File.17 醒めない夢

俺が見た夢は父親と昔、母親の墓掃除をしているところだった…俺の記憶が正しければ、たしかこの日は…父親が墓掃除をしている最中に途中で倒れてしまったんだよな…しかし幸いにもすぐに起きてなんにも問題はなかったんだよな…


そう…本当なら何も問題はなかったはずだ…しかし…この夢ではが違う…


父親は今俺の目の前で倒れている…しかし、一向に目が覚める気配がない…


『どういうことだ?…そもそも俺は一体…どうしてこんなところにいるんだ?』


俺が見ている光景は、簡単に言うと空から見ているような感じだ…浮遊している状態からカメラで録画された物を俺が画面越しに見ていると言った感じだろうか…


倒れた親父に向かって謎の発光している物体が接近していく…これは?


『やめろ!!親父に触れるんじゃねぇ!!俺みたいな屑を育ててくれた大切な人なんだぞ!!』


俺がどんなに屑でも親父はいつでも助けてくれた…例えば俺が中学生くらいの時、電車の中で変な人に絡まれて、警察沙汰になりかけた時も俺のために戦ってくれた…その時に数発顔面にもらっていて救急車で運ばれたのを今でも覚えている…


しかし発光している物体は親父の体に入り込むと、消えてしまった…その後親父は眼を覚ましたのだ!!


『良かった…これで親父は助かった…でもこの状況はどうなっているのか本当にわからない…』


夢なのに夢ではないような現実感がこの空間には漂っている…そしてこの部屋に向かって何者かが歩を進めているのが分かる…


『ひっ…誰か来る!!』


俺はこの部屋の端っこの方に丸々ようにして隠れた…しかし足音は一向にやまない…


俺が必死に息を潜め、耳を頼りに情報を集めようとした…しかし、俺の耳が掴んだ情報は、この部屋にもうがいるということだ…人と言っても、人ならざるものかもしれない…そこまで詳しくはわからないからな…


俺はそいつが去るまで必死に息を潜めた…幸いにも壁の色が俺の今着ている服装に非常に酷似しているため、気づかれなかったのだろう…


俺はこの部屋を必死になって探索した…しかし手がかりを見つけるたびに何者かがこちらに向かって歩を進めてくる…一体誰なんだよ!!


俺はついに耐えきれなくなり、こちらに向かって歩いてくるを見つめる…そこにいたのは俺の


『母…さん?』


『…貴方が私の息子なのね』


俺が知っているのは赤ん坊の俺を抱いて微笑んでいる母さんだ…しかし俺に今向けている表情や眼差しは…


冷たいものだった…


『貴方はどうしてこの夢を見ているか知っているかしら?』


『どういうこと?そもそもなんで母さんが俺の夢に出てくるんだよ…こんなリアルな夢おかしいよ!!』


『これは犯罪を犯した人間を糾弾するための夢なのよ…名称はないからなんとも言えないけど、この夢では徹底的に貴方を追い詰めていくような内容が度々流れる…最終的には夢の中で最低100年間反省しなければこの夢は醒めないわ…』


『うそだろ…嘘だと言ってくれよ母さん!!』


『犯罪者を産んだ覚えはありません!!そもそも私がこうやって夢の中に出ることができるようになったのは…様の指示なんですよ!!』


『母さん?今なんて言ったの?』


『これ以上貴方と関わると私まで罪に問われるから、言えないわね…それとこれから貴方は反省の道を歩むしか道はないわ…これから貴方が犯罪を侵さなければどれだけ素晴らしい人生を送れたのかを少しずつ紹介していくわ…まずは私と貴方の分かれ道である生まれた日ね…まぁここは変わらないわ…』


俺が最初に罪を犯した日…それは初めて高校生になった春のことだ…確か…


『クラスの女子に告白したもののあっけなく撃沈…撃沈してもしょうがないとは思っていたものの、諦めきれず襲う…その後その女子のことを脅して関係を今も持っているそうじゃない…恥ずかしいわね…』


『…』


『そして大学生になってようやく正しい付き合いをすることができるようになった…そしてその時付き合うこの子と結婚するはずだった…しかし貴方は犯罪を犯していた…その結果は明瞭で、貴方は今も大変な目にあっている…だって裁判所からの呼び出しを食らっているんでしょ?』


『…!!』


そんなことまで知っているのか…何でも知っているんだな…本当に…


ここから俺は完全に壊された…実の母親に100年以上ずっと説教をされていた…でも説教というのは甘いのかもしれない…俺が少しでも反論をしたりすれば俺に対して鞭のようなもので叩いてくるし、俺が抵抗しようとすれば更に叩いてくる…


そうして俺は100年以上責め続けられ精神がいかれた…はずだった…


俺は一度死んだと思っていたが、生き返させられたらしい…俺の体には大量の鞭の跡がある…


そうして100年以上この空間で過ごした俺は眼を覚ました…母親は最後に涙を流しながら、俺に自首するように言った…でも俺は堕ちるところまで堕ちているから無理だよ…自主なんてしたらどうなるか…


俺はそれからも痴漢をしたりしていたが以前のような興奮は感じなくなっていた…


俺はそれが怖くて自首することが出来ずにいた…しかし、再び寝てしまいその際には地獄のような責めをされた…


俺は観念して警察に出頭することにした…




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見てくれてありがとうございます!!


後もう一話位いけるかな…


週間ランキング5位以内を維持することを目標に頑張っていますので、星やフォローをしてくれると嬉しいです!!皆さんからの応援コメントも楽しみにしています!!


今日はギリギリ投稿できそうです!!でも私用があるのでそれが片付いたら書きます!!よろしくお願いします!!

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