第8話 追いかけてきた由紀子

 絵描きであるという彼女の名前は柏木加奈子という。年齢は二十一歳の大学三年生だという。

 最初は大学生だという意識はなく、しっかりして見えたので、唯子と同じくらいなのかと思っていたが、年齢的には、よほど由紀子の方が近いようだ。

 思わず由紀子と加奈子を比較してしまっていたが、どうしても加奈子の方が大人に感じるのは、由紀子に唯子という姉がいて、結構姉に頼っているところが見えていたからなのかも知れない。その点、加奈子はいつも一人で、

「一人が似合う情勢」

 という雰囲気の方が大きかったような気がした。

 だが、今回、

「僕は、柏木加奈子の弟です」

 と言ってやってきたのは、名前を浩平という、まだ十四歳の中学生だった。

「結構、年の離れた弟さんだね?」

 と聞くと、少し話しづらそうにしていたが、何とか口を開いて、

「ええ、母が私の高校生の時に亡くなったんですけど、その後で別の女性と再婚したんです。浩平はその新しいお母さんの連れ子だったんです。だから実際には血の繋がりはないんですが、しっかりしていて、可愛いんですよ。正直、弟はほしいと思っていたので、やっと願いが叶ったという感じですね」

 と、苦笑しながら言った。

 その苦笑は、本当の戸惑いからなのか、照れ隠しからなのか、詳しい事情を知らない恭平には何ともいえなかった。

 由紀子と比較しても、大人びて見えるのは、弟の存在を予感していたからではないかと思った。

 まさかとは思うが、

「記憶の欠落という状況を補うように、予知能力のようなものが生まれたのかも知れない」

 と感じた。

「そもそも予知能力というのは、特殊なものではなく、特殊に思えるのは、あらかじめ定められた人間にしか与えられないもので、それもごく限られた希少な人にしかないものなのではないか」

 と教授が言っていたのを思い出した。

「ひょっとすると、坂出君にも、その能力が備わっているかも知れないと私は思っているので、その時は自分でビックリすることなく対処できればいいと思っているよ」

 と他人事のように言ったが、

「予知能力だけは、その人それぞれに力の度合いが違うので、その存在が分からない段階で、私に何かを言えるだけの根拠はないんだよ」

 と付け加えた。

 恭一はその言葉を思い出すと、

――弟の存在は気のせいであってほしかった――

 と感じている自分がいる。

 それは、加奈子に弟がいるという事実がウソであってほしいというよりも、加奈子に弟がいた場合、何か災いが引き起こされるのではないかと思うのだった。その原因が弟にあるのは間違いないのだが、弟の思いが働いているのかどうか、それによって、自分の恐怖心が明らかに違うものになることを分かっていた。

 しかし、どう考えても弟の存在をいい方には考えることができない。何か災いの元を孕んでいるように思えてならないのだった。

 その証拠に加奈子も弟が現れたことに大きな戸惑いを抱いているではないか。やはり弟の話をして照れ臭そうにしていたわけではなく、戸惑いから言葉が出なかったということは明らかなようだった。

