伝説の始まり上
ライブライバー社(LL社)は、Ⅾギアを売り捌くために
と、俺は勝手に思っている。
それだけでは無い、探索用スーツの開発も、
こんな企業はいくら何でも怪しすぎだろ――。
いっそのこと事業内容に“世界征服”と書き加えてくれた方が好感が持てるくらいだ。
ネット掲示板でも、俺と同じような意見を持つ者が一定数いるというのもあって、この説には自信があるのだ。
確かに
後、単純に嫌いな配信者が多いのだ。
おっと、そんな事より奴らの監視に戻らなくては――。
「それじゃ、先ず自己紹介から!皆ヨロシク!!」
「うぇーいwオーリでぇーすwww」
「イイダーっす」
「スワちゃん、でぇーすw」
笠井の横の二人は、豊徳院の部活仲間の飯田と諏訪らしい。
そう言えば、そんなの居たな――。
正直どっちがどっちか判らんが――?
「コスズって言いまぁーす」
「コスプレイヤーのホタルでぇーす!ヨロシクね」
「ハルサワ」
「以上が今日の探索メンバーだ」
「「「うぇーい!!!!!!」」」
「うぇーい……」
おお、ギャル沢はこういう場だとああいう冷めたかんじになるのか、そうゆうのはなかなか好感が持てるぞ、辰海ポイントを一ポイントくれてやろう――。
「――でさぁ、さっそく見てよこの探索用スーツ!超おしゃれっしょw?リューイチんとこのネーちゃんが作ってくれたんだぜ!?」
「そう!これが今日皆に見てもらいたいLL社の最新ダンジョン探索用スーツだ」
「これぇ、ちょー可愛いよね!ホタル、皆より一足先に着られてラッキーかもぉ!」
成程――。
流石に奴らもダンジョンに探索用スーツ無しで来る程、危機感が無いという訳でもなさそうだ。
確かに良く見ると、うちの制服と細部が違う。
というかちょっとエロイなこれ……。
普段より女子の肌色の面積が多いぞ――。
……って違う!結局そんなに肌露出してたら意味ないだろうが――!!
爪楊枝隊長『えっっ!?女の子くぁいいいいwチャンネル登録しまーすwww』
焼きくま『これなら街中で
PARIPI『うぇーい』
のあ『ガールズレベル高杉w』
USB タイプAを許すな『チャンネル登録しました!』
マジ落ちくん『陽キャオーラパネェwwwチャンネル登録しまっす』
真夏のおでん『ほたるちゃん会いに来たよー↑↑↑』
まりんのエレガントちゃんねる『あら生意気、可愛い子がいっぱいいるじゃない♡』
のあ『
PARIPI『うぇーい』
暗黒☩騎士ざまぁん『凄w』
ドローンから大型のホログラムディスプレイが映し出されていてこちらからもコメント欄が見えた。
俺の知らない速度でコメントが流れていく。
「そーだリューイチ、俺さ魔術ってまだ見たことないんだよね。見てみてぇなぁ」
と、諏訪だか飯田だかが言い出す。
「え、ここでか!?」
「いいじゃんいいじゃん。ほらあっちの隅とかさぁ」
「――仕方ないなぁ、ちょっとだけだぞ」
おい!むやみやたらに魔術を行使するのはご
豊徳院は手の平を前に
「ブラスティア――」
術の名を詠唱し、魔術式を展開する。
“ブラスティア”系は炎属性の術だ。
術の型は色々あって、
ん、あっちの隅?
なんか豊徳院の奴、俺の方を向いていないか――?
って、嘘だろおい!こっちに――。
「ふざけんな!人に向かって撃つな、馬鹿!!」
寸での所で、豊徳院の魔術は中断される。
USB タイプAを許すな『え、何!?
のあ『あの格好……人か……?』
おのぎり『
しっまった!咄嗟の事でつい身体が……。
鱶野辰海、一生の不覚――。
※※※
「で、鱶野はここで何をしていたんだ?」
「な、何って……、配信に決まってるだろ」
うぅ、面倒くさい事になった――。
「――てかさぁ鱶野、その格好、何?ダッサw」
「や、やめろぉ!映すなぁ!!」
暗黒☩騎士ざまぁん『うわ、オタク君じゃんw』
チョコレートマニア『w』
マジ落ちくん『えwリアルの知り合い?ヤバwww』
銀二『なんだよ、なんか陰キャっぽいの来たな』
みぎよりレッドロード『え、嘘。タツミがいるのだが』
「なんだよぉ、フカノくんもⅮライバーなんじゃぁん!やぁるぅ!!」
PARIPI『うぇーい』
爪楊枝隊長『オタク君もⅮライバーなんかwチャンネル登録者数勝負しよーぜw』
「おっおもしろそーじゃんwやろーぜ」
やらんわ――!
「オラ、おしえろよぉ!」
「え?……うわぁ!!!!」
誰だお前!?諏訪と飯田のどっちだ。
急に羽交い絞めに来やがって。こんなの半分脅迫だろ――。
「ちょっ、驚きすぎでしょw減るもんじゃないし、ほら、視聴者サービスしないとwww」
「や、やめ……!」
まずい――。
俺はⅮギアのホログラムディスプレイを映し出したままだ。
それをに見られてしまった。
諏訪か飯田のじゃない方が俺の腕を無理やりに引く。
「どれどれ、登録者……、な、七人だってw」
一級吊り師『ショボw』
爪楊枝隊長『やめたれw誰か慰めてやれよwww』
笑うな!それが許されるのはたつらーだけだ――。
いや、たつらーでも許さないゾ――!
「ちょっと飯田君、流石にかわいそーだよ!ごめんねぇ鱶野君」
真夏のおでん『ほたるちゃん優しー(#^^#)マジ天使』
のあ『ほら、オタク君せいで変な空気になったじゃんw取りあえず謝まろっかwww』
PARIPI『うぇーい』
なんて民度の低い配信なんだ。
吐き気がしてきた。もう帰りたい――。
「悪い……、気分がすぐれん。帰るわ……」
俺は何を謝っているのだろう、謝る必要なんて微塵もないのだ。気丈に振舞うといった誓いはどこ行ったんだ――。
「すまなかった鱶野、気を悪くしたな」
「………なんだよ」
「実は、俺達道に迷ってて、もう少し付き合ってくれないか?経験者の鱶野がいると心強いんだが……」
そういうことか――。
「俺には関係無い」
「そこをなんとか頼む!」
「うぇーいw鱶野ぉ俺らもうダチだよなぁ!?ダチの頼みは聞くってもんだろ」
げぇ、笠井まで。誰がダチか、人で散々遊んでおいて――。
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