慶次郎は真田陣営に参加することとなりました。幸村と慶次郎は固い握手を交わし、共に戦う決意を新たにしました。


魂結び(たまむすび) その想いを 語り合い

確かめせしは 信義なりけり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る