第三回 議溫明董卓叱丁原 餽金珠李肅說呂布
第14話 014 第三話01 何進の最期
曹操は
「宦官の専横は古来より起こるもの、皇帝が幼い今、妄りに権力を揮うべきではないです。奴らを排除するなら獄に繋げば良いだけ、何故わざわざ外から兵を呼ぶのでしょう?彼らを皆☆殺しにするなら必ずや事は漏れます。私が思うに…間違いなく失敗するでしょう」
何進は怒って返す。
「曹操…貴様何を企んでおるのだ!」
曹操はその場を引き下がり、呟く。
「何進の決断、必ずや天下を乱すでしょう…」
密詔はすぐに各地へ送られた。
さて、西涼刺史・
漢朝への忠心無き董卓は何進の偽詔に喜び軍を起こし、娘婿の中郎将・
彼の娘婿であり軍師の
「ゲヒヒ。例の詔勅には怪しい所があるゲヒ。上表を送り都を探ってみましょう。勅が真実ならば…これは千載一遇の好機ゲヒ!」
董卓は喜び次のような上表を送る。
『聞けば天下の混乱は全て黄門常侍の張譲らが天常を乱す故だそうですね。
煮え湯を止めるに薪を除くに如かず、皆☆殺しましょう。
痛みを伴えど膿は抜くに限る、皆☆殺しましょう。
私がその軍鼓を打ち鳴らし、敢えて軍を入京させ、皆☆殺します。
すると漢朝安泰、天下泰平です!!!!!』
何進は上表を受け取ると、百官に示した。
「董卓はまさに
「己のように疑い深いと、大事は成せぬぞ!」
と何進が答えるが盧植もまた、
「私は前からヤツの事知ってるけどマジでクソファ〇クだよアイツ。マジファ〇ク。表向きは良いツラしてるけど内面はクソ。一度宮廷に入ればマジ大変な事になるね、うん。マジ止めた方がいい」
と諫めるが、何進は二人の進言を無視したため、盧植と鄭泰は官を辞し去って行った。というか官の大半が去ってしまった。
何進は董卓に使いをやり、董卓は
事態を知った張譲らは協議する。
「これは何進の謀である。先に手を打たねば我らは滅びるであろう」
そして衛兵五十人を長楽宮の嘉德門の内に忍ばせ、
「今大将軍殿が詔を偽り、都へ兵を呼び寄せ、我らを滅ぼさんとしています。にゃんにゃん、どうかお救い下さい…!」
「そなたら自ら大将軍府へ赴き、許しを請いなさい」
「我らが相府へ行けば、その場で八つ裂きにされるだけです。どうか大将軍殿を呼び寄せ説得して下さい。お聞き届けられなければ、我らは今ここで命を絶つ他ありませぬ。どうかお願いします…にゃんにゃんっ!」
何太后は何進を呼び寄せ、何進は後宮へと向かう。
「この太后様の詔、必ずや十常侍の陰謀です!行ってはなりません!身を滅ぼします!…生殺与奪の権を他人に握らせるなっ!以上っ!」
「何を言うとる、妹が兄を呼ぶのだ。一体何があろう?」
「今既に我らの企みは漏れました。それでも行きますかーっ!?」
「先に十常侍を宮から出しましょう。それから入りましょう」
と袁紹と曹操も止めるが何進は大爆笑する。
「ははっ臆病な意見だ!私は既に天下の権を得ておる。十常侍何するものぞ!」
「どうしても行くならば、我らが兵を率いて不測の事態に備えましょうっ!」
こうして曹操と袁紹の精兵五百を袁紹の弟、
袁紹と曹操が帯剣して護送し、何進は長楽宮の前に着くと、黄門が
「太后がお呼びしたのは大将軍様のみ、他のかたは入ってはなりませぬ」
こうして袁紹ら他の者は皆門外で阻まれた。
何進は一人、昂然と長楽宮へと入る。
嘉德門で張譲らが迎えるが、何進は周りを囲まれる。
驚く何進に、張譲は厳しい声で責め立てた。
「董太后様が一体何の罪を得て毒死せねばならなかったのか!
国母の葬儀に出席せぬは如何なることか!
基は卑しい身のお前を、我らが薦して栄達しながら恩を仇で返すのか!
我らを侮辱するお前と我ら、どちらに理があるか!」
何進は慌てて逃げようとするも、門は全て閉じ、兵士が一斉に飛び出し、その身は、両断された。
漢室傾危天數終,無謀何進作三公。
幾番不聽忠臣諫,難免宮中受劍鋒。
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用語解説
※前将軍
前後左右を冠する将軍、四方将軍の一。前任の将軍の意ではない。
※李儒
董卓配下の軍師。三国志前半随一の下衆野郎。しかし確かに相当頭が
キレる。董卓の元じゃなければもう少し名を成せたであろうクズ。
※黄門
黄門には単に宦官の意味もある。
※天常(てんじょう)
天の理。
※侍御史(じぎょし)
上奏などの内容の監察・弾劾を主な役職とした官職。
※豺狼(さいろう)
クズ野郎、ファ〇ク野郎の意。
※澠池(べんち)
現在の河南省三門峡市澠池県。洛陽のすぐ西隣。
※娘娘(じょうじょう)
皇后など身分の高い女性に話しかける最上級の尊称。にゃんにゃん。
決して張譲らの気が触れたわけではない。
※青瑣門
漢代の南宮への門の一つ。緑に塗った門。転じて後代では宮門の一般
名詞。後漢では宮殿が南北二つあり、曹魏では太極殿一つとなった。
※懿旨(いし)
太后・皇后の令、命令。
※嘉德門(かとくもん)
洛陽南宮、長楽宮内の嘉德殿の内門。本来長楽宮は長安の東西二つの
宮の東宮であった。
※我らが薦して栄達しながら恩を仇で返すのか!
何太后が宦官に推薦され後宮に入り、その親族何進が外戚としての地
位を得たということ。
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