第505話 親友 🏫

 


 自慢じゃないが、ぼくは友だちが少ない――露悪的な書き出しに、思わず破顔したのは、海外でご活躍中の作家さんに比肩するのもおこがましいのですが、ヨウコさんもまた「性格がむずかしく、かなり変わり者」と自認しているからで。そんな母親と逆にいつも友人に囲まれている子どもから本気で心配されたほどの偏屈者です。:->


 その作家さんの場合は、夫の転勤先のどこへ行ってもたちまち人気者になる母親からすれば孤独な状況をひどく不憫がられ、自分のようにたくさんの親友をつくりなさいと諭されたとか。こうしてみますと、一種の不文律めいたものと申しましょうか、身近な者同士で反面教師的なちからがはたらくような気がしないでもありませんね。


 往年の美人女優がテレビで「趣味仲間の親友がたくさんいてくれるので幸せです」と語っていた場面をいまだに記憶しています。もう二十年も前にたったひとりの親友を病気で亡くしたヨウコさんの現在の朋輩は、俳句&カクヨムさんで知り合ったほどよい距離のみなさんばかりですが、おかげさまで少しもさびしくありません。(*'▽')




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※ラジオの文芸番組に、評伝でその半生をつぶさに存じ上げているベテラン歌人さんが選者として登場されました。若手の選者もいいですが、この道ひと筋(細胞生物学者でもいらっしゃいます)のお話は奥ゆきがあって、それ自体が作品のようであり、じっくりと聴き入りました。当たり前ですが、人柄は年齢ではないとあらためて。




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