社会適合率

@mono_00_

第1話

コホッ、コホッ咳の声がする

『大丈夫かノゾミ』『うん、平気だよ』

そうは言っているが目に見えて無理をしているのがわかる、治せる病気だがここではその薬が手に入らない

家から町を眺める

『あそこに入れれば薬が買えるのに』

この世界は社会適合率に支配されている

町に入るにもその町の適合率が足りないと入れず、入れないものは町の外で貧しい生活を強いられる

兄のタケルは覚悟を決めてお金を手に握りしめる

『このまま何もしないなんて出来ない』

町に向かい出入り口には計測器があり門番が一人一人チェックをして中に入る人物を確認している

『あそこは無理だ』

水の流れる音がし思いつく

『下水道からなら』

暗く湿った中を進んでいき挫けそうになる

『妹が待ってるだやらなくちゃ』自分を奮い立たせるその時何か気配を感じ隠れ覗くが誰も居なかった


『ここなら』

人気のない裏路地から町に入れた

路地から出て薬屋を探すがなかなか見つからず周りに人に不審がられる

『あそこです!』

どうやら適合率管理局に通報されたらしい

『はぁ、はぁ、』

息を切らしながらせっかくここまで来たのにと思いながら捕まるものかと走る

『待てー!』

角を曲がったときに誰かに引っ張られ建物と建物の窪んだスペースに入れられる

『そこは確か行き止まりだな、観念しろ』

「これを早く飲んで」

得体の知れない錠剤を差し出される

「このまま捕まれば施設で肉体労働が待っている、妹を助けたいんだろう」

管理局員が行き止まりを覗く

『いない、』少し中に入り見渡し見つかる

『こんな所にいたか、』

計測器を近づける

正常の範囲の文字が端末に表示される

『なんだ問題ないのか』

「あぁすみません、水道局の新人で迷って上に出てきてしまったみたいなんです」

『そうか気をつけろよ』

そしてどこかにいく管理局

『助かった、ありがとうございます!』

少し話をし事情を説明すると薬を買ってきてくれるといい買ってきてくれた

帰り下水道に一緒に降りる

「私たちはこの制度を壊そうと考えいるんだ、上のやつらが全て適合率で人を選別し金儲けの為の道具として使っている、この薬もそうだ一時的に適合率を上げる薬なんだ」

「町の連中は食事や着るものの中に適合率を上げる成分が含まれていて問題なく町で暮らせるようになっている、だから社会適合率は気に入らない金のないものを排除する政府の仕組みに過ぎない」

『そうなんですか』

世界の真実を知り驚くタケル、そして出口まで送ってくれた

「では気をつけて私も戻るよ」『はいお世話になりました!助かりました』「いいんだ困っているのを見るとほっとけないたちなんでね」

親切な人と別れ家路につく


戦いはこれからだ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

社会適合率 @mono_00_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る