File.66 怒りの象徴(人格視点)
俺が生まれた原因は、小学生の時のイジメが原因だ…当時のイジメを詳しく掘り下げる訳では無いが、とにかく理不尽なものだった…
イジメに発展する前に、新たに新人教師が入ってきた…新人教師は可愛く、男子は皆後をついていくことも多かった…しかしある時、新人教師の私物がなくなるという事件が起こった…当然クラス内で犯人探しが始まった…
最初は誰もが自分ではないと主張していたが、時間が経つにつれ徐々に苛立ちが募っていく…小学生だから感情のコントロールも甘く、過激な発言をする子も居た…
そして全員の荷物を確認しようということになった…そして全員の荷物を確認していく中で、主人格は色々と荷物の整理をしていた…周りは荷物の整理なんてしていないから、先生や周囲の子も疑い始める…
まぁ俺が生まれた原因を簡単にまとめると、この件は最終的に解決したが、主人格の中では理不尽に疑われたこと、加えて自分の主張をすべて拒む他人に対して激しい怒りが込み上げていたのだ…そしてその怒りによって誕生したのが俺ってわけだ…
俺がしていることは、怒りの調節…主人格は怒りという物をあんまり感じていないだろうが、それは俺が原因だ…直近の状況でコントロールすることが出来ないほどの大きい怒りが襲ってきた場合、どうなるかわからない…暴れたり、自分を傷つける可能性すらある…それは絶対に阻止しなければいけない…
主人格のあいつは、普段は滅多に起こらないが怒ると怖いのは知っている…俺はあいつの怒りから生まれたわけだから、何が主人格を一番怒らせるのかも知っている…
主人格を一番怒らせるのは、大事な人にどんな形であれ危害を加えること…今の主人格にとって大事な人といえば、一番はあの弁護士だろう…そして次にもう一人の弁護士とその娘…そして級友に当たる…
俺がスポットに立つことができるのには条件がある…基本的には激しい怒りを感じること…それから意識を失った場合に、周囲に危害を加える可能性がある人間が居ること…もしくは倒れる前に俺の事を呼ぶこと…
「俺は怒りの象徴だからな…急速にストレスを感じるとそれを排除するために俺がスポットに立つことも可能なんだ…」
結局のところ俺は…怒りをコントロールしてやるだけの存在なんだけどな…怒りの象徴とかなんだかんだ言っても、主人格をサポートするだけに過ぎない…それに…いつかは…
「消えていく…だろ?」
「あぁ?黒か…」
この黒とはずっと長い付き合いだ…黒は他の人格との仲介をすることが多い…ここに犯罪を好む人格はまだ存在していないが、好戦的と言うか変なやつは多いから、そういう奴らが暴走しないように黒が調整していると聞いたことがある…
「俺等は結局のところいつかは消える運命なんだ…お前は怒りのコントロールをしているが、それも最終的には主人格ができるようにならなきゃいけない…普通の人間は感情のコントロールを容易にするが、主人格は感情のコントロールが些か甘い気がする…」
「だから俺がいるんだ…俺が居なければ怒りを感じた時にコントロールできない…今回だって、あいつは心のなかで『なんで目の前に現れるんだ…』と思っていた…妹に似ている粘性の化け物と言っているが、結局は家族だ…いつかは許す日が来るんだろう」
「…やはりな…そして妹を許したその日が俺等の最期だろうな…」
「その日までに主人格が成長すればいいが…どうなるだろうな…」
「主人格なら成長してくれるさ…俺がこの目で見てきたんだからな…」
「そうか…」
それから俺と黒はひたすらに話した…俺のことを理解してくれる人格の中でも、黒は一番だ…
見てくださりありがとうございます!!
明日、紹介させていただきます!!人格たちを集めた人物紹介ならぬ人格紹介を今度行おうと思っています!!
最新作を最後に載せていこうと思います!!
セーブ&ロード~スキルの力で何度でもやり直す!!~
https://kakuyomu.jp/works/16817330660921570134/episodes/16817330660923435626
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます