6話

 俺は暗黒竜に光を奪われ身動きが出来なくなった。

「大丈夫かい?!俺の事を守って…!」

 俺は意識が朦朧としているのか視界がどんどん暗くなっていく。俺は今度こそ死ぬのか…?俺は意識を失った。


 …俺が意識が戻った時にはホームにいた。

「あれ…?あいつは…?」

 俺はきょろきょろと辺りを見回す。すると、黄色い瞳の人が俺の隣でぐっすり寝ていた。

「…とりあえず捜さないと…。」

 俺は立ち上がると、星座盤に行ってあいつの光を選択してワープした。

 ワープ先にいたのはどうやら孤島のようだった。とりあえずあいつはこの辺りにいると確信して俺は一声鳴く。俺はすぐに場所がわかった。あいつの姿が見えた。どうやら気絶しているのか、地面に倒れていた。

「全く…。」

 俺はあいつの顔を触る。するとあいつは意識が戻ったのか、

「っ…う…。」

と声を出した。俺はなにかの違和感に気づく。

(あれ…?)

 俺はあいつのポケットの中を捜す。

「ちょっと失礼…。」

 やっぱり無かった。誰かに奪われた…?!もしかしてそのショックで倒れてしまったのだろうか。すると、あいつが小さな声でブツブツと呟いている。

「ぼくの…、ぼくの…。とらないで…、。」

 とりあえず代わりになる物を捜した。俺はポケットの中からなぜかナイフが入っていた。

(いつ入れたんだ…?料理する時か…?)

 俺はナイフをあいつに手渡した。

「俺が取り返してやる。さっきはごめんな…。とりあえず今はこれで我慢しろ。お前。」

 あいつはうんと頷くと、立ち上がった。

「ありがとう…、僕も…、さっきはあんなことしてごめんなさい…。」

「いいんだよ。ところで、カッターはどこで奪われたんだ?」

 あいつは向こう側に指を指す。

「あそこの神殿の精霊に奪われた。」

 え?!なぜ?!俺が驚いていると、

「危険だから二度と来るなって。そしたら僕はここまで放り出されちゃった。気づいたら気絶してた。」

 全く…。と俺は呆れていると、

「行くぞ。」

 俺はあいつの手を握って神殿に向かった。俺はあれこれ考えていたが、今はあいつのカッターを取り返すことが優先だ。神殿に着いた。俺は精霊のところに行った。

「こんにちは、精霊さん。」

「こんにちは。何の用だい?」

「あの…俺の友達がカッターを盗んだって言われて…。返して貰えませんか?」

「…は?お主は闇の生物を味方するつもりか?」

 精霊は急に怒りだした。ひぇー!怖い!!

「い、いえ、何かの勘違いでは?」

 俺は戸惑いながらも否定する。

「私は今さっき、光の生物に似た闇の生物がここにやってきたんだ。しかもカッターで腕を切りながらだぞ??失礼だと思わんかね。しかもブツブツとなにか呟いていたし。怪しいからカッターだけ奪って追い出したんだ。」

俺は勇気を振り絞って

「あの子には、あのカッターが無いと本当に闇の生物になってしまうかも知れないんだ!だからお願いします…!返して欲しいんです…!俺の大切な恋人なんだ…!」

すると精霊が驚いた顔で、

「…そうだったのか。誤解を招いてしまってすまないな。ほれ、返す。だが、ここへ来る時は失礼な行動は避けるように言っておいてくれ。」

「ありがとうございます!!」

 俺は走ってあいつの所へ戻る。

「やったー!取り返したぞ!!」

 喜んだのも束の間であった。最悪の事態になってしまったのだ。俺が貸していたナイフであいつの首を切ろうとしていたのだ。

「っ…お前!何やってんだ!!そこ傷つけたら死んじまう!!」

 俺は咄嗟にナイフを取り上げる。

「ご、ごめんなさいっ…。刺激が欲しくてつい…。」

 と泣きながら謝る。

「…ほら、お前のカッター。」

 俺はあいつのカッターを渡した。少し危なかったけどよかった。俺はそっとあいつを抱きしめた。

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