第360話 ゾンビは不滅です(笑) 👻
ねえ、本当にいま二〇二四年ですか、あの建物だけ戦前のまま停止しているんじゃないの? そう問いたくなるような不毛な国会中継を観る気も失せかけているとき、ある資料に多数の「軍国の母/靖国の妻」をうむ元になったトンデモナイ記述を見つけました。曰く「夫は尊く妻は卑しい」(昭和十六年文部省『戦時家庭教育要項』)。
大正デモクラシーでぐらついた(笑)天皇を頂点とする家族主義国家の強化を図るという目的がみごとに達成されたことはその後の歴史が物語っていますが、選択的夫婦別姓でしたっけ? 戦前の特権復権をひそかに願う男性議員はもとより、へんなところで女性性を発揮したがる気色わるい女性議員まで、揃いもそろって無様なこと。
🦂
こういう風景を見せられるたびに、先進国を自負するこの国の後進性を思います。そして、あの当時、並みいる男性作家連をよそに圧倒的人気を誇った女性作家(父権社会への無意識の破壊者)に対する作家・N氏や評論家・K氏によるなんとも下世話な、強烈な嫉妬のあまり容貌まであげつらう姑息な弾劾ぶりには、心底呆れました。
それだけに、同じ男性作家でも菊池寛、徳田秋声、吉川英治さんたちの公正さが際立ちます。いえ、これ、往時に限った話ではありません。日常の端々に、錆びついた保守性がちらっとかいま見えたりする現代にも通じる話なのです。なお、その資料に「権威をふりかざす者は権威に弱い」という記述があったことも付記しておきます。
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