3話
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…やっと落ち着いてきた。
「ねーね、お前さ、なんであんな痛みなんか好きなんだよ。」
彼は急に聞いてきた。
「…別にいいじゃん。僕にとってはそれが1番幸せなんだ。わかってるでしょ?」
僕はこう答えると彼が不気味そうな笑顔で、
「ははっ、やっぱりお前かわいいな。もっと犯したくなるぐらい…へへ…。」
またかわいいと言われ、僕は少しイライラしてきた。
「はあ…、じゃあ殴れよ…。」
すると彼が
「…マジで殴っていいのか?本気でやるよ?」
「別にいいよ….。」
そして彼は僕の顔を一発殴る。
「あーあ、残念だなあ。せっかくのかわいい顔が勿体ないねー。」
そして何発か殴り続けた。また意識が朦朧としてきた。この痛み気持ちいいのに…。もっと感じていたいのに…。と思っていたら彼が急に殴るのをやめた。
「大丈夫?結構フラフラしてたから手止めちゃったんだけど…。」
意識が朦朧としているせいで言葉があまり聞こえない。
「あ…う…、ん…。」
するとそのまままた倒れてしまった。
「…ったくすぐくたばるんだから。まあ、あいつにとってはこれが睡眠になると思うからいいんだけどさ。」
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…俺にはなぜ、痛みが好きなのかがわからない。納得できないのだ。納得のできないままたくさん殴ってしまったが、これでいいのだろうか?死なないだろうか?意識を失っているあいつの顔は痣だらけになったので俺はできるだけ手当をした。
「…こんなに素敵な目なのに、なぜ一部の星の子は嫌われているんだ?」
俺はあいつに対しての疑問が多い。謎すぎる。もしかするとあいつは闇の生物なのかも知れない…。
…しばらく時間が経っただろうか。そろそろあいつ起きるだろう。そう思っていたらマジで起きた。
「おはよう。お前。」
俺は声をかける。
「…また、意識を…失って…、。」
あいつはか細い声で言った。
「あんま無理すんな。ほら、水。」
「っ…、ありが、とう」
あいつはごくごくと飲むと、
「僕って、なんですぐに意識失ってしまうんだろう…。」
「…お前、不眠症だろ?あんま寝れてないからお前の体力がそんなに持たないんだろう。原因はそれだと思うぞ。」
あいつはがっかりしたような声で、
「…僕にはどうしても寝れない…、。ねえ、どうしたらいい…?」
俺はうーんと悩んだ。この世界には薬とかないからもちろん睡眠薬すらない。
「んー、やっぱり気絶させないとダメなのかもしれないな。」
「そっか…。」
そろそろ俺は眠くなってきた。あくびを1つすると、
「そろそろ俺は寝るわ。お前はどうする?」
「…君の隣で腕切る…。」
俺はそっかと言って寝た。
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…彼が寝たあとはかなり不安だ。なんせなにもしてくれない。僕はただひたすら腕を切るだけの夜を過ごす。
"君は本当に星の子?" "闇の生物じゃないのか?" "すごい怪我だね、でもあの姿じゃ誰も助けてくれないだろうね"
散々言われてきた言葉だ。彼と出会う前は蟹や暗黒竜といった闇の生物が助けてくれた。光の生物はみんな僕のことを嫌っていた。
「怖い…、怖い…。」
僕はこの言葉を彼が起きるまでずっと呟きながら腕を切った。
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