第9話

1話 前

 

 妹視点


 私はいつもお姉ちゃんに頼りっきりだった。家のお手伝いはほぼお姉ちゃんがしている。


 私には出来るだけ負担を掛けたくないとお姉ちゃんからの優しさだった。


 最近お小遣いが増えたんだけど、母からこっそり教えて貰って姉のバイト代から入れて貰ったらしい。


 私はお姉ちゃんに自分の為に使って言おうと思ったが、お姉ちゃんは私の為に頑張ることが好きなのも知ってたからそのことは言わなかった。

 増えたお小遣い分はは姉といつか出掛ける為に使うための残すことにした。




 姉は私の異変にすぐに気付き、好きな人が出来たことにすぐにバレた。姉は寂しく感じつつも、応援すると言ってくれた。


ーーーーーー

 1話後


 そして、事件が起きた。

 

 あの後、優が運ばれたあと、私にも何度もお姉ちゃんは謝って来た。


 「ごめんね、夏。ごめんね」


「お姉ちゃんだけが悪いんじゃないよ、私の不注意もあったし」


「私はこれからも、夏の初恋も終わらせてかも知れない」


普段全く弱みや悲しい表情を出さない姉の初めて辛くて、泣いて絶望してる顔を見た。


 「お姉ちゃんは今まで私の為に頑張ってくれたし、今日だって」


「でも、それが夏を」


「いいの、私の初恋よりお姉ちゃんの方が大切だし」


「そんなことない。私だって叶えたかった夏の初恋」


「いいよ、お姉ちゃん。それよりあの子のこと祈ろうよ」


「でも、でも」


その日から姉は病むようになってしまった。さらに両親が荒れてしまい、姉に手を出すようになってしまった。たまに私も庇ったが、庇いきれない時もあった。


 


 本当に私の初恋なんてどうでも良かった。初恋よりお姉ちゃんが大事、そもそもお姉ちゃんがお兄ちゃんなら初恋は絶対お姉ちゃんだった。


 それくらいお姉ちゃんを大好きだった。


 だから大好きなお姉ちゃんの悲しむ顔は見たくなかった。


ーーーーー


 お姉ちゃんのことあるけど、やっぱりあの男の子のことに勝手ながら心配してしまう。


 あの子は妹さんを守ってた。


 きっとお姉ちゃんと同じように妹を大切にする優しい人なんだ。


 しかもまだ小学生、自分より遥か年下の子どもにあんな辛いことを経験させてしまったことがとても申し訳なくて辛い。


 そのことを思うと心が苦しくなる。

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