第380話 徒然に 📡
昨今の昼間のラジオには、お笑い芸人なる分野のひとたちの出演が増えて、それはそれはにぎやかな様相を呈しています。ただ、おしなべて滑舌がよくないのに早口でしゃべりまくり、司会の女性アナウンサーを含め仲間内で受け合って笑い合っているだけという状況がやりきれず「☆◇料返してよ」(笑)とつぶやいたりしています。
そういうとき「朗読の時間です」いきなり告げられると闇夜に月を見たようなひどく得をしたような気がして急に姿勢を正したり(湯船で(笑))するのですが、いつぞやはとんだ外れクジでして、少し前に亡くなった男性作家による、なんともはやな時代錯誤小説を聴かされ、期待した分だけ落胆が大きくてそれはそれで残念でした。
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で、懲りて期待しなかった分だけ、戦後社会で懸命に生きる子連れの若い女性を描く林芙美子さんの短編小説の芳醇さには唸りました(湯船で(笑))。「わたし」の主語や登場人物名が何度も繰り返される弊はありますが、当時パソコンがあったら簡単に修正できたろうにと思う程度で、実力のある作品にそんなことはどうでもよくて。
現代の読者に読み継がれる『放浪記』ほかの作品に、薄幸な生い立ちに端を発する生の軌跡を克明に描写してくださったおかげで、わたしたちはこのキュートな作家と人生を共にしたような親密感を共有できますが、それもすぐれた文芸作品のみがもつ底力かと。まったく及ばずながらですが(笑)誠意を尽くしたいな~とあらためて。
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