前のエピソード――第250話　鏡のように見えています　🪞

　地震、台風、感染症、物価高……苦悩する国民をよそに特権階級を自認する◇△は大きな切り餅みたいなのっぺり顔をアップでさらし、しれっと、うそを言い立てる。あそこまで平然とされると、ひょっとして、わたしたちがまちがっている？　なんて思いかけるから徹底的にナメラレテきたのですよね、この国のおとなしい民は……。

　そういえばと苦い記憶がよみがえります。先の東京オリンピックでも今回の派閥の裏金疑惑でも洩れなく引き出された闇の老帝王が、かつて某女性政治家の容貌を云々したとき「アレはあの方一流の愛ですから」ヨウコさんのサイトで援護射撃を行ったのは相当若いと思われる女性ユーザーでした。むろん即お引き取り願いましたけど。

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　こういうひと、むかしからいました、自分だけは小うるさいオバサンとはちがうと言いたげに頬を染め身をくねらせ、自らすり寄る気配満々の一部女性。じつを言うとまったくの新人のヨウコさんが人生初参加の句会なるものに思わぬ疑念を抱くことになったのも、会場に足を踏み入れた瞬間に、あり得ない場面を目撃したからで……。

「近ごろはなんでもセクハラセクハラですよね」「まったく。コミュニケーションが大切なのに」「わたしはそんな野暮を申しませんから」「ふふふ、分かってるって」ビミョウな会話を交わしながら、高齢男性が高齢女性の肩をもみもみ。思い出すだに気色わるいです。ご提案です、どうか同好の士だけで群れていてくださいませんか。

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