第6話 欲望のダンジョン歴 5日目
「君の名は・・・」
「ゴクリ」ちんまいピクシーのベルが息を飲む・・・
「君の名は、シフォン」
「私はシフォン・・・嬉しい!ありがとう、マスター。」
「良かったわねぇ、シフォン。これから、よろしくね。」
「みなさん。よろしくお願いします!」
両手でアンパーンを胸に抱きしめながら、エンシェント ドワーフの少女は愛らしい笑顔を振りまいた。
奴隷に落とされた彼女は、奴隷契約で本当の名前を奪われてしまった。だから、俺がダンジョンマスターになってから、5日目の朝。みんな揃ったアンパーンタイムに、彼女の名前をお披露目することにした。
彼女の願いで、俺が名前を付けることを強く希望されたからなんだよ。
「いやー。昨晩は寝ずに考えたんだー!」
「ボクたち、寝なくても大丈夫なんだけどね。」
「あらぁ、寝るのも悪くないわよ。」
「エイル、お前『研究室』で居眠りしてんじゃないのか?ん?」
「うふふふ」
「シフォンも、元気になったね。リヒト、シフォンの状態見せてよ。」
「分かった。」
で、シフォンの状態は、と・・・
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種族名: エンシェントドワーフ
個体名: シフォン
性 別: ♀
状 態: 奴隷、崇拝
Lv.: 20
スキル: 伝説の鍛冶師、錬金術
機械神の英智
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「状態はすっかり良くなったけど、なんか余計なものが増えてるし・・・」
「ねえねえ、何かスゴいスキルが増えてるよ・・・」
「神の英智とはねぇ・・・」
「それな・・・」
『ゴブ、ゴゴブー!』
シフォンのスキルにみんなが感心してた時!ゴブリンのアダムが、血相を変えて俺たちの元へ飛んできた。
「何か、来てくれって言ってるみたいだな。」
「付いてって見ようか?」
みんなアンパーンを口に放り込んで、アダムの後をついて行った。恒例のベルの食べ残しは、後でアダムかイブにでもあげよう。
・
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『ゴブゴフ、ゴゴ、ゴブゴブ《貴方にそっくりな双子の赤ちゃんよ!ダーリン♡》』
『ゴブ、ゴーブ、ゴブゴブゴブ《よく頑張ったね。目元はキミにそっくりさ!ハニー♡》』
「何アテレコしてんだよ!ベル吉!」
「ひどーい!せっかく家族の会話を演出してるのにぃ!」
「うふふふ」
『フィールドルーム』のアダムとイブの住まいは泉の近くの丘の上に寝ワラを敷いただけの簡単なものだった。
ただ、人間たちは、今この時も
「男の双子の赤ちゃんか。随分人間の赤ちゃんに似てなくもないけど、毎回これくらいの出産になるのかな?コブって多産とか聞いたような・・・?」
「とと、とにかく、予定どうりに生まれたわね。私の見立てでは異常はないけど、コアの鑑定が見てみたいわ。」
「じゃあ、さっそく戻って見てみるとするか・・・さささ、行こ行こ!」
出産を終えたばかりのイブだったが、何かアダムとだんだん怪しい雰囲気を
引き上げるときに、俺はベルの食いかけのアンパーンを『よく頑張ったな』といってイブに渡してきた。
イブは目をうるませてアンパーンを受け取ったけど、あの瞳が感謝なのか欲情なのかは神のみぞ知る!だな。
・
・
・
コアルームに戻り、早速ハッスルし始めたアダムとイブの様子をみんなに見せないように、気をつけて双子の映像を小さく目の前に映して確認しながら、ゴブリンべービーズの鑑定を大きく映し出して、みんなに見せた。
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種族名: ゴブリン ナイト
個体名: ???
性 別: ♂
Lv.: 30
スキル: 剣技、盾技
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種族名: ゴブリン ナイト
個体名: ???
性 別: ♂
Lv.: 30
スキル: 剣技、盾技
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「双子だら、性能の差はなさそうだね。」
「エリート2人からナイトが生まれたけど、第2世代同士なら、どうなるの?
ああっ、時が早く過ぎないかしら!早く結果が見たいわ!」
「この子たちも『ネームド』なんだね!ささ、リヒト。名前をハヨ。」
それがこれ、ドーン!
