第7話 欲望のダンジョン歴 6日目
◇◇◇
何者かに襲われて、見知らぬ洞窟に逃げ込んだ『暁の剣』の3人は、洞窟の中を見渡して驚いた。
「なあ、ティムガッド。ここってもしかしたら、ダンジョンじゃないのか?」
ティムガッドとわ呼ばれた右目にキズのある男は、頷きながら答えた。
「ああ、間違いないな。未発見のダンジョンだ。キレイに加工された様な壁や床に、ダンジョン
「み、未発見のダンジョンだったら、ハアハア、幼いダンジョンの可能性もあるな。」
肩に矢の刺さった
「ああ、もしそうなら、『コア』が拝めるかもな・・・そしたら大儲けだ。」
そう言って長髪の男が大男の矢傷を見ながら話した。
「大丈夫だ。太い血管からは逸れてる。いいかビスクラ、抜くぞ。」
「ああ、ドゥラス。やってくれ!」
そう返事をして大男は自分の剣の
「んゔゔーんっ!」
「良し、キレイに抜けたぞ。なんだこの矢は!矢尻に返しがないぞ!それにこんなに軽くて真っ直ぐな矢は見たことないな・・・」
一気に矢を抜いた長髪のドゥラスは、キズ口を布で抑えながら言った。
「おい!2人とも、これ見ろよ!いつの間にか祭壇みたいな棚にコレが・・・」
「おい、リーダー!それは『ポーション』じゃないのか?」
長髪のドゥラスはビスクラから抜き取った不思議な矢を捨てて言った。
「ああ、間違いない。上級ダンジョンの『宝箱』から見つかるって噂の『ポーション』だ!俺は『盗賊騎士団』のヤツらが使ってる所を見たことがあるから、まちがいない!」
大男のビスクラが、自分で傷口を押さえながら言った。
「よーし!それじゃあ、こいつをお前に使おう。」
「いや!でもそれを街に持って帰って売ったら、金貨1枚にはなるんだぞ!」
髭面の大男は慌てて言い返した。
「バカヤロウ!外には得体の知れない敵がいるんだ!戦力は多い方がいいに決まってるだろ!」
「それに、またこのダンジョンに来れば『ポーション』が見つかるかも!だな。」
「済まない!」
「バカヤロウ!仲間だろ!」
「そうだな。遠慮すんな!」
・
・
・
「『ポーション』のおかけで、キズが治った・・・」
不思議そうに髭面の大男がつぶやいた。
「『ポーション』ってそんなに効くものなのか?」
「俺も使ったことがないので分からんさ。」
「でも、リーダーさんよ。もし、こんなに効果のある『ポーション』が、いくつもあったら、俺たち怪我を気にせずに暴れ回れるな!戦場でも、ダンジョンでもさ!」
長髪のドゥラスの言葉に、2人とも頷く。
「なあ、お前ら、ちょっとこの水を飲んでみろよ。キレイです冷たくて、何だか元気が出るみたいだぞ!」
壁から湧き出している湧き水をすくって飲んだリーダーのティムガッドが、驚きの声を上げた。
「どれ、俺にも飲ませてみろよ!」
「俺にも!」
代わる代わる湧き水を飲むと・・・
「本当だ!」
「ああ、そうだな。元気と言うか、何か興奮してきたぞ!」
「よーし!なら、少しばかりダンジョンをのぞいてみるか!」
「そうだな!元気も出たし、水もたっぷりあるしな!」
「また『ポーション』見つかるといいな!」
そして『暁の剣』の3人は、ダンジョン入口のホールから通路の奥へ進んで行った。
◇◇◇
「「「いらっしゃいませー♡」」」
「ようこそ、欲望のバー『アゲハ蝶』へ」
ダンジョンの通路にあった不思議な木製の扉を開けたら、そこには別世界があった・・・
「ささ、こちらにいらして♡」
驚く程に美しくて男心をくすぐる容姿の若い女が、俺の手を引いてビックリするほどフカフカな革張りのソファーに一緒に座った。
ビスクラとドゥラスも俺と同じように、むしゃぶりつきたくなるほど美しい女に座らされていた。
「来て下さって、嬉しい♡
私はエイミー。貴方のお名前、伺ってもよろしいかしら?」
エイミーと名乗った女が、湯気を立てている真っ白でフカフカな布で、俺の顔や手を拭きながら聞いてきた。
うおーっ!顔や手ばかりじゃなくて、胸元から手を入れて胸やら脇の下まで拭いてくれる!何だこりゃ、気持ちいいぞぉー!
「お、俺はて、ティムガッドだ!
