第59話 決着 願いの一撃
空気が、変わった。
違和感を感じた直ぐ行動に移す。それは周りへの被害を最小限に留めるべく壊された「結界」をより強固なモノに変えて貼り直すこと。
その間も遊び心を忘れない海はある秘策を秘密裏に使い行動を興味本位で見ていた。すると自ら放出させた
「――正義を、正義を示せ。期待された勝利を。想い描く理想の未来を。それすら叶わず、ただ一人の只人に負ける弱い「神」など不要!」
天に両手を向け、泡を食ったような顔で目を全開まで見開き、天を仰ぐ。
「我がスキルよ、
スキル…【白炎】と【瘴気】は主人の意志に従い自らを喰らい弱い自分を変えるため変貌。
「……」
姿形は人型から異形に。顔は天堂尚弥の端正だった顔を消し修羅となる。腕は四本あり、突起し、膨張した背中には紫色の翼。
「…コロスっ」
一言。呟くと地面を砕く脚力で一歩踏み込み目の前の
「物騒だなおい。ついに人間でも辞めたか?」
既にその動きすら見切っていた海は相殺するように同じく何の変哲もない拳で撃ち返す。
「ッシャァッッッッ!!!!!」
相手の拳を返しの一撃で潰し、それでも瞬時に欠損した部位を再生させ攻撃の手をやめない天堂から繰り出される苛烈さを増す攻撃。
「人語を忘れたか? まんま
数合と互いの拳を打ちつけ合う。腕の本数が多い天堂は有利。しかしそれすら凌駕し、相手の手数よりもスピード、威力が数段と上回る海の打撃は天堂を追い込み、やがて何発もその身に与え、よろめいた胴体に回し蹴り。
「ッ。ウガァッ!?」
「黒炎纏闘、焔弾!!」
右手でピストルの形を作り指の先に拳大の黒炎を集め、機関銃のように連射。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドッ
瓦礫に埋もれた天堂を瓦礫諸共射貫き殺す勢いで黒炎の弾丸を嵐のように連発。
「キカヌっ!」
黒炎の弾丸。その直撃を受けてもなお、傷を再生させた天堂は瓦礫を吹き飛ばし脱出。
「血だらけだろ、痩せ我慢!」
それを追随する黒炎の弾丸は敵を追い詰めるも、背中にある翼で飛行し、弾丸の嵐から逃れる。黒炎の弾丸を止め黒炎を両手に溜める海の元にこちらも白炎を溜めて空から強襲。その行動を見て海は果敢に対抗する。
「黒炎纏闘、円舞!」
黒炎を両手に、円を描くように射発。
「
宙に浮いたまま四本の腕から白炎を放射。
ズンッ
二人の異なる炎はぶつかり、相殺。
「!」
砂塵が舞う中、前方からナニかが押し寄せる気配を感じ、その場を退避。そこには紫色の触手が直撃して地面を陥没させる。
「トラエロっ!」
砂塵が晴れたそこには…自分の周りに気味悪い紫色の触手を何本も生成した天堂が悪どい笑みを携えて、それを海に向けて解き放つ。
「キモッ」
嫌な顔一つ、一言呟き、黒炎を放射。紫色の触手はその黒炎をアクロバティックに回避し、全てが違う動きをして対象に襲いかかる。
「過敏だねぇ」
黒炎の塊を自分を中心に周りに生成。
「黒炎纏闘、
幾つもの黒炎を解き放ち、迫る紫色の触手を向かい打ち、鎮圧していく。
「――
海と触手の攻防を他所に、翼で宙に浮かんでいた天堂は足止めが成功したことに、破壊の一撃を――場外…会場の外に向けて解き放つ。
「っ!」
狙いは、そっちか。
会場に「結界」を貼り直したとはいえ先程天堂が放ったモノと同程度の破壊の威力をもつ攻撃を放たれては耐久力が幾分か心許ない。
「ニッ」
海の行動パターンを予測、まんまと誘い込んだ天堂は笑みを零し、鬼火を容赦なく放つ。
「黒炎纏闘、蓮紅!!」
放出できる技の中で一番速く、溜めていた黒紅の焔を手のひらに生成し、放出。
シュッ
「全ての事象を消す黒炎」の力で消す。
「っ。グホッァ!?」
突然、吐血を吐き倒れる海。
(…ようやくだ。
痛みとは違う苦しさから地面に倒れもがき、苦しげな呻き声が絶え間なく漏れる。
「限界だ。傷は癒えても、以前に肉体は蝕まれ、失った血は戻らない。力を発揮しようが、変わらぬ瀕死の貴様では
人語で語る。そんな天堂を睨む。
「時間の問題。二つの意味でな。その状態で良く戦ったと賞賛の言葉を贈ろう。どうせこのままにしても貴様の命は潰える。寛大な
地上に降りた天堂は動けない海を見て語る。
「貴様の妹、幼馴染を、両親を洗脳した。それはどうしてだと思う? 楽しそうな家族が羨ましいから…? 否。彼女たちを自分のものに…寝取りたいから…? 否! 全ては今の貴様のような絶望する顔が見たいからっ!!
