2話

 意識が飛んでいたのか、起きた時にはホームに横たわっていた。

「うっ…、あれ…、いつの間に…。」

 まだ意識が朦朧(もうろう)としながらも立ち上がってうろうろと彼を捜していると、

「お!起きたのか!良かったー。急に倒れるもんだからびっくりしちゃったよ。」

 僕の背後ににこにことしている彼が立っていた。

「僕が意識飛んでた時、僕のフレンドは来たの?」

と尋ねると

「ちょこちょこ来てたけど俺が断っといたわ。俺優しーw」

と不気味そうな笑顔で答えた。

「いやーそれにしても首絞めてる時お前幸せそうな顔してたなー。最高にかわいい。」

「ちょっ…、。」

かわいいと言われ少し戸惑う。

「今度は何する?俺はお前の好きなのでいいわ。」

「まだ少し興奮してるみたいだから落ち着くまでゆっくりしたい。」

彼はにっこりとして頷いた。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

-数分前-

 俺があいつの首を絞めてる時、いつも思う。

 息ちゃんと出来ているか、怖くないか、とか…。そんなことを考えながらあいつの様子を伺った。

「苦しくないか?」

と声をかけるとあいつは急に倒れた。

「ふぇ?!!大丈夫かよ…。」

 あいつをおんぶしてホームに戻る。やわらかい草むらの上で寝かせ、ぼーっとしていると、あいつのフレンドらしき人がこっちに近づいてきた。

「あれ?寝落ちかな??」

と言ってきたので俺は

「そうだよ!多分こいつもう動かんWWW」

と適当に言って、あいつのフレンドが

「そっか!」

と納得して別のエリアに去っていった。すると、あいつがむくりと起き上がって、うろうろし始めた。

「お!起きたのか!良かったー。急に倒れるもんだからびっくりしちゃったよ。」

と、笑顔で言った。


 …俺とあいつの出会いは今から数年前の話。

 俺は暴風域を巡回していると、隅っこに1人の男の子らしき星の子を見つけた。すごい怪我で、あいつはリスカをしていた。

「はっ…はっ…。」

 あまりにも可哀想な姿で呼吸が荒かったので話しかけた。

「大丈夫か??この先怖いのはわかるけど…。」

するとあいつは、

「はっ…、怖くなんかないっ…!!ここに逃げてきただけなんだっ…!ほっといてくれ…!」

と抵抗した。

 本当は怖いのだろうと思っていたがそれも束の間。するとあいつは暗黒竜に向かって飛んでいきアタックされると、

「ああ…最高…暗黒竜は優しいね…。」

と地面に突き落とされあいつは意識を失ってしまった。

「なんなんだ…自爆か??」

 少し変な奴だと思いながらも俺はあいつをホームに送った。

 数分経つとあいつはむくりと起き上がり、

「っ…、なんで、助けたの…。」

と言った。

「これは俺の役目だからしゃーないことだ。まあお前死ななくて良かったな。俺がいなかったら死んでたかもな、ははっ。」

 本当は嘘だけど適当に理由を付けた。よくよくあいつの目の色を見ると、周りの星の子とはまた違う血のような赤い瞳をしていた。(普通の星の子は黄色が大半だ。)

「お前…珍しい瞳をしているな。」

するとあいつは声を荒らげた。

「っ…、やっぱりお前、僕のこと敵にまわすつもりだな?!!僕はわかっているんだ!!二度と近づくなっ!」

と言いどっか行ってしまった。…なにか悪いことでも言ったかなあ?これが俺とあいつの出会いだった。


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