 唯子が妹の由紀子を見るのとではまったく違う。それは血の繋がりがないのに、姉弟であるという事実をまわりは奇妙な関係に見ているからではないかと思えたのだ。

 特に弟の浩平を見ていると、その笑顔やあどけなさの下に、どんな邪悪な気持ちが潜んでいるのかとまで考えさせられるような気がした。

 何ら根拠もないことであるが、屈託のない笑顔であればあるほど、浩平少年の表情は悪魔のごときだった。

 恭一は、浩平少年や加奈子を見ていると、由紀子のことを思い出していた。

「由紀子ちゃんには、悪いことをしたな」

 と思っていた。

 そういえば以前、岡崎教授から、

「坂出君は、綾羅木家の次女のことが気になっているのではないかい?」

 と言われたことがあった。

「ええ、彼女にはいつも気にかけてもらって、気を遣ってくれているのがよく分かるんですよ。それに亡くなった婚約者が可愛がっていた妹でもありますからね」

 というと、

「そういう形式的な意味ではなく、君は彼女を男として気になっているんじゃないかい?」

 と言われた。

 即答はできなかった。何と答えたとしても、教授にはそれを追求する術があるように思えてならなかったからだ。

「でも、どうして教授はそう思うんですか? 僕が由紀子さんを見る目に何かそういう様子があるんでしょうか?」

 と聞いてみたが、

「君の目にあるわけではないんだ。目はむしろ、逆を訴えているように思うんだ。だからきっと他の人出は君が由紀子さんを女性という目で見ているというのが分かる人はいないと思うんだ」

「じゃあ、先生にだけ分かる何かがあるということでしょうか?」

「まあ、そうだね」

 と聞いて、ホッとした気分になった。

 少なくとも他のまったく関係のない人たちから余計な邪推を受けることはなさそうだからだ。

 しかし、教授には何もかも見透かされているようで怖い。普段は分かってもらえていることが安心感につながるのに、由紀子のことに関しては、恐怖を煽られてしまいそうで恐ろしいのだ。

 その時から、由紀子のことを特別な目で見るようになった自分がいることに気づいた。

 今回、失踪という形で姿をくらましたのも、

「由紀子ちゃんには知られたくない」

 という思いがあったからだ。

 下手に知らせてしまうと、必死になって止められるか、

「一緒についていく」

 と言いかねないと思ったからだった。

 どちらかというと由紀子であれば、

「私も一緒についていく」

 という方ではないかと思えた。なぜなら、彼女には姉にはない行動力があるのと、引き留めるよりも一緒に行くことで、より二人きりになれるという気持ちがあったからだろう。

 しかし、そのわりには彼女のことだから、二人きりになると言葉が出てこないような気がした。どちらかというと、話をするのは恭一からの方で、恭一は相手が喋りまくるような相手であれば、何も言わずに従っているが、相手が寡黙だったりすると、自分の方から喋るまくる方だと思っていた。姉の唯子に対してもそうであったように、妹の由紀子に対しても同じだろうと思うのだった。

 だが、それを由紀子はきっと嬉しくはないような気がしていた。姉が存命の際は、自分が姉と同じような行動をとることで、悦びを感じるような女の子であったが、姉が他界して一人になったと思うと、今度は姉を飛び越えて、自分が表に出ようとしているのではないだろうか。

 恭一は由紀子に対して、自分の気持ちを表に出したことがあっただろうか? 今までに一度もなかったような気がする。だから、由紀子はそれを分かってるので、由紀子の方お自分の正直な気持ちを決して恭一の前で出そうとはしていないように思えてくるのだった。

 唯子が生きている頃は、由紀子は唯子の、

「コバンザメ」

 のような存在で、一緒にいることで輝いて見えた部分もあった。

 だから、姉を通して、その延長線上でしか見ていなかった由紀子との間に存在していたはずの唯子がいなくなると、由紀子が直接見える反面、その見えている由紀子が自分の妄想ではないかとさえ感じられてしまう。

「直接見えると、眩しすぎるのではないか?」

 と思えたが、そんなことはなかった。

 由紀子の眩しさは、恭一の意識の中で、思うように操ることができるのだ。

 そんな由紀子が恭一を追いかけて、このペンションにやってきたのは、その翌日のことだった。

「すみません、予約していた綾羅木ですが」

 と言って、由紀子が現れたのは、夕方チェックイン時間のすぐあとくらいであった。恭一は加奈子が描いている絵を見ながら、自分も小説を表で書いていたのだが、少しきつくなってきたので、先に宿に帰っていることにした。