満面の笑みで裂けるほど開いた口から蛇のような舌をチラつかせ、愉しそうに嗤う。
「それは他の人間も変わらず。あぁ、アレは傑作だった。とある姉妹は仲のいい姉妹だった。そんな姉妹で殺し合いをさせるのが楽しかった。考えただけでゾクゾクする。「女」というゴミクズ以下の人間同士が他人に洗脳され、醜く罵り合い、呪い合い、殺し合う。最高だっ!」
「うえっ」
頰を赤らめ、その様子を思い浮かべているのかうっとりと目を細める。そんな天堂の顔を見て本心から気持ち悪いと思い、えずく。
「…聞かされてアレだけど…お前、本当は「女」のこと、好きだろ?」
「…なんだと?」
ピタリと動きを止め鬼の形相で睨む。
「だってさぁ、僕の幼馴染だったり妹だったり、その姉妹さんだったり? お前が話す内容には女性しか出てこない。それが答えだ」
「撤回しろ」
言葉に直ぐに反応を示すと海の背中に足を乗せて背骨を折る勢いで体重をかける。
「ッ。やだね。僕は知ってるんだ。お前みたいな“女性なんて嫌いなんです〜”とかほざいている奴ほど執着する。マザコンだろ、お前?」
「……」
「ガハッ!?」
俯き、口を閉ざした天堂は無言で海の顔面に渾身の蹴りを入れる。
「…何を宣うかと思えば…
吹き飛んだ海を憎々しげに見ては過去のトラウマを思い出したのか憤怒の顔で叫び散らかし、顔を掻きむしり、口から泡を吐く。
「…女などこの世の汚点。全て抹消すべきだ。触れるのすら、話すのすら、穢らわしい。穢らわしい、汚らわしい。悍ましいっ!!」
自分の体を腕で抱いて蕁麻疹ができた腕を見ては忌々しそうに見つめる。
それを聞いて安心した。この調子だと…彼女たちには手は出していないでしょ。その確認のためだけに聞いたけど…トラウマだった?
「…気が変わった。貴様は、やはり
天堂が今までしてきたことから申し訳ないとは思わないモノ、琴線に触れてしまったことに若干の引けを感じたその時、「小槌」という名前とは到底思えない大槌を手に力を高める。
「貴様の敗因は一つ。
体を翼で上昇させ、噴き上げる白炎を推進力に四本の腕で持つ大槌を天高く上げ、振るう。
海はなんとかその場から逃げようとして腐食に侵された体を持ち上げようともがく。
ブシュッ
果物が破裂した時のような音が響く。
(――勝った!)
