File.107 校長と教頭

「昼間から酒なんて飲みやがって…ここは学校であって飲食店じゃないんだよ!!分かってるのかな!!」


「さっきっからごちゃごちゃうるせぇよ!!何でそもそも菊池が此処にいるのか教えろって言ってるじゃん!!」


「俺が来た理由はな…謝罪をしてもらうためだよ!!正確に言えば土下座して俺の心の安寧を保つための糧になってくれ」


「何を言ってるのかさっぱりわからないぞ!!」


「極論は、お前らに土下座して詫てもらえれば良いんだよ!!校長と教頭先生は俺に対してなんて言いましたっけ?」


「私はお前に対してなにも言及していない!!本当だ!!」


「…酒で本当に頭がいかれたんじゃないか?ここに録音機があるって言ったよな?其の意味すら理解できないほど酔ってんのか?」


「決して酔ってなど居ない!!俺は正しいことをしただけだ!!」


「俺はまだ何も行ってないんだけど…というか、これを正しい行為って言えるのかはだはだ疑問なんだけど」


「うるさいなぁ〜もう寝かせてくれよ!!」


「校長…あんまり舐めたことしてるとどうなるかわかりませんよ?教頭貴方も同じですよ」


「ひぃ!!なんで私になるんですか!!今は校長でしょう?私は関係ないじゃないですか!!」


「関係内で乗り切ろうってか?ふざけてんじゃねぇぞ!!お前らは知らないだろうけど、こいつは苦しんでんだよ!!こいつが今どんな病気抱えてるのかも知らないだろ?」


「病気だと?」


「菊池ですか?」


「そう言えば菊池くんってこんな口調だったっけ…」


「こいつはな、今解離性同一性障害ってのを抱えてるんだ。分かりやすいように言ってやるとな?多重人格ってことだよ!!原因は全部お前らなんだよ!!お前たち教師は、あの事件が発生してからこいつの話を一度でも聞こうとしたか?」


「あの事件は世間的にも処罰をくださなければ、我々も批判されるところだったのだ!!仕方なかったんだよ!!」


「ちがう…世間からの批判を恐れて行動した、あんたらの行動は間違いだ。お前らは先生として生徒を守らないといけなかったんだよ。分かるか?一人孤独に世間と戦うのを…今回の場合は弁護士と直ぐに連絡を取れて問題がなかったがな」


「…」


「俺はこいつの人格の内の一人だ。お前らが原因で生まれた人格だよ!!人格ができる条件は多々あるけどな、俺が生まれた原因は、この学校の教師への強いが元になったんだよ…分かるか?お前らのせいでこいつは一度壊れかけたんだ」


「さっきっからさ…君は一体何様のつもりで行動しているのかね?我々の学校に無断で侵入してきたんだろう?」


「俺がそんな間違いを犯すと思うか?いくら恨みなどの負の感情で作られた俺とは言え、何をしたら主人格に迷惑がかかるのかぐらいは把握している…だから、お前らを法の範囲内でしっかりと絞ることにしたんだよ!!」


「くっ…どうにかして逃げなければ…」


「ねぇ…逃げられると思ってる?そこの二人もそんなにドアに近づかなくてもいいじゃん?ほらソファーにでも座って?」


「いや…誰か!!」


「私は教頭だぞ!!この学校の教頭だぞ!!そんな私にこんな事をしていいと思っているのか!!」


「はぁ?関係ないよ…俺はソファーに座ってって言ってるだけなんだけど?早く座ってくれないかな?本格的な話を始められないじゃないか…それに、俺はあんた達から謝罪をもらってないからな〜どうしてもらおうかな?」


「っく…」


「じゃあ校長先生からお願いしようかな〜校長先生は俺に対してどんな風に謝罪をしてくれるの?」


「謝罪なんて…するわけ無いだろう!!ふざけるなよ!!ガキのくせに!!」


「また酒瓶で殴るつもりですか?懲りないですね…これは正当防衛が認められるでしょうし、一発行きますか!!」


だが、俺から殴ってしまってはいけない…あくまで、相手が攻撃を仕掛けてきたら反撃するだけで大丈夫だ。酒瓶を先程も振り下ろしていたが、あんな泥酔した人間にやられるはずがない。


「おらよ!!喰らいやがれ!!」


「これで正当防衛が認められるな!!」


俺は鳩尾に拳を突き刺した…俺は空手等の武術をしていたわけではないため、空手家のような強力なパンチを放つことは出来ないし、柔道家みたいな寝技等の技術も持っていない。だけど、この状況ならどう考えても成立するだろう。相手は酒瓶という凶器を持っているのだから…


酒瓶だって机の角などで割って、それを振り回し相手に向けて投げたりしたら致命傷まではいかなくとも大怪我する可能性が高いからだ。


「ぐふっ…うぅ…」


「校長は謝罪する気なしっと…それじゃあ教頭先生に先に謝罪してもらおうかな?」


「私か!!生徒に謝罪するなんて通常ありえないことだが…今回の件は私も悪いと感じているところがある…申し訳なかった」


「…とりあえず貴方は後回しにしておきます。直ぐに謝罪をするくらいですし、多少は罪悪感でも感じてるんでしょう…まぁこれが上辺だけの謝罪だけだったらどうなるんでしょうね?」



教頭の謝罪が本心からなんて思っちゃいない…この後にでも調べて見るとしようか…

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