File.92 記憶の共有

「はぁ…本当にあいつは食事を取って課題を終わらせてくれただけなのか?気になるな…」


俺は最近誰かにつけられている気がするのだ…学校を出て、家に帰るまでに数人俺のことをつけてきている気がする…こんな事を言うのもあれだけど、本当に食事をして課題を終わらせてくれただけなのか不安になる…


「それに、俺のことをつけている人を見たけど結構ヤクザっぽい人だったんだけど…大丈夫なのかな?」


『どうした?主人格』


「この声は…黒かな?」


『あぁ俺は黒だ…あいつがやったせいでお前に危害が加わりそうだ…だから俺がカバーしてやる』


「どういう事だ?あいつが何かやったのか?」


『そうだ…あいつにもそろそろ休みというか、好きなことをさせてやろうと思ったんだけど…今度からはあいつのことを制御しないといけないかも…すまなかった』


「結局何をやったのか教えてくれないか?何をしたのか分からないと、どうしようもないんだけど…」


『正直伝えることさえためらうんだけど…まぁ教えるか』


「しっかりと教えてくれよ?もう一回言うけど最近俺がつけられてる原因はなんなんだ?」


『まずはお前がつけられている原因だな…それは、お前の体のコントロールを得ている間にヤクザにぶつかってしまったらしい…で、その時に殴り合いというか、相手が銃を出すまでの喧嘩になってしまったらしい…』


「それは大丈夫なのか?というかそんなこと知っていたのか?」


『お前との記憶の共有はできてなかったようだが、俺らは記憶を共有することが可能だ…』


「俺との記憶の共有は出来ないが、他人格同士は記憶を共有しているのか?」


『基本的にはそういうこと…それと、お前に一つ伝えなくちゃいけないことがある』


「それは?」


『俺の予測では、お前にあのヤクザがコンタクトを取ってくるのはだいたい2日後だ…その日は本気で気をつけておけ…良いな?』


「警戒はしておくよ…」


『それと、俺が主人格に色々といったことを聞かれたら絶対に答えるなよ?あいつはお前の中にいる数ある人格の中でも危険な人格だからな…俺らのことを探ってくるかも知れない』


「人格同士でもなんか喧嘩してるの?」


『喧嘩というわけじゃないんだけどさ…仲が悪いと言うか…』


「そうなんだ…黒と仲がいいのは誰なの?」


『う〜ん…特段仲がいいってやつは居ないな…強いて言うなら翠くらいかな?だが、他の奴らとはあまり話したこともないな…仲裁をすることはあるけどな?』


「仲裁?」


『あぁ、他の人格同士で喧嘩することがあるんだ…そういう時に喧嘩を止めるやつが居ないとダメだろう?』


「こっちでもそうだね…喧嘩を止めてくれるやつが居ないと非常に困るんだ…」


『そこまで困るってわけじゃないけど、その喧嘩に直接関係しているんだったら止めてくれないとやっぱり困るよな…』


俺は二日後に備えて準備することにした…というかヤクザとか絶対に嫌なんだけど…





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完結しましたよ!!甲子園用の小説が!!完結した記念に載せていきます!!

殺人鬼に恋した女子高生

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