第5話 君が通っていたこの学園

 ……だったテロ組織は、何なんだ? 人の能力も見抜く事の出来ない節穴が教官をやっていたのか?


 え? 魔法の威力が低かった? ドラゴンの様な大規模な威力がいる敵ばかりではないし、森や迷宮で陰から襲ってくる糞ったれな敵にいかに素早く反応して倒せるかどうかのが重要だ

 ましてやこいつ等が自慢げに唱えようとしてた爆発魔法なんざ迷宮の崩壊を招いちまう


 長い呪文を正確に唱える能力? おいおい、敵が出て来てから何十秒もかけて寿限無寿限無五劫の擦切~ってか?

 その何十秒の間は防御戦士に攻撃を受けさせる? いざ撃つ時はそいつと共に敵を焼き払うのか? え? どいてもらう? 攻撃を受け続けるだけでも辛いのに重い鎧と盾を持ったまま一瞬で敵と魔術師までの動線を確保出来る技量も持った戦士かよ。

 そんな超人がいたら魔法無くても普通に勝てるんじゃないのか?


 MPの残量? 君はMPが100しかなく、消費が100を越える魔法を唱えられないという事だったな……その消費100を越える魔法を撃つのにあの爺さんどもはあんな大声を張り上げて何十秒も隙だらけで立ってたのか?

 君の様に消費1、2の呪文なら少なくとも数10発は唱えられるし、MP1を回復するのに1分ほどだったか? 投げナイフとほぼ同威力同射程とはいえ投げナイフや弓を100発以上持ち歩くより身軽って事の方が100倍有能だよ、周りに何を言われようとも体力と素早さを鍛えていたのは大正解だ

 正確さは平凡でも相手が撃つ前に胴体なり足なりでかい的に当てる事が出来たら、痛みでもう魔法なんざ正確に唱える事は出来ないってのは先ほどから体験してるだろう?

 

 大きな力を持ったら何でも出来るって万能感を持つのは判るが、何でテロ行為なんかしたのだろうな……敵の陣地を焦土化出来る兵器を開発した、これで世界を制圧出来るぞ~みたいな感じなのかね?

 大は小を兼ねるという諺もあるが、それでも大ばかりでどうにかなる訳じゃあるまい……

 まぁこいつらが何を考えていたのか、今となっては知る由もないがな……ともあれ殲滅も終わったし凱旋しようぜ、未来の筆頭魔導士様よ!

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