第467話 数字 ➗



 名句の認定を恣にする句に、しばしば数字のレトリックが潜んでいることに気づきます。そういう意味で、数字は存在そのものが詩であると言えるのかもしれません。まだその域にほど遠いヨウコさんは、ひとりとかふたりのありふれた使用がせいぜいですが「鶏頭の十四五本もありぬべし 正岡子規」を筆頭になんとも煌びやかです。


 例をあげさせていただけば「牡丹百二百三百門一つ 阿波野青畝」「行く春のひとりの卓に椅子四つ 津川絵理子」「二人ゐて一人話さず草の花 和田華凛」「短日やこのいち日のこの一句 鈴木真砂女」「ふたり四人そしてひとりの葱刻む 西村和子」「古書店に主とふたりクリスマス 河原地英武」etc.いずれも訴求力抜群ですね~。




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※署名する必要があるとき、手が震えて名前にならない。まさかそんな経験を自分がするとは思ってもいませんでした。最初はフリーランスになって間もなく清掃バイトの面接に行ったときで、息子のような面接官に「そんなんで大丈夫? うちの仕事、きついよ」と呆れられました。いまも運転直後など、ほとんど字にならず……。:->




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