第412話 選外作 🎨
膨大な数量の応募作品の蓋に×と大きく殴り書きされた段ボール箱に放りこまれたこれまた膨大な数の選外作から、もしかしたら選者が見逃しているかもしれない作品を再発掘してみるという無謀な(笑)試みに駆り出されたアーティストのエッセイを拝読し、ふ~ん、そういうものなのかな、言われてみればたしかにねと唸りました。
大半はありがちな自然や風景、家族、祭りなどを撮影した、退屈で凡庸な、正直、作品とも呼べない写真ばかりだったが、ごくまれに、右から左の手を止めずにいられない異質なものが混じっていた。いずれも写真機材とか構図とかピントとかを超えた不可解なものばかりで、共通しているのは抗いがたい無常感が漂っていることだと。
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そうした選外作品がこれほどまでにアーティストの胸を打つということになると、入選作の常識ってなんだろうという疑問が湧きます。なにもかも完璧できれいに整っているものより、もしかしたら技術も構図も無視した素人の粗々しさのほうが秀でていることもあるのかもしれないとなると、優劣の線ってなんだろうということにも。
少々こじつけ感があるにはありますが(笑)陶芸にたとえれば、完全無欠な国宝・曜変天目VS指の跡まで残した川喜田半泥子の茶碗のようなものでしょうか。天邪鬼ヨウコさんとしては、断然、常識破りの銀行頭取作家による凸凹茶碗を推したいところですが、家康のお墨付きに無条件で平伏したくなる気持ちもわからないではなく。
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