「ただいま」

 と言って、玄関先で靴を脱ごうとした時、顔を挙げると、そこにいたのが、由紀子だった。

 由紀子は素早く受付を済ませ、恭一を見た。

 恭一は、思わず、どうしていいのか分からず、逃げ出したい気持ちになったが、懐かしい気持ちには勝てず、笑顔で見上げた。

 由紀子はそんな恭一を見下ろしながら、何かを言いたげにしていたのだが、表情を変えることなく、凝視したままだった。

「お久しぶりね。お兄ちゃん」

 と言われて、恭一は涙が出てくるのを抑えようとはしなかった。

 恭一は由紀子を制して、ロビーの奥にあるバルコニーの席に由紀子を招いた。

「お兄ちゃん」

 という響きをどれほどまでに懐かしく思ったか、好きな相手と何年かぶりに再会した時というのはこんなイメージなのかと考えたほどだった。

「どうしたんだい? 僕を探しに来てくれたのかい?」

 というと、

「ええ、そうよ。お兄ちゃん、いきなりいなくなっちゃうんだもん。ビックリしちゃって、それで探しに行こうって思ったの」

 由紀子は淡々と話し始めた。

――この娘、こんなに淡々と話す人だったっけ?

 と感じたが、久しぶりに逢えたことへの感動が急に冷めて、現実に引き戻されたことで、我に返ったという感覚である。

「でも、よくここが分かったね?」

 と聞くと、

「うん、浩平君が教えてくれたの?」

 というではないか。

 一瞬、

――浩平君って誰だっけ?

 ときょとんとしてしまったが、

――そうだ、加奈子さんの弟の浩平君だ。確か浩平君もお姉さんを探していたということだったんだけど――

 と思った。

「ひょっとして由紀子ちゃんは、お姉ちゃんを探しているという浩平君とそれぞれ、連絡を取り合っていたということなのかい?」

「ええ、そうよ。私は前に泊まっていたペンションで浩平君と知り合って、お互いの話をしたの。そこで、お互いに早く意中の相手を見つけられればいいねということで、情報交換を約束したのよ。でもまさか、二人が探している相手は、偶然にも同じところにいたなんて、世の中って狭いんだわって感じたのよ」

 と、どうにも淡々とした様子で話した。

 いつもと明らかに違うが、その言葉にはいつものような感情が含まれていないのを感じた。

――まるでロボットのようじゃないか――

 と感じたのだ。

 ロボットのようだと感じた理由には、一つ、言葉に抑揚がない。一つ、一言一言の感覚が全くの一定だ。一つ、何よりも感情が籠っていない。

 この思いが恭一を一気に不安にさせた。

――目の前にいる女の子は自分の知っている由紀子ではない。自分が知っている由紀子はどこに行ってしまったのだろうか?

 と感じた。

 ひょっとすると、これが本当の由紀子の姿であり、姉の呪縛から逃れた姿ではないかとまで感じたほどだった。

 由紀子はいつも唯子を見て歩いていた。自分が行う行動にはすべて唯子の感情を思い図ったものだったように思う。普通なら、自分の感情が含まれていないように思えるのだろうが、由紀子の感情は、すべてに、

「姉の唯子ありき」

 だったのではないかと思えた。

 だが、今の由紀子を見ていると、完全に姉の姿は由紀子から見ることができない。

――何が由紀子を変えたのだろう? 少し見ない間に、どうしてしまったというのだろう?

 と考えていた。

 だが、由紀子はその時、ニヤッと笑った。その表情は今までの自分が知っている由紀子ではなかった。

「私がどうして、こんなに変わったのか、お兄ちゃんはそれで戸惑っているんでしょう?」

 その言葉を聞いて、もう狼狽を隠しておく必要などないことに気づき、

「ああ、そうだよ。僕の知っている由紀子ちゃんはなくなっているのが気になってね」

 と少し開き直った、ちょいワルの感じを出しながら逝ってみた。

 すると由紀子は、

「私をこんな風にしちゃったのは、お兄ちゃんだよ。お兄ちゃんは私を二回変えた。きっと二回目しか分からないかも知れないけどね」

「二回目というのは、僕が失踪したということかい?」

「ええ、そうよ。でも、勘違いしないでね。お兄ちゃんを恨んでいるわけじゃないのよ。お兄ちゃんにとっても、しょうがないことだったというのも分かる気がするのよ。でもね、自殺未遂をしておいて、その後の失踪というのは、普通に考えれば、私たちへの裏切り行為だとは思わない?」

