戦花継承

異彩を放つ立花道雪の達人的な用兵術と、島津義弘の緻密な戦略が絶妙に連携をなし、九州連合はその無比の力を見せつけました。一方、信長の盾となるべく黒母衣衆の佐々成政や赤母衣衆の前田利家は、その身を捧げて信長を守り抜きました。戦線が長く伸びすぎてしまったと感じた信長は、軍勢全体を大胆にも後退させ、新たに列を整える決断を下しました。


その様子を眺めた立花道雪もまた、慎重に後退する道を選びました。


一方、天皇の勅令により、北陸方面の細川幽斎を攻略することを諦めた上杉軍は、越後への退却を選ばざるを得ませんでした。その後、彼らは直ちに信濃方面へと目を向け、織田家への侵攻を開始しました。


ここに至り、その前線を防衛する真田家が危機に立たされることとなりました。


幸村「父上、我々の一族の存続がこの戦いにかかっていると認識しております。一つ、お願いがございます」

昌幸「何があったのか、幸村」

幸村「この城の一部の改修を、私に許していただきたく存じます」

昌幸「何故だ?理由を述べてみよ」


真田昌幸は深く思索にふけりました。幸村が将としての才能を秘めているのは事実であり、しかしながらまだ彼は若い。しかし、今回の戦いでは兵力において不利があるため、全員が最大限の力を発揮することが求められます。昌幸はある程度の権限を幸村に与え、彼に任せることが最善策と判断しました。


結局、昌幸は幸村の城の改修案を承認しました。


幸村は以前、正月に信長と顔を合わせた際、信長から最後にこう言われていました。


信長「幸村よ、我が織田家に忠誠を誓うことはできるか?」

幸村「はい、必ずや」

信長「それならば褒美を与えよう。さあ、何でも望むがよい」

幸村「まだ私は若輩者故、何も成し遂げてはおりませぬ…」

信長「遠慮はいらぬ。茶器でも金でも、何でもよい」

幸村「ならば…鉄砲を頂戴したく存じます。それをもって、織田家に貢献させていただきます」

信長(この青年、真の武人だな。面白い若者だ、気に入った)


こうして、織田家から真田家へと数百丁の鉄砲が送られたのです。そして、それにより仮装空間X・パラレルワールドの真田幸村は、赤備えと鉄砲の使い手として新たな存在へと変貌を遂げました。


また、仮装空間Xでは赤備えの結成にも興味深いエピソードが存在します。武田家の赤備えは飯富虎昌から山県昌景へと受け継がれましたが、昌景は長篠の戦いで命を捧げました。そして、その副将であった老将・火影妖斬(ほかげ ようざん)が赤備えを継承しました。彼は武田家の一族である真田昌幸に協力を要請しました。


火影「真田殿、あなたが織田につくとは、予想外の展開でございます。これでは信玄公にあの世で顔向けできませんな」

昌幸「理想だけでは生き残ることは叶いません。何卒ご理解いただきたいのです」

火影「わかりました・・・。それならば、我々はこれで退散いたします」


火影が赤備えの遺児と共に去ろうとした瞬間、幸村が彼に声を掛けました。


幸村「私も火影殿と同様の考えを抱いております。しかしながら、我々はこの道を選んだのです。どうかご理解を」

火影(この青年の目は道理をわきまえた真っ直ぐな目だ。それをわかった上で・・・。それに引き換えこの私は。これではどちらが大人かわからぬわい)


火影は、何故かこの若者に興味を引かれ、赤備えの使命を彼に託したいと心から願いました。彼はこの若者が内部で葛藤しながらも戦っている姿に感動したのかもしれません。また、武将としての直感から、幸村に何らかの才能を感じ取ったのかもしれません。こうして火影は、幸村に赤備えと甲州流兵法を伝授する道を選びました。


勿論、この火影は仮想空間Xにおける創作の人物であり(ただし、AIが創造しています)、そして、真田幸村もまた、現実よりも一層柔軟性を備えた描写がなされているように感じます。この部分が作者の意図なのか、AIのアルゴリズムなのか、あるいは共同の創造によるものなのか、明確には判明しません。


- 夢想瑞歌 -

戦花(いくさばな) 燃えゆく色は 紅(くれない)か 

引き継がれし 想いの炎

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