第二話 僕はアンドロイドの君の正体を知った

アイはアンドロイド

そう気づいてしまった


アイは、彼女は、アンドロイドだったんだ……

最近では一家に一台アンドロイドがいてもおかしくないようはなっていた。

でも、学校にアンドロイドが通うなんて聞いたことがない。

それにアンドロイドはもっとつぎはぎで、硬そうでいかにもロボットって感じの見た目だったはず。あんなに人間に似たアンドロイドは見たことがない!


アイは本当にアンドロイドなのだろうか。

僕の、勘違いだったりはしないだろうか。

まず、アイがアンドロイドだとして、なぜアンドロイドが学校になんて通っているのだろうか。これは、アイの意思なのか? まず、アンドロイドのアイに意思はあるのか?


いろいろな考えが脳内を覆うが僕は、一度考えるのをやめた。

考えたところでそれが正解とは限らない。

直接、アイに聞いてみるのもいいかもしれない。でも、席が隣ってだけでアイとはそこまで仲が良くないのだ。それに、もし仮にアイがアンドロイドだとしたら僕がどうなるかがわからない。


あいさんどうかなさいましたか? 顔色がすぐれないようですが。」

「!? ぼ、僕?」

「はい。藍さんは他にこのクラスにはいませんが……」


一ノいちのせあい これが僕の名前だ。

皮肉にも初恋の相手と同じ名前。


「別に体調に問題はないよ。ア、関口せきぐちさん。」

「そうですか。」


会話終了。こんなそっけない話を週に一回するかどうかの仲だ。

いきなり、

「君ってアンドロイド?」

などと言ったら気持ち悪がられるに決まってる


だから、もっとよく見て、よく聞いて、アイの正体を知ろうと思う。

自慢ではないが、昔から頭は良い方だから特徴がわかればアイの正体を絞り込めるかもしれない。


だから、僕はアイについて色々と考えるようになった。

そうすると、どんどんアイについて知っていくようになり、

どんどんアイがアンドロイドだと決定づけられていくようになった……


だから、僕は覚悟を決めた。

アイに直接聞いてみることにした。

君は、アンドロイドなのかと……


アイに、放課後、少し話があるから教室で待っていて欲しいと言った。


「それで、藍さんお話とは?」

「あのね、関口さん。いや、アイさん。君は、アンドロイドなんでしょう?」


僕は、覚悟を決めた。

どうしても知りたかった。

初恋のあの子はアンドロイドなのか。

もし、アイがアンドロイドではないのなら。

僕は、彼女に、アイに、恋をしてもいいと思う。

だから、僕は、アイの返事に期待をした。

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