ジュミラの街の『暁の剣』って傭兵団のり、リーダーだ」
「まあ、暁の剣のティムガッド様ですのね。それじゃあ、お近づきの印に乾杯しましょう♡」
いつの間にか、目の前の低いテーブルには、透明な美しいガラスのビンに入った琥珀色の飲み物が、これも驚く程に透明で小さなグラスに入れられて用意されていた。
俺は言われるままに、飲み物が入ったグラスを手にもって、エイミーのグラスとコツンと合わせた。カラカラと耳に心地よい音がする。
「かんぱーい♡」
うおぉぉぉー!何だこの飲み物は、冷たいのだが、喉の奥が焼けるようで、喉から鼻に抜ける香も素晴らしい!
「あら、素敵な飲みっぷり!どうぞ、遠慮なさらないで♡」
「
「これ、氷が入ってるんだな・・・驚いたよ。」
ビスクラも大きな体を縮こまらせながら、楽しんでるようだ。
「ところで、エイミー。ここはダンジョンの中で間違いないよな?どこか別の世界かとおもったよ・・・」
見渡すとこの部屋は広くはないが、重厚な木材がふんだんに使われており、カウンター席とソファーが2セット用意されていた。
適度なキャンドルの明かりが仄暗いのだが、エイミーたちの魅了を引き立てていい雰囲気だ!
「そうよ。ここは『欲望のダンジョン』で間違いないの。そして、私たちはこのダンジョンに来た殿方をおもてなしするのが役目なのよ。」
そう言って若草色のキワドいドレスを着た若い女が、果物がたくさん盛られた皿を持ってきて、俺の隣に腰を下ろした。
「はじめまして。私はメグ。このお店の責任者よ。乾杯いたしましょ♡」
いつの間にか、グラスを手にしたメグとい女が、体をくっつけてくる。
反対側に座ってたエイミーも体を寄せてきて再び乾杯をした。
2人とも柔らかくて、いい匂いがたまらん!
俺は勧められるままに、
・
・
・
「あら、今度は私が王様ね!
じゃあ、2番が4番にポッチー食べさせなさーい!」
だいぶ酒が進んで酔いがまわった頃、メグが『王様ゲーム』をやろうと言い出した。
ゲームは簡単だ。7本の棒を順番に引いて、隠してある棒の先に王様の印のある棒を引いた者が王様となり、1から6までの数字が書かれた棒を引いた者たちに命令するんだ。
「はいはーい!ベスが2番でーす!」
「お、おでが4番だな!」
ビスクラが髭面に満面の笑みで答える。
「じゃあ、はい!ビスたん♡」
そう言って、ベスが口にポッチーをくわえた。
ポッチーとは、細い棒状の焼き菓子に、黒くて甘い蜜がまぶしてある珍しいお菓子だ。正直ここでしか見たことがない。
「「もぐもぐもぐ」」
「「「キャー!」」」
ビスクラとベスがポッチーの両端から食べ始めたので、最後には2人でキスをした。
「じゃっ、次行きますよ!」
「次は私が王様!3番が5番に果物を食べさせて!」
「はいはーい!ジョーが3番よ!」
「お、俺が5番だ!」
キター!俺の番だ!
「じゃあ、ティム君。どうぞ、召し上がれ♡」
そう言ってジョーは果物を胸の谷間にはさんで、その豊かな胸ごと差し出した!
「かあー!リーダー、最高かよ!」
ドゥラスがチャカすが、それどころじゃない!
ジョーの柔らかい谷間に顔を埋めて、舌先て果物を探した。あれ、レーズンがあるぞ・・・うほっ!
「きゃー!ティム君、くすぐったいぃ!」
「ははは、ごちそうさま!」
俺はそう言って果物を食べさせてくれた素晴らしい谷間にキスをした。
「じゃ、次行きましょう♡」
「次は、エイミーが王様だぞー!それじゃあ、1番が6番にお酒を飲ませなさーい!」
「あらぁ、私が1番ね♡」
そう言ってメグが酒の入ったグラスを手に持つ。
「よっしゃー!俺が6番だぜー!」
ははは、今度はドゥラスの出番だ!
「おじゃましますね。」
そう言ってメグがドゥラスの脇に座って、グラスの酒を口移しにドゥラスに飲ませた。
ドゥラスの野郎、口移しで飲ませてもらいながら、メグの素晴らしい体をまさぐってやがる!
「「「きゃー!ドラ君のエッチー!」」」
最高に楽しい!こんな店、背徳の街ジュミラ中探しても見つからないぜ!
俺たちは、時間が経つのも忘れてメグたち女の子と浮かれ騒いだ!
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