第389話 編みぐるみ 🐕



 ヨウコさん、じつは字と同じくらい糸が好きなのです。やさしいシルクの縫い糸やカラフルな毛糸、なかでも、かぎ針でも棒針でもシンプルな細編みやメリヤス編みを繰り返していけば自然にグラデーション柄になるというドイツ製の毛糸が大好きで。数年前までスヌードやマフラー、ひざ掛など編んで周囲にプレゼントしていました。


 そのうちにコロナが流行り出して、世界中がマスク不足になったので、手持ちの端切でせっせと布マスクを縫って知人にプレゼントしました。ゆうに百数十枚は越えようというころ、とつぜん政府だか医療界だかが「不織布でないと防菌効果がない」と言い出したので、贈り先に「捨ててね」と連絡……。あれはいくらなんでも。(;_:)



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 それやこれやでしばらく遠ざかっていた手芸を再開しようかなと思い立ったのは、あるテレビドラマの小道具として愛らしい動物の編みぐるみが登場したからでした。数年前に体長三十センチほどの姉妹の人形を編んでスケルトンケースに寝かせてありますが、そこへ動物も加えたらさぞかし楽しいだろうと想像をふくらませたのです。


 で、編み始めたのが抱っこできる大きさの編みぐるみ。余り毛糸なので途中から色が変わり、総体は地中海ブルーで、耳や手足、しっぽはあざやかな薔薇色という珍妙な抱きぐるみが出来上がりました。う~ん、これ、犬?(笑) と自分でも思ったりしますが、茶の目と白の口を思いきりニコニコさせたので、なんとか合格?(*^。^*)




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