第438話 選ばなかった 🧩



 だれもが思っていることをすらっとさりげなく詠んだ俳句に接するとどきっとし、これぞ名句!! 膝を打ちたくなります。「小瑠璃飛ぶ選ばなかった人生に 野口る理」を目にしたときがまさにそれでした。なんてすばらしい感性なんでしょう!!(むかし某女性作家に「感性なんて言うひとはいや」はっきり言われましたが( *´艸`))。


 あのとき別の選択をしていたら、あそこであの人物に出会わなかったら、そもそも自分という愚か者がこの世に生を享けなかったらすべての苦悶は存在せず、さらにはその苦しさを次代に持ち越すこともなかったことを思うと無念でなりません。歴史と同じく人生に if が許されていない状況を運命と呼ぶのは納得しがたい気持ちです。


 もうひとつ。たいへん若いと思われる俳人さんによるあっけらかんの一句「適当がいいね胡瓜を丸かじり 竹岡佐緒理」にも、天晴れ!! よく詠んでくれましたね~と胸がすきました。詠む方も天晴れですが、自然詠が尊ばれる一般的な句会では無点になりそうな冒険句を拾いあげられた選者の器にも天晴れ、ダブル天晴れ。(*^。^*)




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※両羽に囲いこむようにして育てた子どもたちが巣立ってから空の巣症候群に陥り、うつ病やパニック障害の葛藤の苦しさから脱するため、わたしの恃みは亡き犬のみと意識を向ける状況が身について幾星霜。本当に辛くて長い歳月でした。(;_;)/~~~ これからの日々はさらりと生きて、空で待っている犬のもとへ真直ぐ昇りたいです。




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