第252話 不思議なパワーバランスについて 🏄
じつはちょっと困ったな~と思っていたのです、あるメール句会の選句が妙な具合に偏ったので。えっとですね~、打ち明けて言いますと、年代や性別に関係なく、日ごろ読書やひとり吟行で地道に作句センスを磨かれているタイプと、酒や麻雀三昧の生活を送っている方々とがいまして、当然ながら響き合いやすいのは同類項同士で。
いつもはそのバランスが危うく保たれているのですが、冬が倦んだ今回はなぜか極端に偏向しまして、前者の句が後者にはまったく顧みられず……。でも、全メンバーの句が集まる事務局の目には両者のクォリティの差が一目瞭然なのです。イメージ的には清冽な大気の香 VS 饐えた密室の匂いの対照といいますか、そんな感じでして。
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なんとなく腑に落ちませんで、こんな享楽的な仲間褒めみたいな句会をつづけることに意味があるのかな~と沈んでいたところ、前者に属するおふたりのベテラン俳人から、すかっと胸がすくように明快な選評が相次いだのです。さすがは句歴数十年の貫禄、淡々とした筆致に隠し味めいたキレ味をきらりとひそませてありまして……。
ネットを介する集まりでもときにこんな自助作用がはたらくんだね~とびっくり!! なにも言わずとも阿吽の呼吸で事務局の苦衷を理解してくださる方々がいらっしゃる事実に、三月の声を聞いてなお冷えこんだ一日がじんわり慰められました。ラジオで東京はコート要らずの陽気とはしゃいでいましたが、日本列島は長いのですよね。
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