 と、一番突かれたくない部分を、抉られた気がした。

「君の言う通りだね。その部分に関しては、言い訳をしても仕方がないと思っている。でも、由紀子ちゃんなら、気持ちを分かってくれると思うんだ」

「ええ、分かっているわ。それにね。私はお兄ちゃんに言い尽くせないだけの恩義を感じているのよ」

 と由紀子は言い出した。

 一体何を言いたいのだろう?

「どういうことなんだい?」

「私をね、お姉ちゃんの呪縛から解き放ってくれた恩義が、お兄ちゃんにはあるのよ。私はお姉ちゃんを尊敬していた。そして、お姉ちゃんが結婚したいと言って、あなたを紹介してくれた。でも、その時に私は気付いたの。私の好みのタイプの男性があなただってね。それで私は苦しんだ。お姉ちゃんが好きな相手なんだから、諦めるしかないってね。せっかく諦めがついたつもりだったのに、お姉ちゃん、あっけなく死んじゃうんだもん。私とあなたを残してね。だから、また私はあなたへの気持ちが復活してきた。でも、あなたの中にはまだ姉がいた。それであなたは自殺まで図った。そして病院に行った時、医者から、あなたの記憶があいまいだということを聞かされたのよ。で、その時意識を取り戻したあなたが、私を見てなんていったと思う? お姉ちゃんと間違えたのよ。唯子って呼んだの。私はその時、どれだけの屈辱だったか分かる? 必死で自分の気持ちを抑えようとした。何とか抑えることができて、それであなたの気が済モノなら、私はその日はお姉ちゃんを装うこといしたの。でも、あなたが少し眠って目が覚めた時、まったく同じような感覚で私のことを、由紀子と呼んだのよ。私は頭の中が混乱した。混乱したことで何をどうしていいのか分からず、今に至っているのよ。その間、あなたはまったく何も変わっていないような素振りだったのに、急に失踪ななんかして、私にとってあなたは大切な人に変わりはないんだけど、このまま失踪されたままでは、私はどうすることもできない。だからまずはあなたに会う必要が生じたというわけなの」

 と由紀子は言った。

「じゃあ、今僕と出会えてことで、お姉ちゃんの呪縛から解き放たれた気がしているの?」

「そうなのかも知れない。でも、ここに来るまでにある程度呪縛から逃れられている気はしているんだけど、やっぱり、お兄ちゃんの顔を見て確信したの。お礼がいいたいくらいなのよ」

 と由紀子は言った。

 恭一は今の由紀子を見て、正直恐怖を感じている。一人の女の子として見ていたはずの由紀子だったが、まさか、姉の呪縛を引きづっていたなどということは考えてもみなかった。由紀子は話を続ける。