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種族名: ゴブリン ナイト オブ ナイツ
個体名: カイン
性 別: ♂
Lv.: 50
スキル: 忠誠心、剣技、盾技、
殺人の
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種族名: ゴブリン ナイト オブ ナイツ
個体名: アベル
性 別: ♂
Lv.: 50
スキル: 忠誠心、剣技、盾技、
不和の種
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「『ナイト』に【忠誠心】のスキルがあるのは頼もしいね。」
「コソコソ・・・ねえねえ、あれってどう思う?」
「コソコソ・・・ダメね!命名でいきなり重いもの背負わせちゃたわ。」
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・
「さあ、みんなに紹介するわね。この子たちが、この『欲望のダンジョン』の主力となる子たちよ。みんな挨拶して。」
「「「「はじめまして、ご主人様!」」」」
一糸乱れぬ動作で挨拶するかわい子ちゃんたち・・・
「どこからどう見ても、人間の女の子だよなぁ・・・」
「これがゴブリンだなんて、ボクには信じられないよ・・・」
「みなさん、とてもキレイです・・・」
「ふふふふ、私の『研究室』の成果第1号とだけ言っておこうかしら。もう2度と『研究室でサボってる』なんて言わせないわよ!ふん」
なんだ?分かりにくいデレだな・・・
「ねえねえ、彼女たち、どんなステータスなのか見せてよ。リヒト。」
「だな。」
彼女たち4人?のステータスはドン
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種族名: ゴブリン コンパニオン
個体名: ???
性 別: ♀
Lv.: 20
スキル: 魅惑、話術
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「おお、ちゃんと種族はゴブリンなんだな。見えないけど・・・」
「ねえ、リヒト。コンパニオンって何?」
「知らん」
「この子たちもネームドだから、名前をお願い。」
「そうだよなあ、この子たち改造するのに1人当たり4匹もゴブリン使ってるからなあ。ネームドにもなって当たり前、なのか?」
最早エイルのデタラメな改造スキルには突っ込まないぞ!
それで、彼女たちの名前はこうだ!
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種族名: ゴブリン コンパニオン
個体名: メグ、ジョー、
ベス、エイミー
性 別: ♀
Lv.: 30
スキル: 魅了、支配、夜の蝶
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「素敵な名前ですね、マスター。」
シフォンの感想と同じく、メグたち4姉妹も喜んでいる。
「なんか、強力なスキルに進化しちゃったね。でも『夜の蝶』ってどんなスキルなの?リヒト」
「エイル?」
俺も聞いたことないから、エイルに振る。
「あー、えっと。まだ、君たちには早いかなぁ・・・」
「「「「うふふふ」」」」
メグたち4姉妹が蠱惑的な笑みを浮かべてる・・・
まっいっか。開店準備はほぼ整った。
あっ、メグだち4姉妹には、『マスター装備』で素敵なドレスをプレゼントしたら、お礼にってキスしてくれたよ。
なんかさぁ、もっと彼女たちにプレゼントしたい気分なんだか、これが『夜の蝶』のワナなのか?!
◇◇◇
「ハアハアハア、まだ追って来るぞ!」
背徳の街ジュミラへ向かうジュミラ街道の支道から離れた森の中を、3人の男たちは何者かに追われていた。
男たちは、ジュミラの街でも中堅の傭兵で、『暁の剣』の名で少しは名の売れた男たちであった。
「クソっ!何処に隠れてるのか、さっぱり分からないぞ!」
右目にキズのある男がボヤいた。
「ティムガッドでも分からない・・・うっ!」
後ろを確認している男に声をかけた瞬間、髭面の大男の肩に矢が刺さった!
「大丈夫か?ビスクラ!どうやってこの深い木の間を射抜けるんだ!畜生!」
長い髪を後ろで束ねた男が髭面の大男を盾でかばいながら悪態をつく。
「ビスクラ!ドゥラス!止まるな!とにかく動け!直線的に動くなよ!」
右目にキズのある男が叫びながら、森の中を走り抜ける。
すると森を抜けた男たちの目の前には、切り立ったガケにポッカリと空いた小さな洞窟が目に入った。
「アソコだ!あの洞窟に飛び込め!」
3人は身をかがめながら、次々と洞窟の中へ飛び込んで行った。
それを確認するかのように、生い茂った薮がムクっと立ち上がった。
それはギリースーツと呼ばれる草や枝を全身に付けたカモフラージュスーツを
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