第359話 仕切りのあるベンチ 🌃 



 一見すると市民の便宜を図っているように思えるけど、その設置には、冷たい心が隠されていたんだね~とヨウコさん。どこかの都市で、仕切りのあるベンチが増えていることについての是非論が起きているという報道に。三十年前の特許庁の実用新案登録に「浮浪者などがベッド代わりに使用できず」と記録されているというのです。


 たしかに、テレビに映されたベンチはひとり分ずつの幅で頑丈な柵で仕切られているので、疲れても、具合がわるくても、そこに身を横たえることは不可能そうです。え、なんてひどい!! 市民のためっぽく装いながら、じつは社会的弱者排除の目的で考案されたものだったなんて、同じ人間としてあんまりじゃないですか。(。-`ω-)


 こういう場合、いつも思うのです、それを考案したひとも、実施するひとたちも、自分には関係ないことと根拠もなく信じているらしい、その想像力の稀薄さたるや、もって恥とすべきでしょう。ひとりの例外もなく生老病死がつきものの人間の未来はいつどのように転変するか知れず、それが自己責任であろうはずがないのですから。




         🪲🐞  🪲🐞  🪲🐞  🪲🐞




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