第381話 柏葉紫陽花 🌼



 か・し・わ・ば・あ・ぢ・さ・ゐ。いくら数え直してもびくともしない堂々の八文字をどう詰めこもうっちゅうんじゃい?! あのころの自分にセルフ突っこみを入れながら、大方は純白で一部に渋い薄紅色が混じる、ふっさりした花房を眺めています。はい~、リニューアルオープンしたスーパー銭湯の野天風呂につかりながら……。


 あのころは俳句を始めたばかりで、なんの知識も経験もないのに、なぜか、やればできそうな気がして(俳句初心者のアルアルで、ゆえなく軽んじていたのですね~)覚え立ての植物をどうしても詠みたくなり、やたらに無駄な足掻きをしていました。中七の字余りは✕という基本ルールに句またがりで挑戦しようという無駄な試みで。


 俳句の楽しさ&むずかしさがようやくわかって来たいまは、無理やり詠みこもうとする無謀は放棄し、梅雨の狭間の曇り空に捧げる雅な簪のような柏葉紫陽花に、ただただきれいだね~と見惚れています。高低差をつけた岩風呂がユニバーサルの真逆だねとか太い配管が剥き出しで雑だねとか、ちょっとのがっかりは胸に畳みこみ……。



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 帰宅して録画を再生すると、いやはや、朝ドラヒロインの寅ちゃん、あっちからもこっちからもコテンパンにやられています。重ねるのもおこがましいのですが、花江さんのようにサポートしてくれる家族がいなかったヨウコさんも周囲から公私にわたる完璧が求められ、結果的に子どもたちにさびしい思いをさせました。(´;ω;`)


 ところで、一応、柏葉紫陽花の句を検索してみたら、古今の例句には皆無でした。五文字以上の語彙は上五が常道、よほどの必然性がない限り下五に置くのはご法度の基本をご存知ない素人さんがありがちな俳句もどきを堂々と載せているのはご愛敬。紫陽花の季語は四文字なので、濃紫陽花とか白紫陽花とか五字への工夫が一般的で。




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