第2話
「あの、お礼させてください」
そのリアルマッチ売り少女の目の輝きには虜にする力が備わっている。
「いいよ、お腹空いてる少女を見捨てる訳には行かなかったしね」
なにより、ワンちゃん何か俺が知らない間に儀式でもしてしまった可能性があるし、そうなったら俺の責任だ。
「でもぉ、」
「いいから、いいから。」
「でもぉ、あんなに美味しいご飯食べた事ないですし、あんなにお腹一杯食べたことはありません」
そうだよね。マッチ売りの少女はずっとお腹を・・・そうだ!!
「マッチ一つ貰えるかな」
「えっ・・・分かりました。でも、マッチ一つでも全然返せてないですよ」
いや、リアルマッチ売り少女のマッチは国宝級なんじゃないかと。まぁ本人が分かる訳ないし、説明しても分からないと思う。
ここは
「君はどこから来たの??」
「えっ、・・・それは・・・分からないです。お腹が空いて倒れて・・・そしたらここに来てしまいました。」
「そうなんだ。大変だったね。」
知ってるけど、多分だけど(内心まだ信じてない)
「帰り道分かるかな?」
「・・・分かりません。ここどこなのかも」
「そっか」
危ねぇー!よく考えたら、ここで少女が誘拐ーって叫んでいたら終わってた。
「ならさ、ここで泊まっていきなよ」
「えっ、でも・・・私・・・家に帰らないとお父さんに」
恐怖で体が震えている。
架空の人物とはいえ許せないな。というかお父さんもこっち来たりしないよな。(しません)
「でも、帰り方が分からないなら、とりあえず今日を生きる場所がないとね」
「・・・はい」
「それに、お礼してくれるんでしょ」
「出来るなら、がんばります」
「なら、掃除とかお願いしようかな」
「・・・分かりました!!」
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