第316話 年譜の行間 ⏲️
相当なエネルギーを要するので、つい一日伸ばしにしていた大仕事を早朝の数時間で一気呵成に仕上げました。といっても近代を先駆けた女性の年譜を拾ってWordに打ちこむだけの創造性の薄い作業ですが、無機質な一行と一行の行間にあるものを読み解きながらひとりの人間の軌跡を追うことになるので、とてつもなく疲弊します。
そうですね、たとえば、比較的恵まれた環境にあった女性という認識だったけど、よく見れば、三十代の十年間、夫が病気で無収入状態だったから金銭面を含めて相当に苦労されただろうね~とか、後年は著書を出版されていたけど、版元が変わるのはなぜ? まさかありがちな出版屋呼ばわりの方ではないでしょうね~?(笑)とか。
🥳
そうこうするうちに、いつしか対象となる人物の生涯に深く入りこんでいて(勝手にごめんなさい)胸の集合住宅に新たな部屋が築かれ始めていることに気づきます。そうなると親友がまたひとり増えたも同然。メモの羅列である年譜を芯にしてどのような骨格を組み立て、ゆたかな肉づけをし、熱い血を通わせるかの工程に移ります。
🫛🪻 🫛🪻 🫛🪻 🫛🪻
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