File.18 驚愕の出来事

弁護士である魁兄は朝からでかけてしまっているみたいだ…そのため今ここには俺しかいない…


「はぁ…出かけるならせめて手紙の一つでも置いていってくれればいいのに…」


スマホを確認するとこっちに来ていた…


『済まないが今日も一つやることが出来てしまったから食事は先輩に頼んであるから先輩と一緒に食べておいてくれ』


「はぁ…その先輩がまだ見えないんだけど…」


まぁ気長に待つことにしょう…


そうして数十分待つとドアがノックされた…


「翔太君いるかい?」


「いますよ…今開けますね」


俺はドアを開けて零斗さんを迎えた…その手にはパンのようなものが入っているビニール袋を持っている…


「これは?」


「パンを買ってきたんだけど…もしかしてパンは苦手だった?」


「いえ…むしろパンは好きなのでありがとうございます」


「そうか…良かった〜」


零斗さんは安心したような表情でパンを机の上に広げた…


「じゃあこれの中から食べたいものを選んで食べちゃっていいよ?」


「ありがとうございます…それじゃあこれとこれと…あとこれで大丈夫です」


「3つだけでいいの?もっと食べても良いんだよ?」


「そうですかね?」


「今は食べ盛りなんだから朝からパンをいつもよりもたくさん食べたって変わらないよ?」


「う〜ん…まぁ大丈夫です…頂きます」


俺は買ってきてもらったパンを食べ、久しぶりにランニングすることにした…



魁戸side

会議室のような場所に連れて行かれた俺は、他の二人が来るまで待つことにした…


「他の二人はいつ頃来るのですか?でなければ話が進まないんですが…」


「申し訳有りません…しかし急に来られるとこちらも困るというものでして…」


「急に来られると困る?他にもなにか隠しているのですか?この件以外にも?」


「いえ…そんな事はありません…」


俺がそんなふうに校長と話をしていると…


「校長!!学年主任とクラス担任をお連れしました!!」


「ご苦労…さぁ入ってくれ」


学年主任とクラス担任と思われる二人はこちらに向かって歩いてくる…そして学年主任が口を開いた…


「貴方は誰ですか?」


「私は弁護士です…菊池翔太君の弁護士をさせてもらっています」


そう言うと苦虫を1000匹くらい噛み潰したような顔であからさまに苛ついた…


「主任!!お客さんの前ですよ落ち着いてください!!」


クラス担任と思われる女性の教師がそう言い、学年主任をなだめた…非常に滑稽だな…


「弁護士さんこんにちは…え〜っとこちらを…」


そう言い、俺に渡してきたのは名刺だった…


「あぁ…こちらもどうぞ」


俺も一応名刺を持ってきているため渡した…取り敢えず全員来たから話を始めるとしよう…


「それでは本題にはいらせていただきます…菊池翔太くんのこの学校での評価を教えてもらっても?」


誰が答えるのかは分からないが正しい内容であれば別に誰が言っても構わない…


「では私が…」


「よろしくお願いします」


「菊池翔太は我が校で活躍していた生徒ですね」


「どのように活躍していました?」


「我が校を初めて甲子園に出場させましたね…それに成績優秀で優れた運動能力を持っています…」


「彼に嫉妬していた人は居ますか?と言っても嫉妬する人は少なからず居ると思いますが…」


「そうですね…野球部で実施されたアンケートでは3年生の内、半数程が菊池君の事を嫉妬していたと聞きます…」


「なるほど…それではこれくらいにしておいて次に移りましょう…この学校はどのような調査を経て菊池君を退学処分にしたのですか?」


教師は一斉に校長と教頭の方を見た…まぁ此処までは予想通りの反応だな…


「調査ですよね?少しお待ちください…」


校長と教頭は逃げるようにして職員室に向かった…本当に調査しているんだろうか…


そこから数分待たされた…クラス担任と学年主任は何かを話し合っているようだ…


「取り敢えず貴方たちには先に此方を聞いてもらいましょう…」


俺は録音を流した…すると彼らの表情は驚愕の色に染まった…


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