第25話 アダムの覚醒?
ジッ『全軍、ルビコン川を渡れ!』ジッ
思わずなんかカッコイイセリフを口走ってしまい、恥ずかしくなった俺は無線機を机の上に置いてテントを出た。
ベルもあわてて後を追ってくる。
そこにはカインにアベル、ハンゾウにサスケ。『ワルキューレ』のブリュンヒルデとビルド、スクルド。
そして新顔の『ゴブリン ザ ウィザード』のガンダルフと ベルガラス の2人。
・・・そして何故がドヤ顔で胸を逸らして仁王立ちしているアダムがそこにいた・・・何故お前がいる・・・そして見慣れたサムズアップ・・・
アダムのヤツ、シフォンの傑作をこれ見よがしに装備してやがる・・・
実は『獣』のダンジョンとのダンジョンバトルに勝利してから、『欲望』のダンジョンの進化と共にウチのモンスター、『ゴブリンず』の多くが進化したりレベルが上がったりしたんだが、エンシェントドワーフであるシフォンも最近メキメキとその『鍛冶』の技量がレベルアップしたんだ。そしたら・・・
『アダムさんは、『ゴブリン王国』の王様。私たちのダンジョンの大事な大黒柱です。だから、アダムさんに相応しい装備を、私作ります!』
と言って、メチャ貴重で希少で稀有なミスリルを使って、この性欲魔人に凄い装備を作ったんだ。
・・・それに引替え、俺には・・・か、悲しくなんでないやい!め、目から溢れてる汁は汗だがら・・・グスン
そんでもってこれが性欲大魔王のステータス!ドーン!
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種族名: ゴブリン エリート→エース(new)
個体名: アダム
性 別: ♂
装 備: 覇王の兜・鎧、魔剣ジャジメント、覇者のマント
Lv.: 40→50
スキル: 絶倫、統率、覇王(new)
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(*イメージ画像となります)
性王なら分かるけど、何だよ覇王って!ガタイが良いからあの『世紀末覇王』様みたいな鎧と兜が良く似合う・・・
以来何かにつけて『覇者のマント』を翻してはポーズを取っているアダム・・・ぐぬぬ・・・今も世紀末な覇王のポーズをとってるし・・・
「『試練』のモンスターが、俺たちのダンジョンを攻略しに迷宮都市リッチブル
の街を出発した!
今こそ好機!『試練』のダンジョンを落としに行くぞ!」
「おー!」
「ゴブー!」
アダムの兜の上に立ったベルとアダムが、『欲望★』の突撃隊に向かって拳を上げた・・・今回は、なんか調子狂う・・・
・
・
・
【『欲望』のダンジョンが、『試練』のダンジョンに『ダンジョンバトル』を挑みました。
只今を以て双方の入口が空間接続されました。これは『ダンジョンバトル』が終了するまで解除されることはありません。】
俺とアダムと、今回ダンジョンバトルの突撃隊に選ばれたネームド9体が、『試練』のダンジョンに突入した。
ベルは飾りなので、突撃隊にはノーカンだな。
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ!
そして少し遅れてキング
『者共!一番槍の誉ぞ!進めや進めー!』
定位置(俺の肩の辺り)に収まったキングリチャードが、部下の軍団に命令を飛ばす!
『ラット』が津波となって『迷宮』に突入して行く。『迷宮』の床や壁はおろか、天井にまでびっしり張り付いて蠢く様は・・・正直言って怖すぎ!
『トート様の調べた情報どおりなら、5分もあれば、この階層は丸裸となります。マイロード。』
俺はこのバトルに臨んで、トートに1つの依頼を出した。
それは、『試練』のダンジョンの出来うる限り詳細な情報の調査であった。
『試練』のダンジョンは、迷宮都市リッチブルのど真ん中にあるダンジョン!
つまり、何時でも人間の出入りがあると言うこと!
トートはジュミラの街のフリーな傭兵を使って、詳細な調査を始めた。
つまり『アゲハ蝶』の常連な。
階層の地図。罠の配置。モンスターの種類と分布。各モンスターの強度評価・・・トートの集めた
「1階層は『迷宮』で、モンスターもコボルトだけだっけ?ねえ、リヒト?」
『いいえ、ハイコボルトもおります。ベル様。』
「『ラット軍団』がルートを確保したら、俺達も進むぞ!」
『コボルト程度、我が家臣たちによって排除されております。マイロード。』
うっわー!何千匹ものラットに群がられて、一瞬で白骨化するコボルトを想像しちゃったよ・・・えげっね〜
「キングの部下が、間違いなくこの階層を制圧するのは分かってるが、問題なのは『広さ』と『罠』かなぁ。性悪な『罠』がなけりゃ・・・」
『ゴブー!』
「ちょちょちょ!こら、アダムー!待て――!!」
何をとち狂ったのか、アダムが魔剣ジャジメントを引き抜いて『迷宮』の奥へ掛け出して行ったよ!