肉塊も残さず、捻り潰す――幻想を見た。
「どうだ? それで気は済んだか?」
そこには、自分の渾身を込めた一撃を受け潰れた名取海の姿は始めからなく、
「な、何が、起きて、貴様は、潰れて…」
目に映る傷一つ負っていない名取海の様子を見て動揺を隠せず、たじろぐ。脳がソレを拒絶するが、目に映る存在は紛れもなく…本物。
「なんだ「夢」でも…「幻覚」でも見ていたような酷い顔してるぞ? そんなわけないよなぁ? 「幻覚」を見せる奴が「幻覚」を見ていちゃあ世話ないって話だもんな。とまあ、馬鹿にするのも大概にしとくか、これが現実だ」
海は笑うと近くに黒炎を生成、それは人の形を模し「名取海」がもう一人現れる。
「……は?」
「おいおい、惚けるなよ」
天堂の間抜けズラを見て笑う。
「分身じゃないか。要は――お前が全力で戦っていた相手は僕本人ではなくて作られたただの分身って訳…Do you understand?」
「――」
事実を理解し、その事実を理解したくない天堂の頭は真っ白になり、固まる。
「何処で分身と交代したか? 優しい僕は教えてあげよう。お前が馬鹿丸出しに“只人に負ける弱い「神」など不要!”とかほざいた辺り。声はアテレコだけどね」
聞かれてもいない説明を喜々淡々に語り、「分身」を消し、冷めた目を向ける。
「笑えよ。喜べよ。望んだ「絶望」は目の前にある。なんせ、お好みなのだろう?…いつから対等に渡り合えてると錯覚したのか。お前の相手など、10分の一程度の力しか持たない分身で十分。本気に付き合うのもまた一興かと思ったが、いかんせん実りがなくてな。予定通り聞きたかった本音が聞けたから万々歳ってところ」
「役目」を全て完遂した。
「勿論。失った血は戻らないし、若干、貧血気味なのは否めない、が。スキルを解放した瞬間から貴様の「勝利」という夢は途絶え、「敗北」は決している。だからさぁ――」
“さっさとケリつけるとしますか”
「…あ?」
神速で移動し、小槌を破壊。天堂の背中に生えた両翼を掴み、無慈悲に引きちぎる。
「ッ。っぁぎぃっ!?」
現実に無理矢理「痛覚」を感じることで引き戻された天堂は痛みに叫び、先程まで起きた光景が「幻」だとまだ頑なに認めたくない思いの一心、背後にいる敵対者を力任せに殴る。
「黒炎纏闘、黒陽一閃」
天堂が殴る動作をした時には時すでに背後から対面に移動し、沸る黒炎を右手に膨張させ、圧縮させ、敵対者に向けて素早く一閃。
「…はぇ?」
天堂は感じた。
(おかしい。殴ろうと動かした腕は動かない。それどころか…自分の左半身が軽く、損失感が増す。痛みはないのに…なぜ…?)
「あ、あぁ、あぁぁぁっ!?」
違和感に目を背けることも出来ず、横目を向けると…左半身が消滅していた。
(…始めからだ。
「喚くなよ。五月蝿いな」
クイッと右手の人差し指を上に向ける。
「オォァァァッィィィェァァッ!?!?」
地面から黒炎の柱が吹き荒れそれは天堂の身を捕え、上空に閉じ込め焼き続ける。永遠に。
「言葉を真似するなら…“貴様の敗因は一つ、人間という人種の「意地」を侮ったこと”。そして――“僕という存在に敵対したこと”」
中腰になり、拳を構え、身体から本日最大の黒炎を爆発的に放出し、勝負にかかる。
「清々しいクズで安心した。だってそうだろう? 加減など一切せず、何も気にせず、考えず、お前を葬れる…黒炎纏闘――“焔”」
黒炎をジェット噴射の要領で背後に噴出し、一秒足らずで黒炎柱に囚われる空に囚われた天堂の元に到着。その土手っ腹に手加減など一切なしの容赦のない黒炎拳の打撃で制裁。
「弌戟!」
「ゴフッオェ?!」