「でもね、私、今度は今までお姉ちゃんにあった呪縛が、お姉ちゃんから他の人に移動しただけではないかと思うようになったのよ」

「えっ?」

 この意外な由紀子の申し出の理由は、

「その相手が、恭一さん、あなたなのよ」

 ということであった。

 その言葉をどのように捉えていいのか、聞くに及ばずの言葉なのかと思ったが、言い出したのは由紀子だ。言いたくて仕方がないはずだと思った。

「どういうことなの?」

「私は正直、今までお姉ちゃんが持っているものを、ほしいとかいう妹にありがちなことを考えたことはなかったの。でもね、今回お兄ちゃんを紹介してもらって、初めて、お姉ちゃんが持っているものを欲しがる妹の気持ちが分かってきた気がしたのね。その気持ちって仲のいい姉妹だったら、絶対にあるものだと思うの。妹は思春期くらいになって、そのことに気づくんだけど、実際には小さなころから姉に対しての憧れから、どうしても本能的に姉のものをほしがるのよね。姉の方でも妹の気持ちが分かっていて、、だけど、どうすることもできないでしょう? 妹が欲しがるものというのは、そんな簡単にあげられるものではないからね。それを思うと、仲のいい姉妹というのは、意外と微妙な関係だって思うの。もっとも、これは兄弟と呼ばれる関係であれば、男も女も関係のないことだと思うのよ。たとえ姉妹で異性であったとしてもね。そういう意味で、私はそんな気持ちに対して晩生だっただけなのよ。思春期の時には出てこない感情に、自分には備わっていないと思っていたんだけど、やっぱりそういうきっかけというのは潜んでいるもので、お兄ちゃんの存在が私のそれまで眠っていた本能に火をつけたのね」

 と、由紀子は言った。

「それはあるのかも知れないけど、今のその気持ちは、初めて姉に感じた年齢がちょうど二十歳過ぎというお付き合いをするのにちょうどの年齢じゃない。姉には彼氏がいるのに、自分にはいないという、一種のないものねだりの感覚とは違うものなんだろうか?」

 と恭一は言った。

「違うもののはずだと思うの。年齢的なものも確かに影響していないとは言えないと思うんだけど、何よりも、姉が持っているものに対しての憧れは、きっとないものねだりの感覚とはちょっと違う気がするの。それはきっと、姉には追い付けないという宿命を感じているからなんじゃないかと思うの」

 と由紀子がいうと、

「それは考えすぎなんじゃないかな?」

 と言い返す。

「そうじゃないの。必死になってお姉ちゃんに追いつこうとして、足元ばかりを見ている感覚って分かる? 必死になって追いついたと思うと、お姉ちゃんはもうすでに、先の方にいるのよ。いくら頑張ってみても、年齢では追いつけない。そんなことは最初から分かっていることだって思うでしょう? でも実際にそのことを実感するのってなかなかないことなのよ。でも、実の姉妹だったら、いつも感じていること、宿命のようなものだと言ってもいいんじゃないかしら? 仲がいいということは、そういう反面もあるということなのよ」

 と由紀子は話した。

 さすがにそれを聞くと恭一は、何も言えなくなってしまった。

 確かに自分の目標とする人に追いつこうとするのは難しい。さらにライバルともなると、追いつくだけではいけないのだ。少しでも相手より先にいっていなければいけない。しかも、それはゴールの時点でである。いくら、途中のすべてでリードしていても、最後のテープを切った瞬間に、相手が前にいれば、自分のまけなのだ。

 相手がライバルの場合は、追いついて追い越すことができる。しかし、姉妹の間柄では、決して自分が姉の立場になることはできないのだ。同じ次元に存在している以上、どうにもならないことである。

 ただ、今回のように、姉が突然死んでしまって、もう同じ次元にはいない。そして、いつか自分は姉よりも、一日ずつ先に進んで行くことになる。姉が生きている時には想像もしなかったことであるが、いかに自分が姉の姿を追い求めていたのかをいまさらながらに知ることになった。

――もう、姉はいない――

 二人の道だと思っていた先に姉がいないというのは、寂しさという言葉では表現できない。

「姉のいないその場所に自分の想像力が及んでもいいのだろうか?」

 そんな思いが頭をよぎるのだった。

「由紀子ちゃんは、どうして僕を追いかけてきてくれたの?」

 と改めて聞くと、

「やっぱり、お姉ちゃんに会えるような気がしたからかな?」

 と先ほどとは少し違った意見になった。

――俺に遭いたいのか、姉に遭いたいのかどっちなんだ?

 と考えたが、要するに、どちらにも会いたかったのだろう、

 三人が揃っていないと見えてこない答えもあるのだろうと、恭一は由紀子を見ながら考えた。

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