息子たちや娘たちまで引き連れて・・・
◇◇◇
アダムは迷いもなく『試練』のダンジョンの第1階層を走破し、第2階層に続く階段を駆け下りていった。
第2階層は本来なら『リザードン』と『リザードンナイト』の領域であったが、『欲望★』のダンジョン攻略のため、第2使徒であるデッラハンの黒騎士デュゲクランが引き連れて出征したため、空になった第2階層は第1階層の『コボルト』たちによって守られていた。
『ゴブゴブー!』
やっと追いついてきたアダムたち息子や娘をまたまた置き去りにして、アダムは第2階層の『迷宮』に突進して行った。
『・・・!』
カインは『ワルキューレ』の妹たちと、『ウィザード』の弟たちにここに残ってリヒトを待つよう命令して、自分とアベルの2人だけで、父王アダムの後を追って駆け出した。
・
・
・
いつの間にか『ラット軍団』を追い越して1人独走となったアダムだったが、その走りに迷いは無い。
【ダンジョンバトル宣言】がなされた時、『試練』のダンジョンマスターは第2階層以降の『迷宮』のレイアウトを
だから、本来ならトートが調査した『迷宮』のレイアウトとは全く違っているので、道に迷うのが当たり前なのだが・・・何故がアダムにはそれが効かなかった。
『迷宮』の袋小路に誘い込まれることもなく、アダムは階層出口に向かって最短コースを走っていく!
アダムの前に現れたコボルトを蹴飛ばして壁のシミに変えながら・・・
―― 第3階層
階層守護は『デスアーマー』。
シールドを構えアダムの突進を止めようとするが、2体や3体のデスアーマーではアダムのショルダータックルを止めることは出来ない!
逆にバラバラきはじけ飛ばされてしまうデスアーマー・・・
アンデッドのデスアーマーに怯えが走った。
―― 第4階層
この階層も、本来の階層守護モンスターである『オーガ』と『オーガジェネラル』が、『欲望★』のダンジョン攻略に出払ってるため、『デスアーマー』が階層を守っていたのだが、アダムの覇気に怯えアダムに道を譲ってしまう始末だった。
―― 第5階層 現在人間によって確認されている最下層 ――
この階層守護モンスターは『デスナイト』。高位モンスターの意地にかけて侵略者の突進を阻む!
『ゴブー!』
ケシャー!
アダムの突進を巨大なカイトシールドで受け止めた2体の『デスナイト』。
アダムの雄叫びに、『デスナイト』からはミイラとなって枯れ果てた声帯から威嚇の音しか出ない。
『デスナイト』に振り下ろされる魔剣ジャジメント!その一撃を巨大なカイトシールドで受けつつ、バスターソードを片手で振り下ろす『デスナイト』。
それを魔剣ジャジメントで受け止めたアダムは、その衝撃て数歩後ろによろめいて下がってしまった。
このダンジョンに突入してから、これが初めてのアダムの後退であった。
『ゴーブー!』
『『ゴブ!』』
アダムの先走りにやっとカインたちが追いついた!
『デスナイト』にも増援が集まり、状況は混戦状態になる。
だが、当初はアダムの勢いで、『デスナイト』の攻撃を凌げていたものの、数で圧倒されはじめると個としてのレベルの差がハッキリ出てしまう。
『欲望★』のダンジョン最高のレベルをもつカインとアベルたちでさえ、『デスナイト』から見れば赤子に等しい。
シフォンが作った優秀な装備1式と、【剣技】、【盾技】のスキルによって致命的な一撃は回避出来てはいるものの、アダムを中央に左右の守るカインたちは、ジリジリと押されて通路が交差する開けた
『ゴブ!』
守勢に回ったアダムたち親子に、左右の通路から新手の『デスナイト』が襲いかかってきた!
『『・・・!』』
カインとアベルが諦めかけた、その時!
【サンダースピア】
【アーススピア】
【【【英雄礼賛】】】
リヒトと合流した『ワルキューレ』姉妹と『ウィザード』の兄弟が、父の危機に駆けつけた!
「アダムー!お前いつから
『コブー!』
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あづいーよーι(´Д`υ)
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