5話

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 俺はあいつのキスをされた時、ふと気づいてしまった。あの瞳が赤い理由は、闇の生物と同じ色だと…。もしかして、あいつは…?

 俺は無理やり暗黒竜の腕を追い払うと、あいつの手を握って安全な場所へ連れていった。

「…ほう。今日はもう見逃してやるか。さて、他の光を奪いに行くとするか。」

 暗黒竜はいつもの場所でうろうろと飛んで行った。

 安全な場所に着くとあいつが口を開く。

「…危なかったね。危うく君は光を失う所だったね。」

俺はその言葉にカッとした。

「お前さっ!!なんであの時助けなかったんだ!俺、怖くて怖くて死んじゃうかと思ったじゃんっ!!お前は普通じゃないなっ!?」

 あいつは表情を一切変えなかった。

「…気づいちゃったんでしょ?僕の瞳の色がなぜ赤いのか。」

 あいつはゆっくりと俺に向かって歩いていく。するとあいつは、豹変したかのような声で、

「消えろ。やっぱりお前は要らない。」

 俺は正直絶望してしまった。要らないって…。俺にはあいつが必要なのに…。あいつ、一人は苦手と言っていたくせに…。

「なんで…、お前はそんなことを…。」

 俺はあいつの体をガシッと掴んで、

「ごめんな…、ごめんな…、。」

と謝るしか出来なかった。

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 彼はかなりのショックだったのかずっと謝ってきた。僕はまだイライラしているのか、彼を突き飛ばした。

「うわっ!」

 彼はそのまま地面に倒れる。僕は彼の頭を踏んづけて、

「うるさい。黙れ。」

 彼は頭を踏まれて痛たいのか、なにも喋れない。

「う…あ…。」

「ここで一生くたばっとけ。ゴミ。」

 僕は彼を汚水に蹴っ飛ばす。彼の光を失っていくのを見て僕は笑う。

「あははっ、あーあ、可哀想に。残念だったなあ。」

 僕は彼に手を振ると暗黒竜のいる場所に戻った。

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 やばい、やばい、絶体絶命!汚水に放り込まれた俺は身動きもできず、光もそろそろ尽きそうだ。頭を踏まれたせいで視界が歪む。

「誰か、助けて…くれ…。」

 俺は精一杯を振り絞って声を出す。すると誰かがやってきて俺を地面に運んでくれた。

「大丈夫かい?すごい怪我じゃないか。すぐ手当するから待ってて。」

 黄色い瞳の、あいつと同じ髪型で火の預言者の袴を着た星の子だった。

「なんで汚水に放り込まれてたんだい?誰かのイタズラかなぁ?」

「…さっき、恋人と喧嘩をしてしまって…。」

 すると黄色い瞳の人はびっくりしたような顔で、

「え?!すごい!!!恋人いるんだ!!俺恋人なんていないから羨ましー!」

 と興奮していた。

 手当が終わると、黄色い瞳の人は、暗黒竜のいる場所へ行くらしい。

「今日はありがとう。助かった。あっちのエリアへ行く時は気をつけてな。

 俺はそう言うと黄色い瞳の人は手を振って行ってしまった。

 …それにしてもあいつ、闇の生物だからなのか、性格がとても悪いとわかった。でもなぜ光を奪おうとしないんだろう…?俺はあいつを捜すために暗黒竜のいる場所へ戻る。

 すると黄色い瞳の人の声が聞こえた。

「おまっ、なぜあの子をあんな姿にさせたんだい?!いくらイラついたとしても酷すぎるよ!」

 どうやらあいつと話しているようだった。暗黒竜も一緒にいる。

「…光の生物ってうざいなぁ…。くたばってくれる?」

と、あいつは自分の腕を切りながら言うと、暗黒竜が突進してきた。

「危ないっ!」

俺は咄嗟に黄色い瞳の人を守った。

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