その一撃で黒炎柱から解放された天堂は自身の肉体を癒やそうとして、もがき、違和感を抱く。何をしようが、願おうが…治らない傷。
「…部外者の僕が、どうこう言うことじゃないのかもしれない。でも、さぁ…っ!!」
両膝を折り、空を駆ける。黒炎で作られた「結界」にぶつかる寸前の天堂の元へ。
「みんな頑張ってるんだよ。互いに互いのことを認め合い、傷つきながらも、よりよい世界にしようと頑張ってるんだよ――弐戟!!!!」
「ウボェアッ!?」
天堂の真下まで到着した海は黒炎を灯した左脚で蹴り上げ、上空に、上空に蹴り飛ばす。
「それを…テメェのクソみたいな妄想で壊すんじゃねえよ。穢すんじゃねえよ。馬鹿にするのも大概にしろよ――天堂尚弥ぁぁ!!」
黒炎の「結界」をぶち破り、空に舞う天堂を見て心からの怒号を上げた海は真上にいる天堂に向けて両手に溜めた黒炎そのものを盛大に放出。その範囲は空を覆うほどの密度。
「……」
黒焦げになった天堂は思い出す。
(…思い、出した。「先生」に口酸っぱく言われた。【黒炎】を扱う、人物――《探索者:ホロウ》とは、絶対に敵対してはいけない、と)
もはや叫ぶことも、痛みすら感じなくなった天堂は心の中で悔いていた。それは自分の行いについてではない。「名取海」という「敵対」してはいけない正真正銘の「怪物」について。
「お前にも色々と事情は背景はあるんだろう。過去も何も知らない。けど、同情はしないし、理解もしない。したくもねぇ…っ!!!」
斜めに下降する瀕死の天堂に狙いを定める。全身を黒炎で包む海は――拳を力強く握る。
「関係ない人々を巻き込んだ。他人の不幸を願い、幸せを奪った。人の不幸を嘲笑うテメェみたいな、最低以下のゴミクズ野郎はっ!!」
上空を黒炎の線を描き進む海は握っていた拳を弓なりに引き、全力を込める。
その黒線は茜色に染まる空を一筋の流れ星のように、凶星は敵を穿つべく進む。
「は、ははは、はははははっ!」
(…怯えている。
感じてしまった。心の奥底から「恐怖」を覚えた。今、自分の目の前に居る存在には自分がどう足掻いても勝てないと。もう、笑うしかなかった。誰が勝てるんだ、こんな化物に、と。
「――一変、くたばりやがれえっ!!!!?」
その拳を――なんとか判別がつく黒ずんだ顔面に、いつかの約束通り、人々の想い、願い、希望を、勝利を乗せて叩き込む。
その一撃は空間そのもの――大気を振るわせ、周りの空気すら焦がし、焼き尽くす。
「――っ」
見事顔面にヒットした一撃は強靭な天堂の頬骨を砕き、首骨を砕き、背骨を砕き、黒炎に包まれ、燃え尽きる身体は空彼方まで吹き飛ぶ。
「二度と、その面、見せるんじゃね、え…」
心身ともに限界だった海はその言葉を最後に、目を瞑り、重力に身を任せるように、身体の自由が効かず、身体に纏っていた【黒炎】を薄めながら、力尽き、落ちていく。
あぁ、演じたよ。最後まで。
【黒炎】が薄れて、消えていく様を――演出する海は薄く微笑む。
本気で演じたせいで“わざと”天堂の攻撃なんて受けて、血を流したけど…いい演出になったかもしれない…意識が途切れそうだから、自爆行為となんら変わらないかもだけど…。
それでも、これで自分が《探索者:ホロウ》ではないと言える口実は大々的に作れた。
ふっふっふ。人前で【黒炎】を使う。最後は自分の全力を出して【黒炎】とお別れ。僕の予定通りでは佐島が【黒炎】を使って観客を守る。佐島が《探索者:ホロウ》。それか第二のホロウと呼ばれる未来が見える…かんぺき〜。
「…これからのことは、また、考えよう」
完全に意識を手放す。
僕は、嘘つきなんだ。
「〜♪」
そんな名取海の体を歌のベールが包み、落ちる速度を減速させ、傷の治療。
