第388話 ヘタウマ 🎣
昨今は省略している文庫本も少なくないようですが、自著の巻末の解説があまりに意にそわなかった場合の作者の困惑顔が彷彿とされることがあります。自身がこれと見込んだ作家または評論家、あるいは版元や文壇の義理で依頼せざるを得なかった、いずれかの結果と思われますが、こんな解説なら、ない方がましという感じの……。
なにこれ?! と思う筆頭は、やたらに本文の引用が多用され、明らかに楽して紙幅を稼ごう(笑)という魂胆が見え見えのもの。ネタバレめいたことを平気で書いている例まであります。一方、気負い過ぎもちょっと。仕事時代、新聞の書評を頼まれた拙い経験からして気持ちはわかりますが、力み過ぎはかえって読者を遠ざけるかと。
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とわかっていながら、今日もまた新たな本の巻末から開くヨウコさん。まずは作者自身による「あとがき」(出版関係者に気をつかい過ぎは読者に失礼)、つぎに解説に移って、な~んだ、この程度か(エラそうに(笑))とか、え、意外にイケてるじゃない(同)とかつぶやきながら、あらためて冒頭へもどって、本文を読み始めます。
ついでに言えば、目次や扉の周辺に線画のイラストが添えてあればなおうれしい。イラストではなくカットと呼んであげたいような、いかにも素人素人した、いわゆるヘタウマの静物とか人物の素描がいいな。なにこれ?! わたしだって描けるよ(本当は描けない)と言いながら何度も見返さずにいられない、人肌のカットが最高です。
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