「黒纏、闇雲っ」
歌のベールのお陰で減速した名取海の体を闇で生成された雲がフワリと受け止める。
「星雲!」
闇の雲に重ねるようにクッションになるように名取海を受け止める。
「お帰り」
そんな名取海を下で待ち受けていた神崎冥が受け取り、抱える。
その周りには妹や幼馴染、【虚】。名取海の勇姿をその目で見届けた人々が集まっていた。
『目を覚ましたら「覚悟」(してね)(してください)』
「(ビクッ)」
そんな彼女たちの言葉に何故か震える。
∮
とある森の中。
「…これで、終わりか…っ」
名取海により彼方まで吹き飛ばされた天堂尚弥は死期を悟っていた。口や、目は動くもの、それ以外は指一本動きそうにない。炭化した体の感覚はとうに失せ、心臓の鼓動ですらさっきから小さく、小さく刻むだけとなる。
「尚弥。ずいぶん、やられたね」
「!」
その言葉に体が、心が反応した。反射的だったと思う。聞き覚えのある声、優しい声音。今まで会った誰よりも、何度も聞いた声。
「先、生…?」
顔は上げられないもの自分が慕う「先生」が近くに居ると確信を込めて語りかける。
「君の勇姿を一目見るためにコッチに寄ったつもりだけど…最後に立ち会えてよかった。【黒炎】の持ち主相手に、よく頑張ったね」
「――っ」
その一言だけで今までのことが報われた。
「こんな機会だ。君に話せなかった昔話をさせて欲しい。それは、君の両親についてだ」
「?」
内容がわからずとも、耳を澄ませる。
「君の両親を殺したのは、私だ」
「知って、ます、よ…ははっ」
自分が救われたあの日「母親」を殺害し「母親」の呪縛から救ってくれたのが「先生」。
「違う。君の思い描く「両親」と私が語る「両親」は似て非なるモノだ。尚弥。君は頭がいい。ただ、理解力が乏しいのが欠点だ」
「ご、ごめん、なさい」
(…ごめんなさい。なんとなく理解していた。だから、わざと、何も知らないフリをした。だって…そんなわけあるものか。あってはならない。お願いだから、ハズれてくれ…っ)
嫌な予感を感じた。それはよく当たる。嫌な意味で。脂汗を流す天堂は目を逸らす。
「ハッキリ言おう。尚弥――君の「お父さん」を殺したのは、私だ」
「ぁ」
知ってた。理解してた。でも、知りたくなかった。恩人が、愛する父を手にかけたなんて。
「私の目的は君のスキルにある。当時は興味深くてね。君の障害になるものを全て消してでも欲しかった。手元に置いておけば、いつでも手に入る。だから、わざわざ依存させた」
両手を広げ、楽しそうに熱弁。
「そ、そん、な…で、でも! 「先生」! 俺を、俺、を…僕を、愛して、くれます、よね?」
悲しかった。けど、その答えを聞ければ自分は何も要らなかった。
「あぁ、もちろん」
「よかっ、た――」
「君の、スキルを、だけどね」
「――」
その言葉に愕然と何も言えなくなる。
「安心したまえ。君が死んでも君のスキルは私が有難く貰い受ける。だから、君は死なない。気兼ねなく――眠りなさい。永遠に」
「――っ」
「先生」と呼ばれた男性は天堂の耳元でそんな「呪い」の言葉を呟き、心の臓を潰す。
「…さて、スキルも手に入った。【黒炎】の戦闘サンプルも十分取れた。まだ、戦うには時期早々かな。今は、まだね。だから――平和なイマを楽しめばいい。この世界は…」
それ以上の言葉を紡ぐことなく、姿を消す。
※作者です。
本日も、拝読ありがとうございます。
コレにて決着となります。「ざまぁ」というよりも人によっては「胸クソ展開」になったのは…私の力不足です。難しいですね…💦
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